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【グルメ】「深川宿」の「深川めし」(東京都江東区)

今日ご紹介するのは、東京は深川の郷土料理である「深川めし」の名店、「深川宿(ふかがわじゅく)」さん。

東京メトロの清澄白河駅から徒歩圏内。清澄庭園、深川江戸資料館など、江戸時代からの歴史を肌で感じられる観光名所の多いエリアだ。

「深川めし」とは、何か。時代小説によく出てくるので、あさりを使ったご飯だということは、ご存じの方も多いかもしれない。お店のホームページに詳しいので、そこから引用させていただこう。

農林水産省郷土料理100選のひとつ、「深川めし」は、ざっくりと切った葱と生のあさりを味噌で煮込んで熱いご飯にぶっかけた、漁師の知恵の一品。
ここ深川は、江戸時代は漁師の町として栄え、江戸前の魚貝類や海苔などを捕る漁師さんたちが大勢いました。
特に、良質のあさりやカキが沢山捕れ、それらは深川名物とされていたのです。
忙しい漁の合間に手早く作れ、しかもおいしく栄養価の高い「深川めし」は、漁師の日常食としてもてはやされました。

「深川めし」には、もう一つ、あさりの炊き込みご飯もありますが、それは大工などの職人さんが弁当に持っていけるものをという事で、生まれたと言われています。
埋め立てがが始まり、海が遠くなり、時代の流れの中で一度消えてしまった「深川めし」ですが、「深川宿」では、この味を地元の漁師に学び試行錯誤を繰り返し、現在に伝えるべく、日夜努力に励んでおります。

(出典:http://www.fukagawajuku.com/concept.html)

このとおり、「深川めし」は、江戸時代の漁師さんの日常食であり、あさりを味噌で煮込んでごはんにぶっかけた、いわば「あさり味噌ぶっかけご飯」と、大工さんなどの職人さんのお弁当として造られた「あさり炊き込みご飯」の2種類がある、ということだ。

そして、こちらのお店「深川宿」さんは、この、下町の庶民に愛されたメニューを再現して、令和になった今でも提供してくれているのだ。

こちらが、お店の外観。看板が歴史を感じさせる。

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わくわくしながら、のれんをくぐって、入ってみた。

店内は、ちょっと狭い。四角い囲炉裏(いろり)を囲む椅子席8席と、小上がりの座敷に4、5人用のテーブルが2つのみ。

この日は1人で訪問したのだが、法事帰りの家族と思われる5人組グループとともに、囲炉裏席に案内された。

囲炉裏席は、風情があってよい。ただ、スペースがかなり狭く、相席だと少々窮屈で、他のお客さんの会話が丸聞こえだ。でも、江戸時代の飲食店は、こんな賑やかな雰囲気だったのかな?などと想像するのも楽しい。

こちらでは、「味噌ぶっかけご飯」「炊き込みご飯」の2種類の「深川めし」を味わうことができる。それぞれ単品でも、そして、その両方が味わえるセットメニューもある。

両方の味を試してみたかった私は、迷わず、セットメニュー(「辰巳好み」2365円(税込))を注文した。

こちらが、その写真。お椀が2つ。左が炊き込みご飯で、右が味噌ぶっかけご飯。お吸い物、小鉢、漬物もついている。

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別アングルから、もう一枚。

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2つの色違いのお椀が、とてもかわいい。「宿」という文字が手前に見えている。お椀を回すと分かるのだが、周囲に「深川宿」と、味のある文字で書かれているのである。

さっそく、いただいてみよう。まずは、味噌汁ぶっかけ。あさりがゴロゴロとたっぷり入っており、味噌汁の中にご飯が浸かっている。あさりは、絶妙な噛み応え。濃くてしょっぱい味が、しっかりとついている。味噌も、個人的には少し辛めだが、あさりとよく合う。江戸時代に、重労働の漁師さんが好む味だったのだろうなと想像できる。

そして、炊き込み。こちらも、あさりがたっぷりと入っている。こちらは、炊き込みご飯のお手本、という感じの、上品な味わい。振りかけられたごまがパリパリしていて、アクセントになる。

食事が終わると、デザートとして、くずきりが出てきた。こちらも、情緒があって、素敵。上に載っているピンクの花は、自家製の羊羹だとのこと。

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お店の内装も、江戸時代から守り続けられた伝統を感じさせるものだった。伝統ある深川めしをいただきながら、江戸時代に思いを馳せる、非日常的なひとときを過ごさせていただいた。

ところで、このお店のクチコミには、「あさりの原価は安いのに、料理の値段が高い」など、批判的なものも散見された。

確かに、2000円超えのメニューは、ご当地グルメとしては、少々高いのかもしれない。しかし、江戸時代からの、伝統ある郷土料理を再現し、維持していただいているのだから、それだけの価値は十分あると思う。是非、この食文化を後世に残すために、営業を続けていただきたいと願う。

至福のひとときでした。ごちそうさまでした!

お店のホームページは、こちら。

食べログのページは、こちら。


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