見出し画像

【英語】PDCAとOODA

今日ご紹介するのは、英語の略語、"PDCA" "OODA" について。

これらは、いずれも、ビジネスの進捗に応じた意思決定の方法論を論じる際によく使われる。

以下、それぞれの考え方と、この2つの違いについて見ていこう。

PDCA

"PDCA"の読みは、「ピー・ディー・シー・エイ」。アルファベット4文字をそのまま読めばよい。これは、以下の4つの英単語の頭文字を組み合わせたものだ。

P=Plan(計画)
D=Do(実行)
C=Check(評価)
A=Act(改善)

この"PDCA"は、"PDCA Cycle"(「ピー・ディー・シー・エイ・サイクル」)というフレーズで使われることが多い。

Wikipediaによると、PDCAサイクルとは、品質管理など業務管理における継続的な改善方法であり、Plan → Do → Check → Act の4段階を繰り返して業務を継続的に改善する方法である。

アメリカの統計学者であるエドワーズ・デミングが、日本科学技術連盟で統計的品質管理について講演した際、この講演を聞いた日科技連の幹部がPDCAを提唱したということだ。

OODA

"OODA"の読みは、「ウーダ」。以下の4つの英単語の頭文字を組み合わせたものだ。

O = Observe(観察)
O = Orient(情勢への適応)
D = Decide(意思決定)
A = Action(行動)

この"OODA"は、OODA Loop(「ウーダ・ループ」)というフレーズで使われることが多い。

Wikipediaによると、これは、アメリカ空軍のジョン・ボイド大佐により提唱された意思決定に関する理論であるという。

航空戦に臨むパイロットの意思決定を対象としていたが、作戦術・戦略レベルにも敷衍され、更にビジネスや政治など様々な分野で導入されており、あらゆる分野に適用できる一般理論と評されるに至ったということだ。

このOODAの特徴は、この4つのステップをループのように繰り返すことだ。

PDCAとOODAの違い

PDCAとOODAは、状況に応じて適切に意思決定して行動するという概念である点で、共通している。

それでは、この2つの違いは何だろうか。

この点、ファクトリー・オートメーション用センサーや測定器などを製造する企業である「キーエンス」さんのホームページに、大変よくまとまっていた。ここで要約しつつ引用させていただきたい。

「サイクル」と「ループ」の違い:
PDCAサイクルは、Plan → Do → Check → Actの順にサイクルを一方向に回すところ、OODAループは、文字通りループであるため、必要に応じて途中で前の段階に戻ってループから再開したり、状況に応じて任意の段階からループをリスタートしたりできる。

観点や目的の違い:
PDCAサイクルでは、自社または社内の部門におけるビジネスモデルに最適な管理サイクルを目指す。一方、OODAループでは社内環境だけでなく、業界や市場など外界の要素が始点となる場合がある。

自由度や難易度の違い:
内省的な要素だけで完結するPDCAサイクルに対して、OODAループは、観察をスタート地点としたとき適切な観点を持つことや、集めたデータの情報分析などが最適な意思決定を導くために重要となる。自由度や柔軟性が高いですが、環境が複雑であればあるほど、着眼すべきポイントの見極めや情報処理の難易度が高くなる。

PDCAの出発点が、Plan、すなわち、目標の設定であるのに対し、OODAの出発点はObserve、すなわち、観察や現状の把握である。それゆえ、OODAのほうが、わざわざ目標を設定するプロセスと、設定した目標に対して進捗を評価するプロセスを求めない分だけ、機動性や柔軟性に優れているのだろう。

これからはPDCAではなくOODAだ、と言う識者も多い。周囲の状況の変化を迅速に察知して適応し、継続的に速やかにループを回していくという点で、変化の速い現代にはより適合的な考え方なのかもしれない。

しかし、ビジネスの現場では、まだPDCAも多用されている。両方覚えて、どちらにも対応できるようにすると良いだろう。

ご参考になれば幸いです!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

国際会議の英語と採用面接の英語についてのKindle本も、よろしければご覧ください。Kindle Unlimited 対象です。

この記事が参加している募集

英語がすき

サポートをいただきましたら、他のnoterさんへのサポートの原資にしたいと思います。