キャッチーなメロディーを作る方法。 B'z『ultra soul』の「ハーイ!!」は相当重要。
こんにちは、スキャット後藤です。フリーランスで作曲家やってます。今日は「キャッチーなメロディー」をテーマに書いてみたいと思います。
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キャッチーなメロディーってどういう意味なんでしょう?人によって解釈が違うんだろなーと思います。僕は仕事で「キャッチーな曲で」と依頼されることが多いです。CMソングだったり、番組のタイトルバックの曲だったり、劇伴のテーマ曲だったり。(僕はあまりボーカルもののポップスは作ってません)パパっと作れる時もありますけども悩むことも多いです。難しい。
①ひっかかりのあるメロディー。音がなったら振り返っちゃうみたいな。
②アテンションになる。無意識に口ずさんでしまう。
③ドラマやアニメの看板になるような、その曲を聞くと思い出すみたいな。 (これは映像演出に大きく影響受けるので楽曲そのものでは語りにくい)
パパっと書いてみましたけども、まだまだいろいろとありそうです。人の注意を引くことができるって事がキャッチーな大きな要素な気がします。そういう曲ってどうやって作ればいいの?って思う人は多いですよね。僕も毎回いろいろと試してみて形にします。
たまに、「プロになりたい!」という人の曲を聞く機会があるのですが、だいたいメロディーが埋もれてます。伴奏の一部みたいな感じで。聴き終わった後、何も印象に残ってない、、、bgm的に使うのが目的でメロディーが耳に残らない方がいい、それが狙いであればそのままでいいのですが、特にJ-POPのコンペに参加してるような人だと「強いキャッチーなメロディー」が作れないと勝てないんじゃないかなと思います。(そう言ってる僕はコンペに参加してないですが)
CM音楽だと、テレビからいろんなCMが流れてくる中、自分が制作したCMが流れた時に音楽にひっかかりがなければ自分の役割失格ってなことになりかねません。(無味無臭な曲の方がいい場合も多いですが)テレビCMの場合、テレビを流しながら(画面を見ずに)リビングで別のことをしてる時に音で違和感を感じてもらってCMを見てもらうという狙いがあります。その時、前後のCMに馴染んでるような音だと振り返ってもらえません。
そこで、、、
一発で記憶に残る曲を作る! 「9つのルール」を書かれた作曲家・割田さんのツイートです。僕が曲を作る場合、まずここを覚えてほしいという部分を決めます。曲を最後まで聴き終わった時に、どこが印象に残ってるか。一筆書きでメロディーを決める時もあるのですが、メロディーの詰めを行うことが普通です。印象に残したい部分が決まったら、そこを引き立たせるための前後を考えます。メロディーそのものの設計、コードをどうするか。メロディーを引き立てるための合いの手のフレーズだったり、ボーカルものだったら、歌詞との兼ね合いも大きいですね。母音をどうするかとかも含め。もちろん歌詞の内容も大きく関係します。意外な言葉を使ってたらハッ!としますね。もちろん歌い方も重要です。(ディレクション、テイク選びも)
僕がキャッチーなものをお題に作曲する時、一番重要視してるのは譜割り(リズム)です。同じような譜割りをずっと繰り返してしまうと印象に残らないので、リズムを崩してみたりして、不揃いな部分を作って印象的にしたいところを引き立たせます。気分良く予想を裏切るってことかな?聞いてる人の気持ちをぶったぎってしまうと気分を害してしまいます。コードチェンジも滑らかに変化するものよりは、ある瞬間にハっとするものを使ったり。タイミングをずらすというのもそのひとつ。
メロディーそのものより、アレンジをどうするかが結構重要です。「キャッチーなメロディー」にするためにメロディーを試行錯誤する人が多いかもしれませんが、もちろんそれも重要ですが、アレンジが相当大事。そして、印象に残したいメロディーの前後もすごく大事です。「ここ!」ってところを引き立たせるのです。
自分が好きな曲でキャッチーだなーと思う曲を分析してみるとヒントはむっちゃ見つけられると思います。どう分析していいかわからない人は、「もしこの音がなかったらどういう印象になるだろう?」って想像してみるのもありだと思います。
せっかくなので、例をあげたいと思います。
みんな知ってそうな曲でいうとB'zの「ultra soul」。ラストで「ウ・ル・ト・ラ・ソ・ウ・ル」って歌いますけど、もしそのあとの「ハーイ!!」がなかったら、どういう印象になるでしょう?たぶん「ハーイ!!」がないとここまでキャッチーになってなかったでしょうね。「ウルトラソウル」って歌ってる部分で実はすごく地味なのです。そのあとの間奏頭(サビと同じフレーズのギター)もここまで引き立たなかったと思います。「ハーイ!!」はむっちゃ重要なのです。この手法はむっちゃ使われてます。僕もむっちゃ使います。
「もしこの音がなかったらどういう印象になるだろう?」って想像はいろんな発見が出来ます。僕は普段常にこの比較をやってるのでどんどん引き出しを蓄積してます。耳コピできない、コードも分析できない僕が唯一できる勉強法かもしれません。これ、おすすめしたいです。(分析できる人は楽譜に書いたりするといいのかもです)
ということで、脳内グルグルまわっちゃう妄想音楽図鑑というのを僕は作ってまして、「僕の曲が嫌いな人も、ついつい口ずさんでしまう楽曲」をコンセプトにシリーズ化してます。ぜひ聞いてみてください!
メロディーの強さを自分で調整できればいろんな仕事に対応できます。ドラマの劇伴では、メロディーが強すぎると邪魔になることも多いですし、曲頭の一音目を印象的に!と言われても対応できます。キャッチーなメロディーというとサビを思い浮かべたりすることも多いですけど、たった一音でキャッチーに!ということもあるのです。CMで流れるサウンドロゴとかそうですよね。なので、作曲の勉強してる方は、メロディーの強さを調整することを意識してみてください!
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ということで、最後まで読んでいただきありがとうございました!
スキャット後藤
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