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ジュニア層向けに出版してほしい海外怪奇小説の名作を集めてみた

ハヤカワジュニアブックスさんが「ホラー」シリーズを出し始めたというニュースを受けて。

いいですね!はい、もちろん「裏世界ピクニック」もいいのです。が、

せっかくなら、古今の怪奇小説の名作を、現代日本のジュニア層に読みやすい版に再翻訳してシリーズ化、いつかやってもらえないでしょうか?

一人のホラー小説好きとして、ぜひ、後継世代が育ってほしい!このジャンルも日本でもっと隆盛してほしい!

ちなみに、「私だったらどんな作品をジュニア向け」に打ち出すか?

いくつか、考えてみました!紹介させてください。

1:何かが道をやってくる

紛れもない名作!個人的な推測としては、スティーブン・キングの『IT』あたりはこのテイストを多少参考にしたのではないかなと睨んでおり。

街にやってきたサーカス団が、実はホンモノの魔法を使える黒魔術集団だった!その正体に気づいた二人の少年。大人は誰も信じてくれないが、ただ一人、さえない図書館の司書のオッサンが、二人の少年を救うために悪魔たちに立ち向かう!

という感じ。二人の少年と疲れたオッサンという、心細い(が勇気はある)三人が、おそろしい「悪のサーカス団」との対決に挑みます。個人的には、気球に乗って夜に子供をさらいにくる魔女(ダストウィッチ)のキャラクターがいちばんインパクト大。あの魔女が家の屋根に迫ってくるシーンは怖いけど、立ち向かう子供の勇気にも胸打たれる。

なにせ少年二人組が主人公ということでジュニア受けもきっと良いはず!ジュニア層向け復刊してほしい!

2:幽霊を見た10の話

これはもともと児童文学ですが、内容的に、萌え系のテイストでもよいので今風のイラスト付きで復刊してくれれば、とても良いのではないかと思います!

ジャングルジムの影を安全地帯にして幽霊(妖怪?)から逃げ延びるエピソードがいちばん好き。

ちなみにこの作者は『トムは真夜中の庭で』を書いた人、こちらも子供たちに是非読んでほしい名作!イギリスの児童文学者はレベル高いですよねー

3:魔法の書(『ラテンアメリカ怪談集』所収)

私がラテンアメリカ文学好きなので、南米からもひとつ紹介を!「読んでも読んでも続きが出てくる」謎の本を手に入れた男の話です。

本を読むのが好きな人なら、この主人公が命の危険さえも冒して「魔法の本」の読破にチャレンジした気持ちはわかるはずだし、これこそぜひ、読書好きな少年少女に読んでほしい!

・・・とはいえ、「さまよえるユダヤ人」伝説を知らないと背景が分からないので、ジュニア向きに翻案するのはかなり難問なのかもしれません。。。

4:創元推理文庫『恐怖の愉しみ』に収録されている短編ぜんぶ!

やはりホラー小説の醍醐味は19世紀イギリス人作家たちにあり!

・・・ということを子供たちにも理解してほしく、そのためにはこの創元推理文庫『恐怖の愉しみ』に入っている、『猿の手』から『幽霊駅馬車』に至るまでの古典イギリス怪奇短編の名作をぜひジュニア向け体裁で出してほしい!

これで興味を持った子供らが、ディケンズあたりに手を出すような英国文学通に育ってくれると嬉しい!ディケンズが好きだ、なんてシブい子供らが増えれば、20年後30年後の日本も安泰でしょうし。怪談ではないが『二都物語』なんか、分断に揺れる現代にこそ再流行してほしい。あのオチに泣ける人なら選挙でも間違った投票はしない筈。

というわけでまとめ

などと思いついたものを4つほどあげましたが、怪奇小説という幅の中でも、まだまだ、多くの子供らに読んでほしいものは出てくる。

というわけでぜひ、ハヤカワジュニアブックスさん含め、日本のジュニア層向け出版社には、これからもホラージャンルへの目配りを、なにとぞよろしくお願いします!

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子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!