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人生の福袋には、何が入っているかな?

「オギャー」と人が誕生した時から
私たちは、人生の福袋を手にするのかも知れない。

福袋には、たくさんの物が入っている。その中には、とても欲しかった物、全然欲しくなかった物が、これでもかと入っている。

人生も同じなのかも知れない。

福袋は、年始のものだけど、季節外れの6月にふと思った。

「人生もいいこともあれば、悪いこともある」
そして、人生には、想像も出来ないことも起きる

私にとっての子育てが、それである。
私の人生の福袋の中に『子育て』が、入っていた。

私は、ガミガミ言って、長男を自分の思い通りに育てきた。
統制的な子育てをして、子どもの評価が、母である、私の評価だと思っていたのだ。

悪いところを見て、そこを直すことが、長男の為になると、本当に思っていたのだ。

自分のプライドを優先させ、世間体、周りの人の目を気にして、子どもを見張り、完璧に何でもやれせようとしていた。

そんな子育てが、続くわけはない。

福袋には、『長男の反抗期』が入っていた。
長男が、思春期に入り、今までの統制的で、ガミガミ言って、やらせるやり方が
全然出来なくなった。
長男との関わり方が全く分からなくなったのだ。
もうコントロールは、効かない。

「〇〇しなさい」
「〇〇は、やめなさい」

今までみたいにガミガミ言っても、聞き耳持たなくなって、長男とのコミュケーションは、全く取れなくなっていった。

それでも私は、コントロールする子育てを続けていた。
それは、それしかやり方が分からないから。

私の子育てのどこが間違っていたのか?
何をすれば、また私の理想とするいい子になるのか?
どうすれば穏やかさが、戻ってくるのか?

どんどん長男との関係は、悪くなる。
問題行動が多くなる長男。

ある日、事件が起きた。
長男は、今までの溜まりに溜まった感情をどこに発散していいのか、分からず
行き場のない感情を苛立ちを爆発させた。
「ふざけるな!」
「もう嫌だ!」と大声を出しながら、長男が暴れ出した。
私は、泣き叫ぶ長男を抑えつけた。
長男は、私の手を振りほどき、自分の拳を壁に思い切りぶつけたのである。
私は、別人の長男を目の前に何も出来ないでいた。
大きな穴が、壁にあき、クローゼットの扉が壊れ、泣きながら、怒りと不安と悲しみの感情をどこにやっていいのか、分からずにいる長男に、私は、一瞬、恐怖を感じた。
どうしよう? このままいくと……
私、殺されるかも?
止めるすべも分からない。泣きわめき、この状況が、終わって欲しいと思うばかりである。
気づいたら、私は、長男をギューと抱きしめていた。
大きな大きな長男を泣きながら抱きしめる。
長男も泣きながら、こう言う。
「親を殴りたくないんだよ。だからもうやめてくれ」
号泣している長男を見て、私は、初めて気づいたのである。
苦しんでいたのは、私でなく、長男だった。
自分の言いたいことも言えず、不安も口にできず、弱音も吐けずに、親の期待と思いに応えるために頑張っていたのだ。
私は、自分の子どもをこんなにも苦しめていたのだ。
私の子育ては、間違っていたと気づき、変わりたい。
子供を信頼し、見守る子育てをしたい。
幸いに、私の福袋には、『子供との関係が良くなる』も、入っていたのだ。
子供との関わり方、声かけを変えてみる。
今までのガミガミ子育てをやめ、コントロールを手放せたのだ。
子どもが、自分で選択し、決定できる。
子どもが、安心出来る親子の関係性になったのである。
私は、初めて長男に
「お母さんでなく、自分で決めていいんだよ」
「応援しているので、何でもやってごらんよ」
失敗してもいい、思い切り何でもチャレンジしていいと、心から言えるようになったである。
危なかしい長男をハラハラしながら、見守れる子育てが、出来るようになったのだ。
福袋には、『親が成長する』もあったのだ。そう。私が成長したのだ。
人生は、子育てに限らず、色々なことが、起こり得る。自分の望まないことも起こる。
逆に自分の期待以上のことが起こることもあるのが、人生だ。

「オギャー」と誕生して、手にした人生の福袋は、何が入っているのか、どんなことが起こるのか、分からないけど、楽しみながら、わくわくと人生を過ごしていきたい。

福袋と人生は、同じもの。

ただひとつ、違うところは、福袋は、お正月のショップ前で、行われているように、ブツブツ交換が出来るが、人生は、どんなことも受け入れなくては、ならないところだ。
私が、手に入れた福袋は、取替えることも出来ない。私の人生だ。

長男の人生も長男のもの。
自分のやりたいことを見つけ、幸せな人生であって欲しいと願うのである。
長男の福袋に、『応援している』をこっそり入れておくことにしよう。

人生の最期を迎える時、私の福袋は、当たりだったと思えるように、
ひとつずつを大切にして過ごしていきたい。

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