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【読書録】『世界を変えた10冊の本』池上彰

ジャーナリストの池上彰氏が、歴史上、世界に大きな影響を与えた10冊の書物をセレクトし、それらについて解説する本、『世界を変えた10冊の本』(2011年、文藝春秋)。

収録されているのは、以下の10冊だ。

①『アンネの日記』(アンネ・フランク)
②『聖書』
③『コーラン』
④『プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神』(マックス・ウェーバー)
⑤『資本論』(カール・マルクス)
⑥『イスラーム原理主義の「道しるべ」』(サイイド・クトゥブ)
⑦『沈黙の春』(レイチェル・カーソン)
⑧『種の起源』(チャールズ・ダーウィン)
⑨『雇用、利子および貨幣の一般理論』(ジョン・M・ケインズ)
⑩『資本主義と自由』(ミルトン・フリードマン)

『聖書』『コーラン』などの宗教の聖典にはじまり、『種の起源』『資本論』など、世界の歴史にインパクトを与えた書物。しかし、これらの多くは、難解で、とっつきにくく、自力で読み切るのは大変だろう。

しかし、池上氏のこの解説本を読むと、これらの大作のエッセンスが、すんなりと頭に入ってくる。また、どうしてこれらの書物が歴史的に重要な意味を持つのかについて、イメージが持てるようになる。言わば、「点と点が線になる」という感じだろうか。視野が広がり、世界的な観点、歴史的な観点から物事を見るきっかけを与えてくれる。

池上氏は、よく、テレビ番組などで、難解なテーマを、視聴者にとてもわかりやすく解説している。さらに、この本は、女性誌「CREA」の連載がベースとなっているということだ。雑誌の読者が肩ひじ張らずに読めることを前提として書かれているというのもあってか、本当に、分かりやすい。

数多ある世界中の名著や大作のなかから、この10冊をセレクトできる、能力とセンス。そして、難解なことを、一般読者に分かりやすく説明する頭の良さ。ただただ、脱帽。池上氏の凄さが分かる一冊だ。

ご参考になれば幸いです!


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