やったことないことは「できない」愛情の連鎖

先日、美容室で働く幹部の方(Aさん)が
”人を育てる育て方が分からない”
”愛情のかけ方もわからない”
”新人が「できない」という「できない気持ち」もわからない”

とカウンセリングルームに相談にみえた。

自分は、厳しい環境で育ったから
後輩を誉めることができない。

自分は、挫折もなく
人生を生きてきたから
できない人の気持ちがわからない。

こんなとき、私は本人はそう話していても
本人の過去の中にある
誰かに”何かを与えてもらった体験”や
”ロールモデルになりそうな人物”
”真似できそうな人物”を探して

そこから、本人のできる方法を
探していこうと考えるので・・・
続けて、質問をしてみた。

『今までの人生で尊敬できる人は?』

今までの人生で
尊敬できる人なんていなかった
上司として立場を与えられても
今まで、上司からは、売上のことや
数字のことを言われ続けて

できてないことばかり指摘されてきたから
どんな風に人を育てたらいいか?なんて
わからない。
一つ、わかっていることは、
私が上司にされたことを
今、後輩や部下にしたら
必ず、その子は潰れる。
自分は、仕事が1番大事。
仕事よりプライベートが大事って
甘い気持ちの人は、自分とは違うと思っている。
新人の時、上司に無視された。
後輩である自分の数字が上がってきたら
嫉妬してること丸わかりで意地悪された。

上司の機嫌であたられた。
誰も助けてくれなくて
周りの人にも、見て見ぬふりされた

でも、私は社会ってこんなものって
期待しないことで、耐えてきた。


これらは、すべてAさんの現職場でのことを
話しているのではなく
新人の時代から技術者として独り立ちできるまでに
Aさんが経験してきた前の職場での話し。

『今、在籍している会社の経営者のことは
初めて「この人と働きたい!」と思った人』


と、Aさんは、伝えてくれたけれど

私がイメージしても
この経営者をロールモデルにするには
本人の今の立場からだとかなり立場にも
キャリアにも差があって

最初のステップとしては遠すぎるので
もう少し、すぐにマネができる
ロールモデルがほしかった。

話を聴きながら思った。
「尊敬できる人がいない」
「信頼できる人がいない」
という職場で働くことのつらさ。

Aさんの壮絶な新人時代の話を聴いて
苦しかっただろうと思った。

Aさんは、強い精神力で
耐えることができたかもしれないが

Aさんのような環境で働いていたら
Aさんの言う通り
ほとんどの社員はやめると思う。
それくらい、前の職場で体験したことは
ひどい内容だった。

仕事をする上でお給料が良いことや
お休みがたくさんあって
プライベートが充実することも
職場環境としては重要なことだけれど
それは、あくまで条件であって

1日の8時間を過ごす職場での「時間」
職場への出勤時間や準備、片付けの時間も入れると
1日10時間くらいの
「時間」をかけるということは

1日24時間の3分の1
もしくは半分くらいの時間を
「仕事」に費やす。

1日の大半の時間
もっと大きく言うと
人生の大半をかける時間

「何かのために頑張る」
という原動力は
モチベーションに繋がると思っている。

その原動力や強いモチベーションを持っている人は
「何かのために」の「何か」が強いと思う。

私は、その「何か」は
「誰か」のためであると
さらに心は強くなれる気がしている。

仕事を辞めたいな・・・と思っている方の
相談に乗っている時に、
「でも社長を裏切れない」とか
「でも育ててくれた〇〇先輩に恩がある」とか

そんな義理や恩を思い出すと
辞めることにストップがかかることが多い。

”お客様のために頑張る”
”お客様がいてくださるからやり続けられる”

それも、もちろん大切。
大切だし、原動力になる。

でも、本当は共に働く人に対して
尊敬と感謝を持ち、
日々を過ごしていくことができたら
本人も幸せだし、周りも幸せになると思う。

まず、自分が尊敬できる人を見つける
尊敬できる人に追いつけるように努力する

そして、次は自分が尊敬される人物になる

信頼でもいい。
自分が上司を信頼し
部下から信頼される自分になる。

そのためには、
まず、部下を知る努力をし
自分が愛情をもらえる人物になる。


もらわないとあげれないから。

愛情はもらうが先。与えるが後。

もらったことがなかったら
相手にあげる分の愛情はない。

経験したことがないことを
理論や理屈で教えることは難しい。

理解して落とし込むのは
さらに、難しい。

だから行き着いた結論。

このAさんには、
私が愛情を与え続けようと決めた。

今、Aさんの愛情袋は空っぽなので
その愛情袋の愛情を満タンにして
現場に返そうと思う。

愛情袋にたまった愛情を
部下に渡してくれたら
きっと、Aさんは愛情を“もらうこと”
“与えること”を理解できるようになると思う。

やったことないことはできない。

これから、私は
Aさんの話をたくさん聴いて
上司としてできないことを聴いて
できない人にどんな風にサポートするのか
私との関わりで体験してもらおうと思っている。

Aさんのように
能力が高いと気づいたときには
職場で、上のポジョンになってしまい
その立場や役職になってから

自分が知らない間に経験体験しないで
飛ばして階段を上がってきてしまったことに
気づくこともあると思う。

どの階段を駆け上がってしまったのか?
丁寧に過去をふりかえってみれば 
飛ばしてしまった階段は必ず見つけられる。

自分がされてないことはできない。
自分がされたことはする。

職場環境の中でどんな連鎖を起こすのか?

つらい育て方された人は
苦しい教え方をする。
その環境の中でも
強い精神力で残っている人は
また、その次の後輩に厳しい教え方をする。

それでは、強い人しか生き残れない
職場になる。

愛情をかけて育ててもらい
愛情を渡せる後輩になってもらったほうが
未来が明るく、愛情が溢れる
幸せな職場になるのではないだろうか?

穴が開いた部分があるなら
埋めればいい。
その埋めることはいつからでもできるし
遅いなんてことは絶対にない。

気づいた時がチャンスで
やれることから手を付けることは
何もやらなかった時と
その先の未来大きく変わると思う。
マイナスの連鎖は断ち切り
プラスの連鎖を起こして欲しい。

ますば、自分から。


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