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「お前はフェイクだ」「お前こそフェイクだ」

「お前は勉強不足だ」「お前こそ勉強不足だ」

「◯◯新聞を読んでいるお前はウヨクに洗脳されてる」「そういうお前は▲▲新聞を読んでいるせいでサヨクに洗脳されている」

・・・とかいったような「対話」にも「議論」にもならない寒い言葉が飛び交う世界に、すっかり疲れを感じて、「何かを考えるとか、自分の意見を言うとか、だんだん嫌になってきた」最近、

仲正昌樹さんの『現代哲学の最前線』を読んで、

世界がこんなにうるさい間でも「正義」とか「存在」とか「心」とかいった古くからのしかし重要なテーマについて哲学界では真摯な議論が続いていたと知り、安心しました。スカッと、清涼飲料のように、効きました。

若い頃は退屈に思えたロールズとかポパーとかハーバーマスとかが、今思えば、私の世代にとってもいちばん重要な哲学者たちだったのかもしれません。面白いですね。

いちばん印象深かったのは第二章の「承認」論。

そこで注目されることになったのが、有意味に「対話」できる主体になるための条件としての、「承認recognition」の問題である。
相手も自分と同じように「人格」を持った存在であると認め、尊重すること、少なくとも他の対象(モノ)と同列に扱うことはできないという意識を伴った認識である。

※引用は、上掲書『現代哲学の最前線』より。

自分が承認されたいという欲求を諦めないのはもちろんながら、「他者を承認してあげる」ことからも逃げないこと。難しい議論ですがとてもいろいろなことを考えさせられるし、自分の生き方を見直す上でも刺激になる。やはり、現代哲学は、いい。

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