データドリブンは当たり前として、、、 情報を読み解く、情報を構築する

先日自分のFacebookでデータドリブンについて記しました。
きっかけはSNSなどであまりにも多くの「データドリブン」という広告を目にするためです。
そうしたサイトでデータドリブンをどのように説明しているのか気になったので、比較的大きな企業の説明を見てみました。


「データドリブンとは、簡単にいえば収集したデータを分析し、意思決定や企画の立案に役立てていく方法論のこと。経営やマーケティングを進めていくうえで、データの分析と活用は重要です。」

あまりにも当たり前と言うか、行っていて当然の内容なので、拍子抜けしてしまいました。

しかしこれだけ多く目にするということは、言い換えればそれだけ重視しているということになります。
そこで今回はこの話題に触れることにしました。

・データとは何か
大辞泉によると、データとは以下のようにあります。

[1] 物事の推論の基礎となる事実。また、参考となる資料・情報。
[2] コンピューターで、プログラムを使った処理の対象となる記号化・数字化された資料。

この説明によれば、データとは論理的に推論を立てるための背景となる事実ということになるでしょうか。
ここから考えると、データドリブンの前に、データとして適切であること、そして目の前の問題を検証するために適切なデータであることを判断する必要があることになります。

・情報を読み解く、情報を構築する
これは以前にもnoteで記した情報の考え方です。

Information
 ↓ 抽出
Data
 ↓ 分析・加工
Intelligence

Informationとは誰でも得られる、事象を現した公開情報です。会社内であれば、売上高や販売数、利益率などです。
DataはInformationから必要に合わせて抽出した「事実」です。
IntelligenceはDataから論理的に導き出した推論の答えです。

ここで勘違いしてはいけないことがあります。
例えば「○○が売れているというデータがあります」という報告には意味がありません。あくまでも事実であって見れば判るからです。そもそもInformationのままで、Dataですらない場合もあります。
「○○が売れている」というDataに、他のDataとの比較検討や論理的な検証がなされた仮説がIntelligenceになります。

つまりデータドリブンとはIntelligenceによる判断と言って差し支えないのではないでしょうか。

ここで挙げたInformation、Data、Intelligenceの話は決して新しい考え方ではありません。
僕がこの話を聞いたのは大学2年生の時ですから1993年、まだパソコンが一般的になる前です。そもそも統計という観点から見ればかなり古典的な考え方です。

それではどのようにして情報を活用すれば良いのでしょうか。

以前、勤務先の大学で経済情報処理という科目を担当していましたので、これを例に考えたいと思います。
この科目ができたのは2004年でした。当時の学生さんは、殆どパソコンを使えました。またパソコンの資格を取得する学生さんが多いのですが、それだけでは就職には繋がりません。そのためExcelを活用できるようにするための授業でした。

講義では総務省統計局などのホームページからデータを読み解き、特徴的な部分を収集。関連する他のデータと比較し、グラフ化して、何が言えるのかをレポートにするという内容でした。

最初は僕が作成した資料からした特徴的な部分を見つけることから始めます。資料の元となるデータを見せて説明し、データを見ることに慣れた後、徐々に与えたテーマに即したデータを見つける作業を重ねていきます。ここまでで約8回ほどの講義を行います。
ここまでくると学生さんも数字を見ることに慣れてきます。マスコミの「数字のマジック」も見えるようになってきます。
残りの講義では、与えたテーマから各自が収集したデータを比較、グラフと説明の文章を作成します。

余談ですが、、、受講条件として、Excelの講義の単位を取得している学生さんということもあり、比較的真面目な学生さんが多かったこともありますが、他の先生から、この講義を受けた学生さんは卒論指導が楽だという話を聞きました。

データを見る、すなわち情報を読み解く能力は一朝一夕て身に付くものではありません。
データドリブンと言っても、ただソフトウェアを導入しただけでは意味がありません。結局はそのデータや分析結果を読み解き、そこから仮説を立てられる力がなければ、数字はただの数字です。

Intelligenceを構築する、つまり新な情報を構築する能力を身に付けて、初めてデータドリブンが可能になります。

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