初めての一人旅、青と白と琥珀色。
21歳の私は、初めて一人旅に出ました。
季節は大寒。朝一の便に搭乗する為、東京モノレールの車窓から、曙光を眺め、羽田空港へ向かったことを覚えています。
行き先は、帯広空港、サホロリゾートスキー場。
旅の目的は、スノーボードと北海道の大自然に身も心も委ねること。
帯広空港からスキー場まで、バスを利用しました。
バスの車窓から眺めた景色は、あまりにも美しく、私は目を奪われました。どこまでも続く、白一色の世界が、愛日を浴びて煌めいていました。
スキー場では、青い空の下、雄大な景色の中で雪化粧した山を駆け抜ける、清々しい私がいました。
旅立つ前、私の心は灰色でした。
失恋の傷心旅行だったのです。
どんな慰めの言葉でも、気が晴れなかった私が、この旅で彩りを取り戻しました。
帰路の上空、窓側席から望む青い空、足下に浮かぶ白い雲、琥珀色の夕陽。
色節の記憶、褪せることはありません。
22年経った今も、この先も。