優しい写真
写真展をやります。というか今日(11月2日)からやっています。
和光と三越のある銀座を象徴するような銀座四丁目の交差点、銀座プレイスの6階ソニーイメージングギャラリーにて11月15日までやってます。
きっとこういう告知って1週間とか2週間前からやるものなんだろうけど、なんだかんだ当日の朝になってしまった。忙しいとか、体調が悪いとかが理由ではなくて、これがぼくの性格なんだとおもう。
8年前にニコンサロンで個展をやったときも、搬入する当日の朝までプリント作業をしていた。25年前は夏休みの宿題を9月1日の朝までやっていたような気がする。中学生になると、夏休みの宿題に意味を感じなくてそもそもやらなかった。
今回も搬入の朝まで慣れない手書きの手紙を書いていていたのだけど、仮に準備が終わらなくても誰かが死ぬわけじゃないしなぁと、病人なら持ち合わせていた方がいいであろう思考でソファーでゴロゴロしたりもしていた。
個展をサポートしてくださっている健康な方々にゴロゴロしている姿を見られたら、止めを刺されても文句はいえないぐらい気をやきもきさせていたとおもう。
他所の子の写真を見にきてくれるのか一抹の不安があるのですが、展示しているのは息子の写真です。ちょうど一年前の11月にガンがあることがわかって、山あり谷ありだったけど一年後にソニーのギャラリーで個展をやっているとは想像もしなかった。
人生ってどうなるかわからない。
だからといっていま苦しんでいる人にたいして“人生どうなるかわからんぞ、あきらめるな!”なんてことは口が裂けても言いたくない。
つい数日前も“奇跡は必ずおきますから、がんばってください。”とJ-POPな応援をされたけど、J-POPの聴きすぎだ。そして奇跡が必ずおきてたら、それは奇跡じゃない。あなたの奇跡体験アンビリーバボーの目撃体験ためにぼくは生きていない。
ガンになったことも、その一年後に銀座で個展をやるのも、たまたまそうなっただけだ。
個展のDMって10年前なら集客のために関係各所に送ったり、やはり集客のためにカメラ雑誌に作品を持ち込んで個展に合わせて掲載をお願いしたりするのだけど、いまの時代ではSNSのほうが圧倒的に集客効果が高い。
なので写真展会場内は撮影OKだし、SNSの投稿もOKです、歓迎です。
DMはお客さんが持ち帰るお土産や記念品の意味合いの方が大きいので、ぼくの個展といいつつ、DMの写真は妻の写真を使った。
写真家が写真家に写真を見せて盛り上がったり、写真の話やカメラの話ばかりするのってぼくはあまり好きじゃないんです。このDMで写真のかんたんさと撮ることの楽しさを伝えたかったんです。
きっとこんな感じの話をゲストとギャラリートークでするとおもいます。
ゲストには糸井さんと鈴木心さんをお願いしました。
11月10日(土)17:00-18:00 糸井重里×幡野広志
11月11日(日)17:30-18:30 鈴木心×幡野広志
1500円の入場料がかかります、リンク先からチケットの購入をお願いいたします。
今日が個展初日、初日だけど病院に一日中行くのでいません。
基本的に土日も平日も在廊するつもりです。
でも在廊しなくても誰かが死ぬわけじゃないしなぁと、病人ならではの思考でゴロゴロしているかもしれません。そのときはごめんなさい。
サポートされた資金で新しい経験をして、それをまたみなさまに共有したいと考えています。