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絵に描いた夢の実現

こんにちは。ヨガインストラクターの吉田紗弥です。
もう9月に入りいよいよ今年も3ヶ月になりました。皆様いかがお過ごしでしょうか。
今日もヨガのお話から入っていきたいと思います。
今から約2000年前に成立されたとされるヨガの根本経典「ヨーガスートラ」には私たちの生活をより良くしていく賢者の教えが記されています。
その中から一説ご紹介いたします。
「アヴィヤーサは長い間、休みなく、大いなる真剣さを持って励まれるならば堅固な基礎を持つものとなる」

まずこの一説の「アヴィヤーサ」という意味ですが、一般に「修習」と訳されます。「修習」とは目の前に差し出される対象と繋がりを築く作業、波長を合わせていく作業です。つまり経験を続けること、という意味です。

私たちは普段何かやらなければならないことがあるとすると、短期間で、休みながら、適当に取り組み、成果を得ることを期待しがちです。
けれども「石の上にも3年」と言われるように物事を達成していくには、思い通りに行かなくてもその対象に真剣に向き合い、粘り強くあきらめないことが大切となります。

例えば語学の習得などが良い例かもしれません。「英語を喋れるようになる」と目標を掲げても、短い時間で、休みながら、真剣に勉強していなければ決して英語での会話は一向に進まないでしょう。

私たちは、目の前の対象と波長を合わせ、繋がりを築いていく経験を繰り返し行うことで後々の人生にとって大きな基盤を作ることができ、そのためには忍耐を必要とし、諦めることなく粘り強く向き合うことが大事なのです。

私の話になるのですが、3年前、私の所属するヨガスタジオ「リラヨガインスティテュート」でコース受講の中で「ヨガインストラクターとしての理想像」を絵で描くというワークがありました。
当時は明確な目標ななかったものの、「まず周りの家族がヨガで健康になってほしい!」という強い思いからその紙に家族と一緒にヨガをしている絵を描きました。
 私の周りの家族、親戚を何人か描いてそれをノートに挟んで置いておきました。
そしてそこからありがたいことにリラヨガインスティテュートにてレッスンを担当させていただくことになり、そこから一番近い家族である旦那さんにまずレッスンに付き合ってもらうことになりました。
普段私の旦那さんはランニングで体を動かすことが好きなものの、長時間のデスクワークで腰痛や肩こりなど慢性的な症状を抱えていました。
その理由もあり、旦那さんにヨガで健康になってもらいたいと、事あるごとにヨガを持ちかけました。
特に抵抗はないものの、自宅でヨガをするのですが、ランニングを普段しているためか、息を切らしての運動や筋トレの方が好きなようで、ヨガにはあまり興味を見せてはくれませんでした。自分のレッスンがあまり効いていないとのではと、ヨガの効果や歴史を話したとしてもあまりピンときていないようで、私としては「ヨガの素晴らしさを絶対実感してほしい」とご飯食べる時も、一緒に出かけるときもヨガの話が多めになっていました。

常にヨガの話をしていたのが普通になっており、旦那さんに「口をひらけばヨガしよう、かお腹すいたー、か眠いーしか言ってないよね。」と言われたくらいです。
そう言われてはっとしたのですが、私自身が慢性的な腰痛を以前持っていて、いろんな病院やカイロプラクティック、そして毎日ロキソニンの湿布を貼って仕事をしていたのが、ヨガでいつの間にか腰痛に悩まされることもなくなり、それどころか他の悩んでいた身体の症状がなくなっていたので、「ヨガの可能性は無限!」と信じ込んでおり、ヨガをして欲しい思いはとても強いものでした。

けれどもある日、旦那さんと住んでいるマンションには広い屋上があり、そこでお茶でも飲もうと2人でくつろいでまったり過ごすことにしました。ちょっとしたスナックとお茶でまったりしていたはずなのですが、また私の「ヨガ話」で熱くなり、それに面倒くさいと感じたのか「もうヨガなんていいから」と冷たく言われたのです。

自分としては一生懸命、ヨガでもっと健康になって欲しいと思っていたものの彼にとっては、重く楽しい話ではないようで、そう言われ「健康になって欲しいと思うのはエゴなんだろうか」「哲学の話は人生では必要ではないのか」と自分よがりになっているような気がしてとてもショックでした。

それでもヨガをして欲しい思いは変わらず、時間を見つけてはヨガを持ちかけるのですが、彼はまだピンときていないようでした。
そう悩んでいたある日リラヨガインスティテュートの師匠に「これ読んでみなよ」と一冊の本を紹介されました。それはカーネギーの「人を動かす」という自己啓発本です。彼の作品は以前も別の作品を読んでいたのでぜひ読んでみたいと早速購入し、読み進めてみました。

すると、人を説得する方法や好かれる方法、そして何より「人を褒め、人の身にある」ということがどれだけ大事かが描かれており、この本を読み、「そうだ!これだ!」と私の今までの行動や発言を少しずつ変えていくことにしたのです。

あまりしつこくない程度に、相手の身になり、労わる言葉をかけ、褒めるように努力しました。彼がご機嫌な旅行先でヨガをしたり、肩や腰が痛そうなタイミングで声をかけるなどなるべく配慮するようにしたのです。ヨガを一緒にできた時はなるべく誠実に笑顔をかけました。これは身内だからこそ忘れがちなことだったかと思います。

そしてそうしていくうちに3年が経ち、最近になって、なんと朝起きると私より彼は早起きし、自分で太陽礼拝をするようになっていったのです!しかもトリコーナアーサナやパールシュワコナーアーサナを入れたヴィンヤサです。
そして彼は「気づけばヨガをしていると体が伸びるし、悩んでいた腰痛がない」と言い、びっくりしたのは彼より私の方でした。

自分の理想のインストラクター像を絵に描いて3年、時間をかけ、真剣に、粘り強く彼とヨガに向き合い、どうすればいいか悩んでいましたが「家族がヨガで健康になる」という私の夢が一つ叶ったと思えました。

私たちは日常生活や人生の中で、達成したいことや、やらなければならないことがあると、途端にそれを短期間で、休み休みで、そしてより楽に成功を手に入れたいと思うのが常かと思います。

けれどもこのヨーガスートラの「アヴィヤーサ」を実践し、どんな時も粘り強く、確固たる真剣さで取り組めば大きな基礎ができあがり、そこから自分自身の人生の大きな可能性を手に入れていくことができるはずです。

まるで広大な大地に深く根を張りどっしりをたたずむ縄文杉のように、私たちもどんなときも、粘り強く、あきらめることなく前に前に進んでいくことにしましょう!




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