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【毎日note122日目】桐野夏生『猿の見る夢』感想

こんばんは。さゆです。

本日は、あらゆる懸賞(←超絶お気に入りの趣味)の締切が近くて、レシートをハガキに切ったり貼ったり、はたまたLINEで応募したりと忙しいので、noteは、本日の私のアメブロと全く同じ内容であることをお詫び申し上げる所存でございます。

The・手抜き(;´Д`)

大変申し訳ございません💦💦

😂😂😂

今日は人の下世話な面や悪意を描かせればもう本当に最高すぎてどうしようもない、桐野夏生さんの小説『猿の見る夢』(講談社文庫)を読み終えたので、感想を書かせてください。

人は、「歳をとれば丸くなる」なんて言う人もいますが、この小説を読む限りでは「絶対嘘やろ…むしろ先が短くなる分、さらに強欲に、利己的な生き方になるのでは…!?」と、疑惑の目で見てしまう自分がいました。

強欲な59歳の男を描いた過激な中年小説です。

本作の主人公は、薄井正明・59歳。

大手銀行勤めでしたが、46歳の時に衣料品製造・販売会社の「OLIVE」に出向します。

「OLIVE」は出向先として、当初は二流三流扱いだったものの、ファストファッションの会社として急成長。年商は二千億円にもなり、転籍して13年、彼は財務担当取締役におさまり、できれば常務に昇格してあと6年、65歳まで働きたいと考えていました。

しかし、そんな薄井の楽しみは、10年来の愛人・美優樹との逢瀬しかありません。美優樹は、素敵な部屋に住む豪華な女。

彼はバリバリ働く46歳の愛人に、月3万円のみ渡して(安すぎないか!?)、手作りの食事を用意させ、くつろぐ場所を提供させ、その上、妻を捨てる気もなかったので、部屋には泊まらなかったため、最近は、愛想を尽かされ始めていました。

そんな中、会社では、高齢の会長が、親族でもある社長のセクハラ問題がネットで噂されていることを薄井に耳打ちしてきて、会社最大の危機を伝えてきます――。

また、働かない息子と妻が暮らす自宅マンションには、何か深刻な悩みを抱えているらしい妻が、怪しい占い師を居候させることを勝手に決め、自分を差し置いて占い師が自宅でくつろぐ始末…。

また、不機嫌な愛人・美優樹の機嫌をとるため、初めて部屋に泊まった日には、長いこと会ってないどころか、相談されても、薄井ファミリーが介護に一切関わってこなかった実母が亡くなったと、妹が電話で知らせてきます。

身近な人ともきちんと向き合わなかった挙句、色々な面倒事からも曖昧な態度で逃げ続け、とうとうピンチに陥った薄井。

しかし彼は、反省するどころか、

しかし、このくらいのことは、誰でもやっているのではあるまいか。どうして俺だけが、こんな目に遭うのだ。

……と、自分の不幸を嘆き、さらに、愛人に相手にしてもらえないのであれば、独身で妙齢の会長秘書を口説き、今の愛人と取り替えれば良いのでは!? と、新たな欲望をあらわにしはじめるのですが――!?

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うわ~~~~。薄井は終わっているなあ~~~~(;´Д`)💦

相手の気持ちを一ミリも考えないもんなあ~~~(||´Д`)o

恐らく、バブル世代なのでしょうか!? バブル世代の60前のおじさんって、本当にこんなものなのか!? と、読んでいて始めはめちゃくちゃ腹が立ち、次第に宇宙人でも見る目で読み進めてしまいました。(笑)。

正直、こういう方達に「自己責任論」を偉そうに述べられたらものすごく腹が立ちますよね。

妻と向き合わず、就職に失敗した子供の将来も「面倒だから」と話し合いを避け、妹夫婦に母親の介護を押し付け、自分は愛人宅でくつろぐ日々。

仕事もこの人、会食くらいしかしてないのでは!?笑

本作では、そんな薄井に次々とピンチが襲いかかるわけですが、ページをめくるたびに、人って、少々痛い目を受けたくらいでは、反省しないし、変わらないのだな…と我が身を振り返って痛感しました。

しかし、薄井を一番困らせたであろう「謎の占い師の女」との会話の応酬シーンはめちゃくちゃ笑ってしまいました。

薄井が唯一、一ミリも思い通りにできなかった女性ではないでしょうか。

桐野さんは、人間の醜悪な部分を描かれるのが本当に見事で、物語も薄井の心情を追うのが苦痛で仕方がないのに、ページをめくる手が止まらず、600ページを一気に読み進めてしまいました。

また、薄井以外の人物の腹黒い部分もだんだん浮かび上がってくるのですが、それを見ていると、著者の方に読者自身のブラックな部分も全て見透かされている気分になり、最後は薄井を完全にバカにできなくなってしまい、少々恐ろしい気持ちになりました。

何気なく買った小説だったのですが、やはり桐野さんは最高ですね。

薄井も最悪でしたが、これより上を行くダメ男が登場する『とめどなく囁く』という小説もめちゃくちゃ最高すぎるので、良かったら読んでみてくださいね。

本書は、日頃小説を読まない夫もいつの間にか読んで夢中になっていたのが意外でした。

またnoteでも、(私のアメブロのコピペという)本の感想をアップさせて頂ければ嬉しいです。

コピペはたまににしますので、どうか御容赦下さいませ...!ごめんなさい🙇💦

では皆さま、本日もお疲れ様でした。

さゆ

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