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農業インターンシップに参加して②

農業インターンシップに参加させて頂いた。そこで経験した事を、自身の体験知として落とし込むためにも、記したいと思う。

具体的な農作業については、以下の記事に記載している。

本記事に関しては、1週間のインターンシップを通して、自身が感じた事を記録に残したいと思う。

自然との仕事

今までの自身の世界とは180度違う環境。自身は前職はザ・オフィスワーカーで、PC、スマホを始めデジタルツールを駆使し、自席からほとんど動かない仕事をしていた。晴れであろうが雨であろうが、暑かろうが寒かろうが、建物に入ってしまえば関係ない。

ましてや、在宅勤務もしていたため、通勤が無かったから、より一層外の状況は関係なかった。

一方で農業は真逆。自然相手なので、天気が一番影響を受ける。明るいうちに作業をする、暑すぎれば作業時間を短縮したり、雨が降れば、作業内容が変わる。時には中止することも。

そして、PCやスマホは管理や会計作業で多少は利用するが、ほとんど使わない。

日中は暑かった。だけど、気持ちいい。静かで、土や草木の香りに包まれ、風が心地いい。

五感すべてが研ぎ澄まされている気がして。

心が体が浄化されていっているんだなって感じた。

農作業は体力使うから、終わった時はヘトヘト。2日目は筋肉痛で悲鳴を上げていたが、心地よい疲れ。自然に触れながら、余計な事を考えず、無心に作業をする。

今まではいっぱい考えて、考えすぎなくらい、多方面にアンテナ張って、仮説を立て、リスクを考え、頭がフル回転。体はほとんど動かさず。

その癖が強くって、めちゃめちゃ考える。何をするにも。考えなくても良い時まで、考えてしまう。この思考スピードとリスク予想力まじすごいなと思うけど、それって自分をがんじがらめにしてしまったり、疲れさせてしまう事が多々あった。

農作業はシンプルで、コツや注意点は教えてもらうが、無心で余計な事を考えすぎずに没頭できる。これが心地よくて。脳の疲れじゃなくて、体の疲れだけ。ほんと心地良い。

思考や哲学に触れて

お世話になった農家さんには強い理念がある。歩んできた道は違えど、共感する部分が多く、驚いた。

また、彼らの社会問題に対する意識や見方はとても厳しく、学ぶべき事が多かった。

環境汚染やごみ問題、エネルギー問題に対する姿勢はとても厳しいものだった。それは当然だ。仕事に直結するからね。

だけど、それ以上の崇高なものを感じた。社会、地球に対しての思い。

また資本主義社会の矛盾について、ドンピシャ意見があった。まさかここの核となる部分が同じだったのには驚いた。

サステナブルな社会、SDGsが謳われている事で、状況は多少変わりつつあるのかもしれないが、とはいえ、世の中はモノ、情報が溢れている。そして、余ったモノ、不要なモノは廃棄され、不要な情報は人のエネルギーや時間を消耗させる。

私の考えだが、せっかく労働時間かけて作ったものを、廃棄の為にまたエネルギー使うの?だったら最初から作らなければいい。

世の中には便利なものだらけ、どこかにニーズを満たしたものはある。それでいいじゃん。

そして新商品のサイクルが早くなっている。次々新モデルが出て、すぐに古いものは無くなっていく。そこまで早いモデルチェンジが必要なの?もうちょっとピッチ落としてもよくない?

人のエネルギーを費やす必要がなくなる。だけど、モノが売れないと成立しない、資本主義社会。

ここの矛盾を感じていた所、農家さんはそれを実現させていた。

自分たちの手で生きるために必要なものを生み出し、あるものを利用する。時には再利用。農家を中心としたコミュニティや地域との付き合いにより、頂きものも多いよう。

どうしても自分たちで生み出せないものが必要な場合は、自分たちが信用しているお店や団体から購入をしている。

強い信念を感じた。徹底している。

幸せの基準

180度違った環境に1週間だったが身を投じてみて、色々と広がった気がする。

何より、自分の中にある幸せの基準。相対評価ではなく絶対評価。

年収や地位、SNSなど全く気にしない。他者評価に振り回されない。

自分たちの思想に則り、やりたい事を実現し、やりたい事で必要な収入や仲間を得ている。愛する家族とともに。

自分たちの基準があって、そこに達しているかどうか。それらはとても尊く、強く、美しい。


思うこと

私が恐れているのは、狭い範囲で物事をとらえる事、偏りすぎた価値観で生きる事だ。

なぜか。VUCAの時代つまり、先行きが不透明で、将来の予測が困難な状態の中で、狭い視野、偏りすぎた思考の中で生き抜く事の難しさを感じた。

Volatility(ボラティリティ:変動性)Uncertainty(アンサートゥンティ:不確実性)Complexity(コムプレクシティ:複雑性)Ambiguity(アムビギュイティ:曖昧性)

