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離婚式

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離婚式という社会通念が生まれて久しい。 両家がきっぱりと縁を分つために。 その縁を切る範囲は、現代では広すぎるので。 社会のモラルとして、結婚したら離婚保険に入るのは常識になって…
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#SF小説が好き

離婚式 36

 洞窟のような場所にいた。  光を感じない漆黒の視界。  全裸なのか、何かを着ているのかも…

百舌
4か月前
7

離婚式 35

 エレックカーに並んで座っている。  腕をりょうは絡めているが、隙間に金属製の何かを突き…

百舌
4か月前
10

離婚式 33

 チャイムが鳴った。  天井照明が紫色に変化する。  それは警戒警報の色だった。  おれは…

百舌
5か月前
8

離婚式 32

 女の首を絞めた。  それが愉しいらしく、軽く伸びをして寧々はもっと首を差し出した。妖に…

百舌
6か月前
9

離婚式 31

 エレベータが上り出した。  寧々が脇から腕を絡ませてくる。  背中に嫌な汗が流れるような…

百舌
6か月前
5

離婚式 29

 ごとり、と重い音がした。  ラブホテルの極彩色の脱衣所を開けると、バスルームはガラス張…

百舌
7か月前
9

離婚式 28

 電磁防壁の密室にいる。  密室なのに気分は楽だ。  我々θの担当官は常日頃、大蔵省の監視下にある。常に行動は監視され政府機関のデータバンクに記録されている。  調査対象とする被疑者のデータを読む限り、同様の監視下にあるというのは想像できる。だが担当官の立場は、被疑者どころではない。脳幹に埋めこまれた脳核チップにより、思考した内容も記録されている。厳密にいえば思想の自由すらない。  その代償として、破格なクレジットがデジタル通貨口座に蓄積するわけだ。  しかし政府機関はキーひ

離婚式 27

 部屋番号はボクが選んだ。  あの世界的に蔓延したウィルスの影響で、タッチパネルのほとん…

百舌
8か月前
10

離婚式 26 

 その真意が袋小路だと思った。  こんな場末の小便臭い裏通りと同じだ。  常にひとを惑わせ…

百舌
8か月前
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離婚式 25

 また、連絡がつかなくなった。  りょうからのSNSの返事はない。  ワタシはベッドの海から…

百舌
9か月前
8

離婚式 22

 悪寒を唇を噛んで耐えた。  腕は絡ませて組んでいる。  でもレースの布一枚で隔たれている…

百舌
1年前
5

離婚式 21

 夜気がしっとりと路地を埋めていた。  女の呼気に似た生温かい、湿った匂いがする。  俺は…

百舌
1年前
4

離婚式 20

 蜃気楼をみた気分だった。  タブレットに残ったデータが壊れている。  ばかりかワームが強…

百舌
1年前
2

離婚式 19

 失態の上、醜態まで晒した。  その上に失策も重ねている。  それに気づいたのは翌朝になってからだ。  鞄にあるはずのタブレットがなくなっている。  恐らくはあのワインバーにあるはずだろうが。  或いはこの隣に寝ている女に奪われたのかも。  そうだとすればどこまでが虚偽でどこまでが事実であるのか、それが判然とはしない。昨晩はどうかしていた。  そうだ。  おれは常に壁を背にして座るように訓練を受けていた。  あの小部屋でワインバーを見渡す大窓を背に座った。その窓はFIX窓で開