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【英語】Culture eats strategy for breakfast.

今日ご紹介するのは、”Culture eats strategy for breakfast”という英語フレーズ。

これは、最近、私が会社で研修を受けたときに、イギリス人の経営コンサルタントの方から聞いたフレーズだ。

これを言ったのは、現代経営学の父、ピーター・F・ドラッカー氏(Peter F. Drucker)

日本語では、こちらの記事に「企業文化は戦略に勝る」と訳されていた。

そして、このフレーズの意味するところについては、こちらの英語の記事に、わかりやすく書いてあった。

該当部分を取り上げて、訳してみよう。

There is a famous Peter Drucker quote that says that "culture eats strategy for breakfast". This implies that the culture of your company always determines success regardless of how effective your strategy may be.
When he said that culture eats strategy for breakfast, Drucker pointed out the importance of the human factor in any company. No matter how detailed and solid your strategy is, if the people executing it don't nurture the appropriate culture, your projects will fail.

(サザヱ訳)ピーター・ドラッカーが使った”culture eats strategy for breakfast”という有名なフレーズがある。戦略がどれほど効果的なものであろうとも、企業文化がいつも成功を決定づけるというのだ。
ドラッカーは、”culture eats strategy for breakfast”という表現を用いて、会社における人的要素の重要性を指摘した。戦略がどれほど緻密で確実なものであったとしても、それを遂行する人々が適切な文化を育てなければ、プロジェクトは失敗する。

まさに、「企業文化は戦略に勝る」という内容だ。これについては、全く同感だ。これを読んで、思い出す身近な実例がたくさんある。

例えば、優秀な人材を集めて、緻密な戦略を立てたとしても、チームメンバーが協力し合う文化が醸成されておらず、ほころびが生じて、物事がうまくいかなかった例などは、枚挙にいとまがない。

このフレーズは、肝に銘じておき、後輩たちにも伝えていきたいと思う。

★ ★ ★

さて、話が長くなってしまったが、この英語フレーズを見てみよう。

”Culture eats strategy for breakfast”というフレーズを直訳すると、

「企業文化は戦略を朝食に食べる」となる。

ここで使われているのは、“eat … for breakfast”という言い回し。

シンプルに、「朝ごはんに〇〇を食べる」という意味だ。それ自体は、中学生レベルの英語だ。

ところが、オンライン英辞書郎を調べてみたら、以下の解説があった。

eat ~ for breakfast
1. 朝食に~を取る
2. 《eat someone for breakfast》(人)を簡単に打ち負かす、(人)をこてんぱんにやっつける、(人)に食ってかかる、(人)に勝つのは朝飯前である

ドラッカー氏が使った"eat ... for breakfast"という言い回しは、この2番目の用法の、「かんたんに~を打ち負かす」「~に勝つのは朝飯前」という意味だ。

分解すると、”eat …”(何かを)「食べる」という動詞が、(何かに)「勝つ」「やっつける」というニュアンスを持ち、そして、”for breakfast”、つまり「朝食として」食べるということで、毎朝、手早く準備して食べるという朝食のイメージから、「簡単にできる」というニュアンスを醸し出しているのだと思う。

日本語にも、「朝飯前」という表現があり、「簡単にできる」という意味で使うことがあるが、これがまさにしっくりくる。

そうして、冒頭の”Culture eats strategy for breakfast”というフレーズは、

「企業文化は戦略を朝食として食べる 
   ↓
「企業文化は戦略を簡単に打ち負かす
   ↓
「企業文化は戦略に勝る」

と訳されたのである。

私自身は、このようなニュアンスで、”eat… for breakfast”という英語フレーズを使ったことは一度もなかったのだが、これから、使ってみようかなと思う。

気心知れた仲間とのお喋りで、「競争相手をやっつけよう!」などと、軽いトーンで使うと、盛り上がって、チームの一体感が高まるかもしれない。

たとえば、こんな風に。

“Our marketing plan looks perfect. With this, we can eat our competitors for breakfast!
(私たちのマーケティングプランは完璧だね。これで競争相手を簡単にやっつけられるね!)

ご参考になれば幸いです!

ドラッカー氏の名著『マネジメント』(エッセンシャル版)の読書録はこちら。

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

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