見出し画像

ベートーヴェン生誕250年 その7

世の中のベートーヴェン生誕250年の周年企画が本日で終わる。明日からは251年になるからです。コロナ禍があって不完全燃焼な感じがしてならない。とても残念です。

ふりかえり
今年はベートーヴェン生誕250年。

2019年末から20年初めにかけて、よくわからないウィルスが猛威をふるっているからはじまり、コロナウィルスの仕業とわかりコロナ禍となった。

コロナ対策が定まらないなかでコンサートやイベントの中止発表、ソーシャルディスタンスと3密回避が定着し対応が定まったものの一旦中止したものは戻らない。中止のなかにはベートーヴェンの周年コンサートもイベントもあったと思う。

生誕250年が社会現象になったか?と言えば、そうはならなかったと考えます。ヒットチャートにベートーヴェンが名乗り出ず、さまざま番付にも入らず。

ステイホームで音楽を聞く機会に恵まれたもののベートーヴェンは特に聞かれた訳でもなかったようです。もちろん調査データは何もないので実際はわかりませんが。

ドイツ系の文化を部外者が語るといろいろあり、みな口に出しにくいこともあるとは思いますが。

ベートーヴェン生誕250年はコロナ禍にあって厳しいものになったと考えます。

どうして盛り上がらなかったのか?

趣味で楽しむ人たち向け(私を含む)に提示された情報は変わり映えのしないものだったと思います。

ただし、代わり映えのしないものは悪いことではないと思います。落ち着きを与えてくれるからです。不協和や摩擦無し。

ファンは知ってるなと再確認。ベートーヴェンのあだ名は楽聖だよね、でもあだ名だから新しい名前でもいいんじゃない?とはならなかった。リズム番長など。

ベートーヴェン年表がありました。いつ生まれて、いつ引越しして、著名な先生に出会って、たまに恋をして失恋して、作曲に取り組んで、当然最後は死ぬ。

情報は学校で聞いた範囲でしかなかったような感じがします。ボン、ウィーン、モーツァルト、ハイドン、難聴、ピアノの名人、フリーの作曲家、ナポレオンへの失望。

ベートーヴェンの人物紹介もありました。変人・奇人ぶりのエピソード紹介。親近感がわくものが少なく、どん引きするものがおおかったと感じます。

ベートーヴェンの選曲もありました。ピアノ曲はエリーゼのために、交響曲は運命と合唱の2本柱を軸に「苦悩から歓喜にいたる」の打ち勝つ系の曲。

いまや苦悩がなかなかパッと共有されず(肌で感じにくく頭で理解する必要がある)、相対的な苦悩があふれ、歓喜も人によって違いすぎて個々の喜びになっているような世の中な感じがします。そうしたなかでこの一本調子は心をつかみ難いと思います。

サッカーファンの喜びをバスケットボールファンはなかなかわからない。なんで点数がポンポン入らないんだ?シュートをどうしてサッサと打たないんだ?

年表・人物紹介・選曲を振り返ると、もしかするとベートーヴェンの語り口は、ベートーヴェン没後200年くらい同じ内容を繰り返しているのでは?という気持ちになりました。根拠はありません。

もちろん新資料が出てこないと新しい解釈が出せないという難しさはあると思います。

どうだったら良かったのだろうか?

NHKのアニメ番組にクラシカロイドがありました。クラシック大作曲家が音羽館という下宿?で、ひとつ屋根の下に住み、すったもんだを繰り広げるギャグアニメでした。

モーツァルトのキャラは自由奔放、リストは愛に満ちた人、ワグナーはちょっと嫌なやつ、ベートーヴェンは周りからみたら些末なことにこだわる人、というキャラ設定でした。

伝記を通じて知っている人物像を上手にアニメのキャラクターへと移し替えて楽しめるコンテンツという印象がありました。

ベートーヴェンについてわかっていることの本質や事実を変えず、柔軟な解釈を行って今の気分に引き寄せたものを見たかったなと思います。

選曲もテクノロジーの力を借りても良かったのではと思います。ネットで検索するとレコメンドされるのが当たり前の時代です。ユーザーの趣味嗜好に合わせて提示されます。

検索頻度の高い言葉とベートーヴェンの曲をAIを組み込んだレコメンドエンジンで結びつけて選曲する。

そもそも、当時の大作曲家は依頼があって作曲していましたので、今の時代に合わせて依頼(ネットとレコメンドエンジン)したらどうだったのか?を見たかったと思います。

ベートーヴェンが作曲した作品には踊り出したくなる曲、ジャズみたいな曲(後期のピアノソナタ)、ハードロックみたいな曲(オペラの序曲)がたくさんありますし。

弦楽四重奏作品をジャズ化して聞いてみたいなと思うこともあります。ドラムとピアノを入れて、チェロは基本ダブルベースに割り当てて、バイオリンとビオラのパートをトランペット、サックスに割り当てる編曲をして。ベートーヴェン自身、即興の名人だったようですし。

おわりに
勝手きままに書きましたが、つぎの周年イベントは50年後のベートーヴェン生誕300年となるのでしょうか。もちろん、生きてみないとこればかりはわからないのですが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?