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比喩がうまくなりたいです。

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最近の記事

坂本龍一さんの不在について

2023年3月、坂本龍一さんの訃報を聞いてから5ヶ月が経とうとしている。この5ヶ月間、坂本龍一さんの不在が自分の中に大きな欠落というか、喪失を生じ続けていることに自分でもとても驚いている。彼の音楽を好んで聴いていた方ではあるけれど決して「ファンでした」と胸をはって言えるほどでもない自分の中に、なぜこんなに大きく、深い穴があいたのか。 また自分にとってこの訃報は「寝耳に水」「青天の霹靂」というほどに驚くべきニュースではなかった。2度目の癌に侵されていて闘病中なのは知っていたし

    • わたしの担任になった先生はみんな結婚する

      こんにちは。今日は皮肉だけどわたしのクラスの担任になった先生がみんな結婚する話をします。 幼稚園の年中さんの時の担任のイシバシ先生は、若くて綺麗な女の先生で、大好きな先生で、担任している間に結婚されました。わたしが初めて出た結婚式が、イシバシ先生の結婚式だった。出たと言っても正式に呼ばれたわけじゃなくてなんか遊びに言った感覚だけれど。ご主人の顔は全く覚えていない。先生がすごく綺麗だったことだけ覚えている。 年長さんの時の担任の先生はすでに結婚されている先生だった。怖かった

      • 家が火事になった話

         小学校1年生の時に家が火事になった。 というと、皆に驚かれる。それから、「そんなことあんまり誰にでも言うもんじゃないよ」と忠告してくれる人もいた。なぜ言わないほうがいいのかは教えてくれなかった。  小学校1年生の夏休み前だったと思う。深夜に家が火事になった。うちは父と母、それに私と2つ下の弟の4人家族で、当時たくさんあった大きな団地のとある棟の2階の部屋に住んでいた。団地の中には幼稚園と小学校があって、団地の子はみんなそこに通っていた。  その晩のおかずは天ぷらだった。父

        • 神の言葉を聞いたかもしれない

          みなさんはご存知だろうか。 『銀河英雄伝説』『アルスラーン戦記』『創竜伝』数々の名作を生み出した作家、田中芳樹先生のことを。 読んだことはなくとも、上記3作のうちどれかはタイトルを聞いたことはあるのではないだろうか。 かく言うわたしは高校生の頃に『創竜伝』にどハマりしたのだが、まわりに暑苦しく語れる仲間がいなかったのでひとり黙々と読み耽っていた。今ならネットの世界でいくらでも仲間を見つけられるのにね。世界は変わった。  さてそんなわたしのことを知っている友人の誘いで、田中芳

        坂本龍一さんの不在について

          3.11

           11年前のあの日、3月11日は、日本にとって大きな意味を持つ日になった。 直接に被災したかしていないかに関わらず、あの日あの時、日本であの震災を目の当たりにした人は少なくとも何かしらの影響を受けたはずだ。  わたしにももちろん記憶がある。忘れることのできない記憶。物理的、身体的には何ひとつ傷つけられていないが、それでもシンクにこびりついた水垢のように、どうしても取り除くことのできない、記憶。    わたしはあの日、東京都北区にある会社のビルの5階で仕事をしていた。今日と

          ひとりごとだけど忘れないように書く

          ウクライナのゼレンスキー大統領が自分と同じ歳だと知って非常に驚くと同時に、いま自分が一国の指導者として難局に立ち向かう状況にあったら、と想像しようとしてみるけれど、あまりに自分のいる側と状況が違いすぎて、想像することすら難しい。ということに気づいて愕然としている。 わたしのたった、たった43年の人生経験では、この困難に立ち向かうことなど到底できると思えない。けれど、いままさに、この同い年の男性は、それに向き合っているのだと思うと、言葉がない。 わたしは九州出身で広島と長崎

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