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アニメ映画『はだしのゲン』

私が映画『はだしのゲン』を見たのはおそらく3歳の頃だ。母と姉と映画館で鑑賞した帰り、怖くて号泣していたのをうっすら覚えている。大人にとって広島関連の戦争映画であれば原爆の描写が出てくるのは暗黙の了解で、さらに日付を追う演出がなされていれば「あ、この日は原爆投下される日だね」とある程度の心の準備ができるが、3歳児にそんな先入観はないので、いきなり現れた大量"ゾンビ"に震え上がった。おかげで私の『はだしのゲン』の記憶は「大量のゾンビが練り歩くおっそろしい戦争映画」になってしまった。恐怖の記憶が先行し、以来この映画を見返すことは一度もなかった。

昨夜ふと「今ならそれほど怖くないのでは?」と思い立ち鑑賞してみた。ゾンビシーンは全体の1割にも満たず、辛いことはたくさん起こるけれど明るく前向きな映画だった。当時3歳の私はストーリーを全く理解していなかったことが判明した。

奇しくも今日は広島原爆の日。1時間半とコンパクトによくまとまった映画なので、ある程度の年齢以上のお子さんはこの機会に鑑賞してはどうだろうか。「この世界の片隅に」は子どもには難しい描写があるのでね。

人間は戦争をする生き物なのだろうが、核兵器を使う日は来ることのないよう祈ろうと思う。


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