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1年で100軒! 「アラフィフ女子のパン屋さん巡り」を振り返って

昨年春、コロナ禍で外出自粛が呼びかけられ、楽しみを奪われた私が、かろうじて見つけた日々の小さな楽しみが、パン屋さん巡りだった。

「密」を避けるため、基本は、単独で、走って(ランニングで)、又は、歩いて買いにいった。例外的に、用事で出かけるついでに、目的地や通過地点で買ったものもある。

気づいたら、昨年4月から約1年間にわたって、私の拠点のある東京と大阪で、100軒を超えるパン屋さんを巡っていた。そのパンたちを写真で記録した記事は、次の3つ(うち2記事は、現在も更新中)。

コロナ禍のなかでパン屋さんを100軒以上巡ってみて、気づいたことや印象に残ったことをまとめてみたい。

パン屋さんのコロナ対策

おそらくすべてのパン屋さんで、しっかりとしたコロナ対策がなされていた。それぞれの業務形態に応じて対策は異なるが、以下のような対策が取られていた。

●アルコール消毒液の設置。

●お店の方のマスク着用、お客へのマスク着用義務付け。

●入店人数制限(1度に2人まで、3人までなど。特に、スペースの小さいお店にて。)。

●トレイを、下向きに重ねて置いている(パンを置く面を下に)。

●パンの1つ1つを、あらかじめ、透明の袋に包んで並べている。

●パンをお客さんがトングで取るのではなく、ショーケースの中のパンを指さして手渡してもらう方式にしている(コロナ前からそうであるところもあるだろう。)

●現金以外の決済方法の導入。特に、PayPayの導入率高い。クレカも客がカードを差し込む方式、現金の場合も、現金投入機の導入などにより、お店の人とカードやお金のやり取りによる接触がないようにする工夫。

●営業時間の短縮。

●予約制の導入。

●一時休業、営業時間の変更、予約制の導入などについて、SNSを使って告知するお店が多かった。

●イートインコーナーの閉鎖、または、イートインコーナーの座席の間引き。

パン屋さんの営業状況

コロナが始まってから閉店したお店が、いくつかあった。コロナとの因果関係は不明だが、コロナのせいで営業継続が難しくなったのではないかと想像できる。

また、都心にある、いくつかの行列のできると評判の有名なお店では、一昨年までの口コミで書いてあるほどの行列はできておらず、意外にすんなりとパンが買えるという恩恵にあずかることができた。

逆に、地元密着型のパン屋さんでは、とても繁盛しているように見受けられるお店が多かった。人数制限をしているお店の前に、行列ができていて、多くの人が(間隔を空けつつ)並んでいるケースもあった。ベビーカーを押したママさんなどで賑わっていた。

そのせいか、閉店の時間までにパンが売り切れていて、営業しているはずの時間に訪れても、お店自体が閉まっていた、ということも、結構あった。

これは、コロナ禍での外出自粛・ステイホームの呼びかけの影響を受けているのだと思う。都心に人が出なくなった反面、住宅地では、巣ごもりをして自宅で美味しい食事を取りたいと思う人々が、地元のパン屋さんに美味しいパンを買いにいった、ということなのではないか。

総じて、閉業した居酒屋やレストランなどの飲食店に比べると、閉店したパン屋さんの数は、あまり多くなかったのではないか、という印象を持った。

パンの種類や特徴

食べるパンの種類や特徴については、以前はそれほど気にしたことはなかったが、たくさんのお店を巡っているうちに、定番のパンの種類や特徴、お店ごとのこだわりなどが分かるようになってきた。

系統として、フランス系、ドイツ系、アメリカ系、古き良き日本系、米粉パンなどの健康志向系。得意分野として、食パン系、ベーグル系、サンドイッチ系、コッペパン系、バゲット系。甘い系、総菜系。本当に色々なお店があった。創業後長い年月にわたって昔からの味を守っているお店や、ユニークなオリジナルのパンを開発しているお店もあった。

それぞれのお店が、得意分野を伸ばして、切磋琢磨されているのだなあと思った。

パン屋さんの創意工夫

多くのお店で、売れ筋商品や力を入れている商品については、POPで、「定番商品」「オススメ」「人気No.1」などと記載して、その旨を表示していた。そういう商品は、ほぼ、ハズレがない。クロワッサン、塩ぱん、クリームパンなどのベーシックな定番商品を、イチオシ商品として挙げているお店が多かった印象だ。食べログでレビューアーからお薦めされている商品ともほぼ一致していた。「鶏と卵」なのかもしれないが。

また、1年間を通してパン屋さんめぐりをしたが、その季節ごとの限定品を出しているお店も多かった。トッピングの食材や、パンに練りこむ材料や、あんぱんの餡の中身などを、季節によって変えている。桜、うぐいす豆、栗、かぼちゃ、など。このような細やかな工夫ができるのは、日本のパン屋さんならではの強みだと思う。そして、そのような繊細な四季の味を楽しめる、日本に住む私たちは、とても幸せだなあと思った。

ところで、時々、閉店時間近くに訪問すると、タイムセールに当たることがある。20%オフなど、一定割合での割引をしてくれるお店もあれば、複数のパンをまとめて袋に入れて、抱き合わせで安く売ってくれるというお店もある。お客さんのニーズと合致すればとてもお得だ。

総じて、パン屋さんの創意工夫に感銘を受けた1年だった。

おわりに

コロナ対策が大変なのに、パン屋さんがお店を開けてくださっていて、本当に嬉しかった。パン屋さんは、外出自粛・外食控えで、やむをえず毎日自宅でご飯を食べる人たちの、美味しいものを食べたいという欲求を叶えてくれる救世主になっている。もはや、インフラと言ってもよいレベルだと思う。

また、私のような、ランニング族にも大変貴重なオアシスとなっている。ランニングウェアでパンを買いに来るお客さんにも、時々遭遇した。運動の途中で、パンを買って、公園などで一休みしながら食べるのは、至福のひとときだ。

そして、殆どの店舗で、とても丁寧な接客をしてくださった。下手をすると、1日誰とも話す機会がない、味気ない巣ごもりの生活を強いられた時期に、パン屋さんの店員さんの、元気のよく明るい挨拶と、パンを手渡してくれるときの笑顔に救われたことも何度もある。

パン屋さんの皆様、本当にありがとうございます。これからも是非、コロナに負けず、美味しいパンを作り続けてください!!

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