文学で言葉を知ることで、世界が細かく見えるようになる、それを「感性」という

「文学なんか読んで何の役に立つの?」
「娯楽以上の意味合いは?」

そういった質問に答えるとき、私は「世界は言葉によって見えている」と答えています。

あなたがふと周りの景色を眺めたとき、頭の中でどれだけ言葉にしているかで、どこまで細かいところまで見えているかが変わります。

例えば一本の木があるとして、「木があるなあ」と思って終わることもあれば、「葉っぱが青々と茂って見事だなあ。夏の日差しを反射して、まるで風が光っているようだ」と思うこともあります。
後者の方が、世界が色づいて見えている。それは言葉を知っているからです。

言葉にせずに、ただ丸ごとの印象を受け取る、時にはそういう受け止め方も必要です。それは映像や音で記憶することに似ています。理解できないけどなぜか印象に残っている、そういうものは言葉にできなくても強い何かを受け取ったときに起きます。言葉を知らなくても、そういう受け止め方はできます。

ただ、言葉にもしていくことで、世界が細かいところまで見えるようになる感覚は人生を豊かにしてくれます。

世界を鋭敏に感じ取ることができる、そのための言葉をくれるのが、文学なのです。

文学というと難しいものだと思うかもしれませんが、わからなくていいのです。名作はとにかく言葉自体が小気味良く、美しいからです。まずは日本語のリズムを感じて、こういう言葉もあるんだな、こういう文章もあるんだな、と触れてください。その蓄積が、いつしかあなたに言葉によるアウトプットを可能にします。文学は世界を鋭敏に感じ取るための言葉を教えてくれるのです。

いろんな言葉に、文章に触れていくと、世界がより細かいところまで見えるようになります。そうして培った言葉で感じ取る力を、感性と呼ぶのです。

ぜひ小説を読んでください。わからないままでいいので、たまには名作文学に触れてみてください。いつしかきっと、世界が違って見えます。


ここから先は

0字
あなたのえっちな妄想を文章にしてみませんか?

小夜夏ロニ子が官能小説を書くときに考えていること。 ひとりでも多くの方に頭の中のエロい妄想を文章にしてもらって、官能小説を書いてみる楽しさ…

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

いただいたサポートでえっちな作品を購入し、私の小説をよりえっちにします。