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TECH.C.札幌 ライトノベル&シナリオライターコースのマガジンです。学生作品やコンテスト情報、地元札幌のイベント情報などを発信していきます!【毎週月曜日更新】
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#小説

ハロウィンのやつ

「……ママ、ただいま。一年ぶりだね」 「裏口が開きっぱなしだったよ。表は鍵がかかってるの…

文化振興社
10か月前
4

十九の終わりに

 真っ白い棺に似た箱は小学生には大きすぎた。  十九の誕生日に届を出して三日。棺の中で安…

文化振興社
10か月前
7

マジックなんかじゃないんだ

 「あの、」  春だった。  三月二日、卒業式まで後一週間。僕はそれなりの公立大学へ無…

雨宮悠
1年前
8

短編小説「閻王黒崎の苦難」

現世への出張準備を済ませてから三時間が経過した昼下がり、場所は人の気配がほとんどない荒れ…

藤星
1年前
5

短編「隔世の境」

 冬には流氷が接岸する、海に面した地方都市──網走。自然ののどかさとは程遠く、仕事という…

藤星
1年前
1

三題噺「おひとり様」「たぬき」「雪」

 雪の降る中、人の流れに溶け込むように繁華街を散策している貴方。路地に入った時、貴方の目…

藤星
1年前
1

孤独な狸

三題噺、二人称。狸・お一人様・雪  とある休日の朝。貴方は目が覚めると体に違和感を覚えました。  どう見ても体毛で覆われた両手らしき両足。それに加えて、今までに経験したことない感触に混乱しつつ貴方はそれを動かしました。  もふ、と。その瞬間に体に触れる柔らかな感触。貴方は混乱しつつ違和感の方へ首を動かすと、そこにあるのは尻尾。ふわふわと柔らかな毛に包まれた尻尾がありました。  一瞬思考が停止したことで平常心を取り戻した貴方は、四足歩行で部屋にある姿見へと向かいました。それは

タヌキ、おひとり様、雪 三題噺

突然だが僕はお店の前に設置されている信楽焼のタヌキが好きだ。いつも1人で色んなお店を回っ…

時雨
1年前
3

私とあなたと冬空と

寒く雪も降り始めるだろうと思ったある日、人間が倒れていた。他の人間はその人間を無視して歩…

珀煉
1年前
2

妹とのハロウィン

場所:カフェのある席。 とある組織の若頭にのし上がった兄と、妹の会話。 兄 「疲れたぁ…」 …

時雨
1年前
3

140字SS「登る」

 私には、憧れている人物がいた。小さい頃からよく練習に付き合ってくれた兄に、今も感謝して…

藤星
2年前
1

 「鈴木社長さんへの質問です。私はあなたに捨てられました。今も、あなたにあげた沢山の初め…

三題噺「夏至」「スニーカー」「高校生」

 夏至を迎えて数日、私は高校二年に買ったスニーカーを履いて玄関を出る。明日以降、本格的な…

藤星
2年前
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三題噺 「夏至」「スニーカー」「高校生」

たとえ、今、僕が死んだとしても、この呪いから解放されることはないのだろうか。魂もあの世とこの世を彷徨い続けてしまいそうだ。    高校生の健介は家の日の当たる縁側で、体を伸ばして横になっていた。その心地よさだけが、母方の祖父母の家での楽しみだった。    「ゲームしたい」  太陽の眩しさに目を細めながら、家の快適さに想いを馳せていた。祖父母の家にはエアコンもなければ、パソコンもない、ネット環境もないという健介にとっては最悪であろう環境に置かれていた。  古い携帯ゲーム機でも