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「めっちゃいいやん!」は魔法の言葉

「これからは僕が、寺山さんの”めっちゃいいやん”を引継ぎます。」退職日、送別会で同僚が贈ってくれた言葉です。この時から、私の中でも「めっちゃいいやん」は特別なものになりました。

彼は2年ほど前に中途入社してきた、私より少しだけ年下の男性で組織的な言葉でいうと、直属の部下でした。(個人的に「部下」という言葉はあまり好きではないので、同僚、彼、と書きます)

彼は、私が15年間勤めた会社を退職した日、送別会の挨拶でみんなの前でこんな風に話してくれました。

僕が2年ほど前に中途入社してきた時、正直、構えていました。前職では直属の上司と合わないということも退職した理由のひとつにあったので、次の上司はどんな人だろうと。(中略)寺山さんは、始めから僕の意見やアイディアに対していつも「めっちゃいいやん!」を言ってくれました。意識していたのか自然なのかわからないけど、僕はその言葉にとても救われました。もっと自分を出していいのだと自信にもなりました。僕にとっては、魔法の言葉です。だからこれからは、僕が寺山さんの”めっちゃいいやん”を引継ぎます。これから入ってくる人や後輩に、安心して仕事ができるように”めっちゃいいやん”をあげたいと思います。

すごく嬉しかったです。ああ、そんな風に思ってくれていたんだ、受け止めてくれていたんだと。今でも、その時話してくれた彼の表情や言葉を鮮明に覚えています。心がこもった、本当の言葉で話してくれたからだと思います。
(ちなみに、退職日は私にとって、「これまでの人生で最高の日ベスト3」に入ります。周りのみんなのことがやっぱり大好きだ!最高だ!ありがとう!と再認識した日でした。このあたりの話もいつかnoteにかきます。)

20代の頃の自分を振り返ると、自分の成長のことしかみていなくて、他の人や後輩をねぎらうとか褒めるとか、ほとんどなかったように思います。

「了解です!」はよく言うけど、「すごいね!」「いいね!」はほとんど言ってなかったのかなと思います。当時の後輩のみんな、ごめんなさい。
仕事はできるのが当たり前。考えてくるのが当たり前。わからない方がダメ、意見が出ないのがダメ。という、自分でも他人でも”できていないところ”に目がいくタイプでした。先輩に褒めてもらっても、「いえ、これくらいは普通ですから、褒められても別に。」という、なんともかわいくない後輩でした。当時の先輩のみんな、ごめんなさい。

30代になって、1人目の子どもが生まれて変わりました。赤ちゃん、子どもは毎日、目を見張るほど成長します。もう毎日、毎時が「すごい!」「いいね!」「やったね!」「できたね!」「居てくれてありがとう!」なんです。私の場合は、母親になったことで、人の”すごいところ”、”いいところ”、”できるところ”に目を向けられるようになりました。元からそれができる人もいるでしょうし、意識的に努力してできるようになる人もいると思います。

他の人の”いいところ”をみつけて、「いいね!」と口に出すことができる。

仕事で同僚や後輩の”いいところ”、”できたところ”を見つけて、「いいね!」と口に出すことができる。

これって、言われた人にとっても、言った自分にとっても、いいことしかないなと気づきました。

私の勤めていた会社は、「後輩の挑戦・成功のために、上司が最大限にサポートし、みんなで喜ぶ。後輩が失敗や何かしら問題が起こった場合は上司が全力で守る」という文化でした。挑戦や失敗の大小に関わらず。そういう、安心して働ける環境にいたので、
「めっちゃいいやん!やってみよう!」が言いやすい。
「いいやん!でも待てよ、、、これはどうかな。。」という思考になりにくく、やってみよう!とアイディアが出やすかったのだと思います。

フリーランスになってから一緒にお仕事している方からも先日、

「実は、寺山さんの『それ、めっちゃいいですね!おもしろいですね!』という言葉に僕めっちゃ元気もらってるんですよ。もうこの年になると誰も褒めてくれないから笑。これからも僕のアイディア褒めてください笑」

と言っていただきました。本当に素晴らしいアイディアだから気持ちを込めて純粋な気持ちで「それ、いいですね!」と言ってるのですが、その時改めて気付きました。

立場が上の人ほど、褒められる機会がない...!!

年齢や役職、経験値があがると、できて当たり前という感じになるし、後輩からは上司に対してなかなか「いいですね!」と言いにくいのかな?「なるほどです」という言葉になるかな?と思ったりしました。

「めっちゃいいやん!」「それいいですね。」はどんな場面にも、誰にでも使えます。必ず、見つかります。

仕事などの「成果や能力」だけではなく、仕事や勉強に取り組んでいる「姿勢」でもいいし、デスクや部屋がきれいに片付いているねという「環境」でもいいし、今日着ている服や靴、髪型の「見た目」でもいいのです。

1日にたくさんの「それ、いいですね」を言うと気分も明るくなります。そして自分が言われた時は素直に「ありがとう!」と受け取る。謙遜しないで、受け取る!嬉しい〜と喜ぶ!

ぜひ試してください。まずは身近な、言いやすい人から。そして慣れてきたら、上司や目上の人にも「それ、いいですね」を言ってみてください。きっととても喜ばれると思います。

そういえば、冒頭に”めっちゃいいやん引継ぎます”って言ってくれた彼も私によく「それ、いいっすね!」って言ってくれてた。
私「(彼の提案に対して)めっちゃいいやん!」
彼「(私の提案に対して)それ、いいっすね!」
とお互いのアイディア出しあってる打ち合わせ、楽しかったなぁ。あれ?引き継ぐもなにも、彼も自然に「いいっすね!」ってよく言っていたなぁ。あー書いていると会いたくなってきた。連絡してみよう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

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