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たぶんあってるサッカー評

パリ五輪 男子サッカー 準々決勝
日本0-3スペイン

まずスペインはグループリーグの最終戦で
エジプトにあえて負けて、日本との準々決勝を選んだわけだ
パラグアイより日本のほうがくみしやすいってこともあるけど
その次の準決勝で地元・フランスと当たりたくない
ということのほうが強かったようだ。

そんで、肝心の日本xスペイン
審判の判定がどうのこうの、と言ってるけど
結果は順当だったと思う

何が違ったかを守備陣形で見てみる。
システムはどっちも4−4-2なんだけど
守るとき、日本は中盤が最終ラインに入って
ときとして8−2という極端な陣形になる

一見、最終ラインの人数が多くて強固な守備になりそうだけど
8人全員が前を向いて守備をする。
(前の2人はカウンター狙いだから、猛烈な守備はしない)

敵とボールが守備ラインの前に来るとラインごと敵に向かっていく
サイドから攻められたときは、一人が抜かれても中寄りの誰かがカバーする
だが、この守り方は中央から攻められると弱い
見方同士が重なって混乱を引き起こす

相手が真ん中からドリブルしてきた場合に弱点は露呈する

もう一つは、守備ラインが横1列しかないので、
いわゆるファーストディフェンダーが存在しない
その結果、何が起こるかというと
ミドルシュートをフリーで撃たれてしまうのだな

そうでなくても守備陣は8人も並んでいるから
キーパーにとって死角は多い
守備陣の間を通ってきたミドルシュートは止められない

うまく相手のパスかシュートを跳ね返したとしても
前に転がったボールを拾う係がいない

一方のスペインはというと
ディフェンス、中盤、2トップが3列を形成するのではなく、
仮想の4列を作っている

仮にA列、B列、C列、D列としよう。
A列は2トップがカウンターに備えている
D列は守備陣が並ぶ
そんで、中盤(特にボランチなのだが)は
守備のときはC列に下がり
攻撃のときはB列に上がる

守るときはトップと中盤の間にけっこうな間隔ができ
ボランチとセンターバックの4人は前後に狭い長方形のボックスを作る

これでゾーンプレスみたいなことをするわけだ
侵入してきた敵(日本)を縦に挟み込む
日本が横に挟むのとは対照的だ

もとより走力はスペインのほうが総じて上だから
攻め込んだ日本の選手は後ろからのプレスにまさにプレッシャーを感じる
その結果、アワワワとなってパスミスを繰り返す

ボールはD列が回収する。
これがうまくいかずにボールがこぼれたとしても
C列がすぐ前にいるので、ここで回収できちゃう

そんでC列はそのままボールを持ち上がるか
A列にロングパスを送る
これがまた正確なもんだから、
日本は太刀打ちできなくなっちゃうわけだ

大岩監督がロングスローを嫌っているのか
日本はゴールライン際のスローインでも
普通にスローインして
そんでときどきそのスローインをかっさわれていた

ということで、
スペインのやり方がわかった時点で
日本もゾーンプレスぎみな守備に切り替えるのと
ロングスローを使ってみるという
オプションがほしかったなあ、と思う