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マーガレット・マーヒーの描く幽霊があまりにチャーミングすぎて読後感としても忘れがたい

Looking for a ghost、日本語タイトルは『幽霊をさがす』という、児童文学作家マーガレット・マーヒーの短編があります。先日取り上げたフィリパ・ピアスの怪談と比較すると、マーヒーの描く幽霊はさらにハートウォーミング

「甘い」という印象を受ける現代っ子もいるかもしれませんが、私はマーヒーさんのこの調和的な世界観、大好きです。

『幽霊をさがす』という短編の何がいいかというと、

ベリンダというキャラクターの秀逸さですね。

いかにもませた女の子という言動と、それが主人公の男の子を「いい意味で」チャーミングに翻弄する関係性と。

主人公の男の子は、幽霊を探しに町はずれに冒険に出かけたつもりで、不思議な女の子との不思議な一日を過ごすことになったわけです。

で、「けっきょく、幽霊なんて出なかったな」と言い張る主人公。

ベリンダと、そして注意深くちゃんと読んでる読者のほうは、「いや、何で気づかないの?出てきてたよ?」とツッコミたくて仕方なくなるw

そして幽霊の正体をいっさい男の子に指摘せず、「この子、どこまでトロイんだろう?」とじっと観察しているベリンダのイジワルさんぶりがチャーミングでたまりません

こういうのが書けるのは、この本の著者も子供の時、どちらかというと男の子をからかうオマセさんな女子だったのではないか、などと、推測してしまいます。

このチャーミングなゴーストストーリーは、日本語版では岩波少年文庫の以下の版に収録されています。オススメです!子供たちには、こういう作家さんのものをぜひ読んでほしい。


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