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誤字脱字ガール

  誤りを正して見映えはよくなって
  取り返しなどつかぬ毎日

 本作りが大詰めに入っている。家事の合間に誤字脱字をチェック。見よう見まねでスマホの画面に校正の赤を入れていく。4人のなかで一番暇だから、っていうか地球全体で見てもかなり暇なほうなので私がやりましょうと引き受けた仕事。もちろん他のメンバーも重ねてチェックはするのだが。私、これ得意かもしれん。得意な人は他にも大勢いるだろうが、私もその一人かもしれん。校閲ガールを思い出すなあ。私がしたのは校閲ではないけど、思い出したもんは仕方がない。誤字脱字のチェックを終えて、あらかた出来上がっていた前書きを修正し始める。最終的に前の晩に書いた内容から8割ぐらい変わった。まあ、いいということで。
 
 夜はサンマを焼いた。今年初めて食べる新物のサンマ。とても美味しかった。ただかなりスレンダーだったから、父は物足りなかった様子。そういえば、父方の祖母は「猫泣かせ」と呼ばれていたそうだ。祖母の食べ終えた魚は見事に骨しか残っていなかったのだそう。食べ終わったあとに父のサンマと自分のとを見比べてみた。父のは頭と尾っぽしか残ってない。『サザエさん』でよくタマがくわえてるやつと一緒だ。私もいつか猫を泣かせられる日が来るだろうか。

【きょうの書き出し短歌】
 誤字を直し、脱字を補い、そうこうしているうちに外見は整っていくのだが、文章が、中身の温度が下がっていくような気がした。他のことにも言えると思うけど、ぶっつけ本番の美しさみたいなのって、そういう瞬間の熱気みたいなのってどうすれば閉じ込められるんだろうか。

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