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プロセス心理学の本に載っていた大変面白い患者のカウンセリング事例のこと

皆さん、こんにちは、

noteでイラスト入り夢日記を連載しているヤシロと申します。

ただし今回は私の夢日記ではなく、「夢分析」についての勉強のためにプロセス心理学の本を読んでいたら見つけた、ある症例のお話です!個人的にこの患者のカウンセリング事例とても面白いと思うた。

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わかりますかね?この患者が囚われていた「執着」は、論理的に二重構造、まるでメビウスの輪のように、いっけん、パラドクシカルだったのです。

この患者は、

『知的で、なんでも理解が早くて、そのぶん「そんなことはとっくに知ってる!そんなわかりきったことで泣いたり喚いたりするのは弱虫だ!」といつも叱ってきた父親』

、、、のことが憎い、ということを、

『知的で、なんでも理解が早くて、そのぶん「自分が父親のことを憎んでいるなんてことはとっくに知ってる!そんなわかりきったことで泣いたり喚いたりするのは弱虫だ!」と反応してしまい、カウンセラーの言うことを聞かない大人』

になっていたがゆえに、認めているようで認めていなかったし、

そもそも、この人には失礼ながら実に面白いことに、

まさに、この人が憎んでいた父親と同じ価値観の持ち主になっていたわけですね。

この治療で初めて、

「父親が憎い」ことが心因性の病の原因ではなく、「父親が憎いなんてことはとっくに理解している知的な人間なんだぜオレは、、、という態度が、自分の嫌いな父親そっくりだった」ことを認められなかったことが心因性の原因だったのです。ややこしい?よーく整理をするとわかりますよ!

そして、私がこの事例に頷いた点がもうひとつ。

私も、自分の夢や、他人の夢を見ていて、「父親に対する怒りや憎しみ」が夢に出てきた時には、いつも気をつけていることがあります。

それはつまり、

夢の中に出てくる「父」(あるいは「母」でも同じなのですが)は、現実の父とは関係なくて、「父から受け継いだ自分自身の部分」だったりする。

ファザーコンプレックスな夢を見た時、それを克服するために、我々の現実の父親と対決しても私はあまり意味がないと思ってる(そこにいるのは、ただの、歳をとった男性ですw)。そうではなくて、夢が示している「父親を今こそ乗り越えろ」というメッセージは、「自分の中にある父に似ている部分を乗り越えろ」というメッセージであり、対決すべき相手はいつだって、「私」の中にいるのだ。倒すべき父がいるとすれば、自分の中にいる、「イメージとしての父」のほう。

もちろん私は、この「イメージとしての父」が現実の父よりも手強い存在であることを含めて言ってる。多くの男性が同意してくれると思いますが、自分の中の「父とそっくりな部分」こそ恐ろしいし、しかも、実に、退治しにくい。

ただしその点、「おもいきりサンドバッグにぶちまけたら、それだけですっと考え方が変わった」この患者の事例はヒントになるかもしれない。とにかくこの患者の事例、笑い話のようでいて、なんだか、凄く、深いと思うた。皆様はいかに!?

▼参考文献▼

※それにしてもプロセス心理学は、「夢分析」を重視するので、夢日記作家を目指す私には参考になる事例だらけなのだが、正直、オカルトすれすれなことをやっている点はどうも気になるなあ、、、ユング系列の心理学派にはどうもそういうところがあり、、、どうも判断は難しいが、私は「夢や無意識の話題が好きだが、しかし、厳しく反オカルトを守る」人を目指している分、ユング系は参考にしつつもなるべくのめり込みすぎないようにしている、と申し上げておく

子供の時の私を夜な夜な悩ませてくれた、、、しかし、今は大事な「自分の精神世界の仲間達」となった、夢日記の登場キャラクター達と一緒に、日々、文章の腕、イラストの腕を磨いていきます!ちょっと特異な気質を持ってるらしい私の人生経験が、誰かの人生の励みや参考になれば嬉しいです!