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【読書録】『勝間式ネオ・ライフハック100』勝間和代

経済評論家である勝間和代さんが、コロナ禍の真っ最中の2020年7月に出版された本、『勝間式ネオ・ライフハック100』。副題は『圧倒的に自由で快適な未来が手に入る!』

本書の前書き部分にて、勝間さんの、この本を書くにあたっての思いが述べられている。

新型コロナが私たちに突き付けた現実は何か。それは、あまりにも中央集権化しすぎた結果、過密かつビジーすぎる働き方や生活様式が、サステイナブル(持続可能)ではない、ということです。(p4)
ビフォーコロナの時代は、どのくらいお金を儲けることができるか、ということに価値が置かれましたが、これからのアフターコロナの時代は、自分と自分の生活を大事にしながら働けるスローライフなスタイルをどのくらい築けるか、ということが価値になると思います。(p5)

昨年からのコロナ禍をきっかけにして、多くの人々が、幸せな生き方とは何か、を突きつけられたのではないだろうか。がむしゃらに働き、金銭的な豊かさを追求する生き方が幸せなのか、が問われるようになり、フレキシブルで多様な働き方や、ライフスタイルが見直されるようになってきた。

この本では、もっと自由に、賢く、自分らしく、快適に、幸せに生きるための秘訣が、複数の視点から、100件も紹介されている。これからの人生をどのように生きるかを考える人には、沢山のヒントを与えてくれるだろう。

この本の特徴のひとつは、表現がやさしくて読みやすいことだ。たとえば、「時間割引率」などの難しめの概念も、分かりやすい言葉や例を選んで説明してくれている。

また、それぞれのアイデアを推す理由が、とても明確で、その説明が大変ロジカルなのである。読んでいてストンと頭に入る。勝間さんが実際に試した経験談も豊富に織り込まれていて、そのロジックを支えている。

また、100件のアイデアに分かれているので、どこからでもつまみ食い的に読めるのも良い。仕事や家事の隙間に息抜き的に読め、「忙しくて、自己啓発本とか読む暇ないし〜」と思っている人にも、取っつきやすい。

もちろん、これらの100のアイデアすべてを取り入れよう!と気負う必要は全くない。自分のニーズと照らし合わせて、1つでも2つでも、取り入れられるアイデアがあればしめたもの、という感覚で気楽に読めばよいと思う。

私は、この100のアイデアのうち、多くのものを、とても良いなと思った。この本を読んで、すぐに実行したものもある。この本を読む前から既に実行していて、それらを勝間さんが推していることが分かって、自信が持てたものもある。今まで考えてみなかったアイデアで、是非検討してみたいと思ったものも多くある。

他方で、なるほどと思いつつ、これは自分には向かないな、と判断したものもあった。100のアイデアを読みながら取捨選択する過程で、改めて、自分にとって何が大事かを気づくきっかけにもなった。

ちなみに、100のアイデアについて、私自身がどう感じたか、以下、いくつかの例をご紹介してみる(ネタバレご注意ください)。

<この本を読んで新たに実行したこと>

#12:Google Keepのノート機能を使ってみた。勝間さん同様、Evernoteから切り替えた。勝間さんが書いていたとおり、Evernoteよりも立ち上がりが早く、個人的にはとても使いやすいと感じた。良いツールに出会えてよかった。

<既に実行していて、それを良いと言ってくれて自信がついたこと>

#40:ドルコスト平均法でノーロードのインデックス投信を積み立てること。これは長年やってきた(個別銘柄の株や為替の取引がとても苦手なので…。)。

#42:自宅を持ち家ではなく賃貸にしていること。1つの場所に縛られて、生き方の選択肢が狭まるのが嫌だし、不動産を持ったときの負担が面倒だしリスクが怖い。いい年齢をして持ち家を持っていないのはおかしい、と言われることも多いが、外野の声は、気にしない。

#87:シュガーフリーにする。我が家には、砂糖は置いていない。

#89:白米フリーにする。我が家はファンケルの発芽玄米。※参考記事(↓)もどうぞ。

<やったほうがよいと分かってはいたが、できていなくて、指摘されて、改めてやるべきだと思ったこと>

#86:太る食べ物を身近に置かない。はい、そうですよね。分かっているけど、なかなかできない。

#94:定期的に歯の検診に行く。これも、分かってる。分かってはいるけど、歯医者さんは怖い…。

<自分に合うか分からないが、検討してみようと思ったこと>

#39:スマホをAndroidに変える。長年にわたるiPhoneユーザーだが、Androidがそんなに高機能なのなら、検討してみようかな…。

#50:格安SIMへの乗り換え。20年以上、同じ大手キャリアのユーザーだが、格安スマホも気になっていた。乗り換えの手間がかかり面倒くさそうで、検討すらしていなかったが、頑張って乗り換えてみるか?

#51:エアークローゼットなどの定額制サブスクサービスを使うこと。洋服のチョイスにはいつも悩むので、サイズや好みに合う服が定期的に借りられるのであれば、確かに便利だろうな。でも、契約するのがちょっと面倒。それに、在宅勤務がさらに続けば、定期的に借りなければいけないほど、服はそんなに要らなくなるかも…?

<私には合わないので、スルーしたこと>

#81:フライパンと鍋を捨てて、ヘルシオとホットクックを使うこと。勝間さんが、ヘルシオとホットクックを愛してやまないことは、色々なメディアで見聞きしてきた。確かに便利なんだろうけど、私は、あまり家電を増やしたくないし、フライパンと鍋で料理するのは別に苦にならないから、スルー。

#97:カフェイン断ちをする。うーん、コーヒー、紅茶、緑茶などを経つのは、今の私には、無理です、はい。

#98:禁酒。同上。

などなど。

以上の例は、主に、具体的なハウツーものだが、ほかにも、仕組みを整えることや、優先順位付けをすること、やらないことを決めることなど、快適な生活を送るための基本的な考え方も満載だ。

みなさんも、この本で「100本ノック」をしてみてはいかがだろうか。幸せな人生を送るためのヒントが得られるだけでなく、100のアイデアと自分の現状を照らし合わせることで、自分が何を変えたいか、何を大切に思っているかに、改めて気づくことができるかも。

ご参考になれば幸いです!

勝間さんの別のご著書についての記事(↓)もどうぞ! 


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