また、多様性という事が頻繁に言われている。世界には色んな人がいる、背景、思想から、身体的特徴など。自分自身はその多様性に触れる経験が少なすぎると思っていた。

これから自分のため、社会のために仕事をしていきたいと強く思っているが、それにしては今まで見てきた世界は狭く、均質的な価値観となっていた。もちろん全てを知る事は不可能だ、だけど出来る限り知って、体験していく姿勢は常に持ちたいと思っている。

物事を判断する際、今までの経験、体験知がベースとなるが、材料が少ないと、配慮の欠けた判断をする恐れがある。それって無意識に他者を傷つけてしまう事になる。決して誰にもいい顔をしたいという事ではない。

なぜか。主に2つの出来事があったからかな。

1.一方的に他の状況を鑑みず苦言を呈された経験

これに関しては、自分に向けられたものもあるし、他者に対して色々と文句を言っている人を見て、相手の事情何も知らずに言っているなぁって思う事もある。

ちょっと想像力を働かせればわかる事もあれば、経験しないと分からないから仕方が無いかと思う事もある。だけど、言われると結構傷つくんだよね。

背景を言おうとすると言い訳だとか言われる場合だってあるし。だからこそ言い方を気を付けなければならない。

少なくとも自分は想像力を働かせた上で物事を言いたいし、経験出来る事は経験した上で判断したいと思う。

2.年収など金額で測られる事への違和感

恥ずかしながら、今までの私は収入金額にこだわっていた。思考が浅かった。「とりあえず」お金があればなんとかなるから、多い方がいい。資本主義社会だからなんだかんだ「お金」は大事だし。

上を見たらキリがないけれど、私は、大手と言われる企業で有難くポジションを頂き、社会的信用と収入を頂いていた。何不自由なかった。

同時にしっくりこなかった。だけどそれが何でかは分からなかったんだ。

これまた一つの尺度、狭い目線で判断していた。

今まで、色々な仕事をしている人たちに会ってきたが、今回のインターンシップで出会った人たちで決定打となった。

貨幣を介しない豊かさ。資本主義経済だから貨幣換算されるのはやむを得ない。だが、貨幣システムには乗ってこないものが存在する事を目の当たりにした。

自分たちの手で作った作物を食べる

収穫した作物を使ってふりかけ、しょうゆ、味噌などの加工食品を作る

生ごみや落ち葉、廃材の肥料化などあるものを最大限活用する

これって物を貨幣を介して購入することをしていない。

どうしても足りないものは購入するが、基本はリユース。

経済活動に入ってこない。だから確定申告上の所得は「低所得」だとおっしゃっていた。

それ以上に、自分たち基準の「幸せ」を感じておられる。

当然初期投資は掛かっているはずだし、税金や保育料など貨幣で支払わないといけないものはあるが、自分たちのミニマムコストを見極めて、それ以外は自分たちの信念に則っている。その美しさと強さを感じた。
「お金」はそんなになくていいは綺麗事だと思っていた。お金以外に幸せの基準を見出している人達を見て、ごめんなさいと思った。

私は、前職時代、日本人の現在の平均年収と比較すると、稼いでいた方だと思う。こうやってモラトリアム出来ているのもそのおかげだと思う。

「お金」じゃないと言えるのは、稼いだ人が言えとよく聞く。まさにその通りなのだろう。「稼いだ」と言える具体的な金額は人それぞれだが、私は前職と本インターンシップの経験から言える。
「お金」だけではない。


やってみたいこと。ちょっとだけ出てきた

長くなったが、本経験を通して改めて思った。

「人々には、それぞれ背景があり、個々の事情がありながら生きている。幸せの基準もそれぞれ。法律・ルール・秩序の範囲内ではあるが、寛容な世界であってほしいし、少なくとも自分は寛容な人間として生きていきたい。」

LGBTの友人が苦しみながらも前を向いて生きている姿、通行中に進路が他の人に少し妨げられただけで舌打ちする人、交通機関の車内でマスクを少しずらした人に対して烈火のごとく怒る人。低所得はかわいそうという考え。

それぞれその人たちに「モノサシ」があって反応しているんだと思う。

だけどね、相手にも「モノサシ」はあるし、事情もある。だからこそ、一呼吸おいて、想像力を働かせようよって思う。

ちょっと脱線したけど、やってみたいこと、半農半X。専業農家ではなく兼業として自分が食べる分を作り、残ったものは販売する感じ。

大豆も生産して、しょうゆや味噌も作りたい。

花も育てて、飾ったり、ブーケにしたり。

田んぼは畑に慣れてからかな。


そんなこんなちょっとだけ出てきた。あとは、半Xなんだよな。このXが天性を活かした仕事。ここをしっかり探していきたいな。

相変わらずまとまりのない文章。自分の記録用として、書かせて頂いているので、ご容赦くださいまし。



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