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【英語】brainstorm / brainstorming

今日ご紹介する英語フレーズは、"brainstorm" と "brainstorming" (読みは、それぞれ、「ブレインストーム」「ブレインストーミング」)。

ビジネスにおいては、「ブレインストーミング」と、そのままカタカナで表記して日本語としても使われている。グループで自由にアイデアを出し合うための会議の手法を示す用語だ。略して「ブレスト」ということもある。

このフレーズは広く知られているが、このフレーズの由来についてふと気になって調べてみた。

まずは、オンライン辞書「英辞郎」での "brainstorming" の解説を見てみよう。

ブレイン[ブレーン]ストーミング◆自由な発想から集団でアイデアを出し合う技法。オズボーンが提唱したもので、問題解決や新製品企画などの会議で広く使われている。◆【参考】Alex Osborn

続いて、ここで名前の出てきた「Alex Osborn」氏の「英辞郎」での解説を見てみよう。

アレックス・オズボーン◆アメリカの広告会社の重役で、ブレインストーミングを提唱したことで知られ、「ブレインストーミングの父」と呼ばれる(1888年生・1966年没)。◆【参考】brainstorming

広告会社の重役のAlex Osborn氏なるビジネスマンが、このフレーズの産みの親であることが分かった。同氏は、どうしてこういう呼び方をしたのだろうか。

この言葉の成り立ちを見てみよう。「brain」と 「storm」「storming」に分けられる。ご存知のとおり、"storm" の意味は「嵐」という名詞が一般的だが、ここでは "~ing" 形となっているので、動詞として用いていることが分かる。 

さらに、このフレーズの由来について検索を進めると、「Skymark」という団体(ピッツバーグにあるソフトウェア会社らしい)の英文のウェブサイトがヒットした。ここにAlex Osborn氏が "brainstorm" という造語を生み出したという解説があった。少し引用してみよう。

In 1939, a team led by advertising executive Alex Osborn coined the term "brainstorm." According to Osborn, " Brainstorm means using the brain to storm a creative problem and to do so "in commando fashion, each stormer audaciously attacking the same objective."(太字は原文ママ)

https://www.skymark.com/resources/leaders/osborne.asp

これを訳すと、

1939 年、広告会社の重役であるアレックス オズボーンのチームが、「ブレインストーム」という造語を生み出した。 オズボーンによれば、「ブレインストームとは、を使ってクリエイティブな問題を特殊部隊のように攻撃することであり、各攻撃者("stormer")は、同じ目標を大胆に攻撃する。」(サザヱ訳)(太字は原文ママ)

ここでも、"storm" が動詞として用いられていることが分かる。この訳はなかなか難しいが、「攻撃」と訳してみた。以下の「ロングマン現代英英辞典」で 動詞の "storm" の意味を検索すると、以下のような意味がヒットしたからだ。

to suddenly attack and enter a place using a lot of force
(サザヱ訳:多くの力を用いてある場所に突然攻撃し突入すること)

ということで、"brainstorm" や "brainstorming" というフレーズは、軍隊が武力を用いて突撃する状況に例えて、脳を用いて、複数人が同じ目的に従って、難しい問題点を集中的に攻めて突破する、ことを表現したのだと理解した。

普段何気なく使っている言葉だが、こうして1939年に広告企業で生まれたことが分かった。このように、ビジネスのやり方の変化に伴って、新しい言葉が生まれ、広く長く定着していくというのは興味深い。

ご参考になれば幸いです!

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