(鑑賞記録)アート×家庭
金沢市民芸術村にて『アート×家庭、2000年後を想像する』というトークイベントを聴き、トークイベントの登壇者である柴川敏之さんの『ぼくのおくさん☆柴川敏之展 PLANET HOME ミニ展示』を観てきました。
タイトル画像を見て「彫刻?」と思われたかもしれませんが、実は、物の上に絵の具を重ねて描いた「絵画」的手法で作られた物なのです。作者の柴川敏之さんは「2000年後から見た現代社会」をテーマに、2000年後に発掘されたかのような作品の制作をされています。
今回のミニ展示の出展作は、2018年に、つなぎ美術館で行われた『ぼくのおくさん☆柴川敏之展 PLANET HOME』にて発表されたものです。ハイヒールと哺乳瓶、脱ぎ散らかされた靴下、片付いていない台所など、柴川家という一家庭をテーマに制作された作品になります。
現代美術家である柴川敏之さんと、ESD(持続可能な開発のための教育)研究者である妻の柴川弘子さん。二人の間には二人のお子さんがいます。展示とその側にあるマンガ(作:ブブさん)からは、育児と仕事の両立おいて困惑する弘子さんの姿が見えてきます。
トークイベントでは、敏之さんと弘子さんの出会いから、結婚、そして子育てに至るまで、二人の作品や活動紹介も交えて語られました。
敏之さんは、無意識で靴下を脱いでその場に置いたままにしてしまいます。それは、仕事に育児にと時間に追われている弘子さんの仕事を増やしてしまうことになります。でも敏之さんからすると、無意識なので別に悪いことをしようとしているわけではないのですね。
何かに集中するとそれにかかりきりになってしまうような敏之さんのほうに、私はどちらかというと似ている気がするので、それでいつの間にか他人を困らせていること、あり得る、と思ってしまいました。
この意識の差はなかなか埋まらないと思いますが、それでも、共に展覧会を作り上げられる敏之さんと弘子さんは、お互いのことをよく思い、考え、理解しようとしているのだと感じました。
どこの家庭にも多少の問題はあると思います。問題のない家庭なんてないでしょう。だから家族や、その関係者は、問題解決や改善を目指すために、相互理解を進めなければならないと思います。そのためにも、家庭内の問題を家庭内に留めずに、例えば親しい人に話してみる、ということもあっていいと思うのです。もしかすると共通の問題があるかもしれませんし、そうでなくても、問題解決方法の糸口が見つかるかもしれません。
こちらのミニ展示は2022年11月20日(日)10:00~17:00まで。お近くの方はぜひご覧ください。
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