見出し画像

日記のようなそうでないもの #4

2018.11.15(thu)

昨夜から何となく予感はあった。

目覚めて、ああ、今日はやはりダメかもしれない、と感じた。

鬱症状の経験がある方ならおわかりになるだろうと思う、身体に重りをつけられて、ずぶずぶ泥の沼に沈められるような感覚。

今日は前々から、是非とも拝見したい、と思っていた、ソニーイメージングギャラリー銀座での、幡野広志さんの写真展、「優しい写真」の最終日だ。

なんとか布団から体を起こそうとしたが、電車移動と人混みの駅や喧騒の街に行くことを考えると、やはり気分が悪くなって、再び枕に突っ伏した。

30分程そのまま横になっていたが、何か食べ、いつもの薬を服用すれば体調も回復するかもしれない、と、気力を振り絞り起き上がり、
バナナとヨーグルト、冷凍のアメリカンドッグを温めたもの、一人分用のドリップコーヒーを胃袋に入れ、処方薬とサプリメントを飲んだ。

そして、歯を磨き、苔玉に水をやり、、、

とそこまでしたところで、果たして今日は銀座まで外出できるかどうか、自身に問いかけてみたが、答えはノーだった。

秋晴れの陽光がキッチンの窓から差し込んでいる。外の陽気はきっと気持ちいいだろう。

それ以上悲しくなる前に、頓服を飲み、再び布団に潜り込む。

幡野さんの、優しい写真を、見たかった。

キッチンから感じた陽光のように、そこにいるものを優しく照らして、包んでくれる、優しい眼差しが焼き付けた世界を。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?