見出し画像

【英語】VUCA

ここのところ、「VUCA(ブーカ)の時代」という言葉をよく耳にするようになった。

「VUCA」とは、Volatility(変動性), Uncertainty(不確実性), Complexity(複雑性), Ambiguity(曖昧性)という4つの英単語の頭文字からなる言葉である。

(※このように、英単語の頭文字を並べたものを1つの単語として発音するものを、"acronym"(アクロニム、頭字語)という。)

私が初めて「VUCA」という言葉を聞いたのは、2014年に会社で受けた人事研修においてだった。一言でいうと、急速に変わりゆく世の中において求められるリーダー像とは?というテーマであった。

その当時は、ブーカ? 何それ?という感じだったが、最近になって、この言葉を、頻繁に耳にするようになった。

そこで、VUCAという言葉の意味と成り立ちについて、まとめておくことにした。

VUCAとは

改めて、VUCAとは、Volatility(変動性), Uncertainty(不確実性), Complexity(複雑性), Ambiguity(曖昧性)という4つの英単語の頭文字からなる言葉である。

これら4つの英単語の意味は、以下のとおり。すべて名詞であるが、それぞれの名詞に対応する形容詞については、比較的なじみがあるという人も多いのではないだろうか。

Volatility(ボラティリティ):変動性(形容詞 volatile=変動しやすい)
Uncertainty(アンサートンティ):不確実性(形容詞 uncertain=不確かな)
Complexity(コンプレクシティ):複雑性(形容詞 complex=複雑な)
Ambiguity(アンビギュイティ):曖昧性(形容詞 ambiguous=曖昧な)

この言葉の成り立ちのとおり、VUCAの意味は、「変動性が高く、不確実で、複雑で曖昧」という意味だ。

もともとは、アメリカでの軍事用語だったということだ。それが、現在では「VUCA時代のビジネス戦略」「VUCAに対応できるリーダー」というように、ビジネスの文脈で多用されるようになった。

以下、備忘のため、VUCAについて説明している記事などをまとめてみる。

VUCAについて書かれた記事など

1.「IT media」の記事(2017年7月27日)

こちらの記事は、日本語で、VUCAの時代についてわかりやすく説明してくれている。さらに、求められるリーダー像についてヒントを与えてくれている。個人的には、とても参考になった。

以下がこの記事中の、VUCAについての説明部分である。

VUCAは、1990年代に軍事用語として誕生した言葉である。変動制(Volatility)、不確実性(Uncertainty)、複雑性(Complexity)、曖昧性(Ambiguity)の頭文字に由来する。VUCA前の戦争は、国と国の戦いだった。そこで、統合参謀本部が作戦を作り、現場の部隊が作戦を忠実に実行するだけだった。ビジネスも同様で、トップマネジメントが戦略を立て、現場が実行するモデルだったため、組織の形態はピラミッド型だった。

しかし、2001年に始まったアルカイダとの戦争により状況は一変する。最大の変化は、アルカイダが国ではないことだ。組織のようではあるが、誰がトップかよく分からない。また、トップが作戦を立て、それを現場が実行しているわけでもない。思想に同調した人たちが、同時多発的にテロを行う。これまでの国を中心とした戦争とは、スタイルがまったく異なる。そこでVUCAという言葉が生まれ、その時々に応じた戦い方が必要になった。

2. 英語版ウィキペディア

英語版ウィキペディアにも、VUCAについてかなり詳しい解説がなされている。

以下がVUCAの説明だ。

VUCA is an acronym – first used in 1987, drawing on the leadership theories of Warren Bennis and Burt Nanus – to describe or to reflect on the volatility, uncertainty, complexity and ambiguity of general conditions and situations. The U.S. Army War College introduced the concept of VUCA to describe the more volatile, uncertain, complex and ambiguous multilateral world perceived as resulting from the end of the Cold War. More frequent use and discussion of the term "VUCA" began from 2002 and derives from this acronym from military education. It has subsequently taken root in emerging ideas in strategic leadership that apply in a wide range of organizations, from for-profit corporations[5][need quotation to verify] to education.(※注釈は省略)

1987年に初めてWarren Bennis氏とBurt Nanus氏のリーダーシップ論の中で、このV, U, C, Aの4つの要素について言及された。そしてその後、U.S. Army War Collegeで、冷戦後の状況を示すために、VUCAのコンセプトが導入された。そしてさらに2002年ころから、VUCAという用語が普及しはじめたということだ。

3. Harvard Business Review(2014年1-2月号)Nathan Bennett and G. James Lemoineの論文

2014年には、Harvard Business Reviewにおいて、Nathan Bennett氏とG. James Lemoine氏が、VUCAについての論考("What VUCA Really Means for You" - 直訳すると「あなたにとってVUCAが意味するもの」)を発表している。こちらの論考では、VUCAが個人にもたらす影響について書かれている。

上記リンクのホームページには、以下のチャートが掲載されている。V, U, C, Aの4つの要素について、それぞれの特徴(Charateristics)、例(Example)のほか、有効な対策(Approach)がまとめられている。

画像1

彼らの解く、4要素のそれぞれについて有効な対策は、次のようなものである。

Volatility(変動性):余力を持たせる。在庫確保や優秀な人材の獲得などによる将来への備え。
Uncertainty(不確実性):情報への投資、情報収集とその解明、共有。
Complexity(複雑性):構造改革、専門家の育成や投入、適切な資源の増強。
Ambiguity(曖昧性):実験、仮説と検証。

これらの対策については、大いに参考になる。ビジネスで意思決定を行う場面、自分の思考や行動パターンをふりかえる場面、部下をコーチングする場目など、いろいろな場面において、とても有効だと思う。

現代は、変化がめまぐるしく、何事も予測できない時代に突入した。何事においても、前例踏襲型や、指示待ち型のマインドや行動パターンでは、この世の中をうまく生き抜くことがずいぶん難しくなってきた。

VUCAを意識して、しなやかに世の中の変化を感じて自分も変化し、したたかに生き延びていきたい。

ご参考になれば幸いです!

私の英語系の記事へは、以下のリンク集からどうぞ。

Kindleで出版中の私の電子書籍2冊(国際会議の英語と採用面接の英語についてのノウハウ本)も、よろしければ是非ご覧になってください。Kindle Unlimited対象です。

サポートをいただきましたら、他のnoterさんへのサポートの原資にしたいと思います。