ゆうやけこやけ
おとうさんが、さかなの風船をくれた。
いきでふくらむのとちがって、
とくべつで、
へやの中をふわふわおよいだ。
へやの中だけじゃつまらないから、そとにつれていってあげた。
そうっと、ひもをはなしてみた。
さかなは、するりと、ういた。
あわててひもをつかもうとしたけど、まにあわない。
いちどしっぱいしたら、もう、せのたかいおとうさんが、手をのばしても、とびはねても、とどかなかった。
ないても、大きなこえでよんでも、
もう、かえってこなかった。
さかなは、たのしそうに空のうみをおよいでいってしまった。
おとうさんは、あのさかなは、あんなにひろいところをおよげてしあわせだっていった。
わたしはないた。
あのさかなは、おにいちゃんのおふるじゃなかったのに。
#おはなし #短編小説 #小説 #絵本 #詩
#フタガミサヤ #ゆうやけ
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?