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漢方的梅雨ダル対策〜梅雨時におすすめの食養生〜
3回にわたり梅雨時の養生法についてお届けしました。
初回はまず梅雨ダルの原因を知っておこう、ということで
『なぜ雨がたくさん降って、湿気るだけで僕らは体調を崩してしまうのか?』ということについてお届けしました。
そして、前回は梅雨ダルにならないための水分のとり方、入浴法など、生活養生についてお届けしましたが、最終回の今回は
『食養生』
梅雨ダル対策には『どんな食材がおすすめ』で『どんな食材を控えたほうが良いのか』についてお届けします。
体に余計な湿が溜まりやすい方は『ウリ科』の野菜を
梅雨ダル対策で大切なのはなんといっても食養生でが、どんなものをこの時期は食べるとよいのでしょうか?
それは意外とシンプルで、これからの時期に『旬』を迎えるものを食べることが何よりの食養生なんです。
季節の物にはその時期にちゃんと食べる意味がある、と言われています。
近年は季節に関係なく、一年中同じ野菜などが食べられますが、その代表格が夏の野菜、キュウリやナス、トマトなどではないでしょうか?
実はこれら、夏の野菜の真価が発揮されるのがこれからの時期なのです。
きゅうりやウリ科の野菜は薬膳では
『利水』
と言って体の余計な水をはかせる手伝いをしてくれると考えます。
また
『清熱』
と言って暑さより体に熱がこもった時は熱を冷ます働きもあるので、暑いところで仕事をしている方などにもおすすめです。
ただし冷え性の方はいくら蒸し暑い梅雨時や夏と言っても食べ過ぎにはきをつけましょう。
美味しいだけじゃない!冷奴に薬味を乗せる意味
また、この時期おすすめの食材の2番めは湿をとり、発散作用のある
しょうが、ネギ、サンショウなどの薬味を料理のアクセントで使うといいでしょう。
梅雨から夏にかけての定番
『冷奴』
ですが、冷奴に薬味をのせるの理由は美味しく食べる以外にも実はこんな意味もあったんです。昔の人の知恵ですね。
刻んだ青シソも梅雨から夏が旬の野菜ですが、温める働きがあり、梅雨ダルの主な症状である、食欲不振、胃の不快感などにもオススメなので、積極的に食べましょう。
蒸し暑い時期もやっぱり温かいものを
さて、おすすめの食材の次はできるだけ『控えたい』食品です。
梅雨から夏にかけてできるだけ控えたいもの、それはみんな大好き
『冷たい飲食』
です。
冷え冷えのビール、アイスクリームなどは蒸し暑い時期の楽しみでもありますが、冷たい飲み物は、ついがぶ飲みしがちで、胃腸を一気に冷やしてしまい働きを低下させます。
胃腸でしっかりと水分がさばけないと、排泄もうまくいかず梅雨ダルの原因である『湿邪』がカラダに溜まっていきますので
そうならないためにもできるだけ梅雨から夏にかけても温かいもの、常温のものをできるだけ飲むようにしましょう。
屋外の暑い場所で仕事をしている方は熱を冷ます意味では冷たいものも良いのですが、できるだけ冷たい飲み物でも口の中にゆっくりと含んで冷たさを口の中で楽しんでから
ゆっくり胃腸に入れていけば口の中で常温に近い状態になるので冷えることが少なくおすすめです。
とにかく冷たいものはがぶ飲みせずに、ゆっくりと飲みましょう。
特に冷房の中で仕事をしている人は暑い屋外で仕事している方とは違い、胃腸含めて冷房でカラダが冷えてしまっていることがあるので飲み方には注意しましょう。
肉類・油っぽい物が好きな方も湿邪に注意
もう一つ梅雨時にとりすぎに注意した食べ物が
揚げ物などの『脂っこいもの』や
唐辛子などをたっぷり使った『辛いもの』です。
脂っこいものはカラダの中にドロドロしたものを作り出すと薬膳では考えます。実際に脂っこいものを取りすぎると血液の質は低下しますよね。
また、辛いものを取りすぎると体の中で過剰な熱が生まれて、カラダがジメジメだけでなく、熱帯雨林のように蒸し蒸ししてきて非常に厄介な状態になります。
このような、湿気に熱がくっついたタイプの「湿熱」(しつねつ)タイプは、ネバネバのウンチやニキビ、ノドの渇きや口臭などの症状が出てきてしまう、要注意な状態なのです。
メタボリックな方に非常に多い症状といえます。
メタボ気味の方は辛いものも、脂物も大好きですよね。
このような湿熱タイプにならないためには脂っこいもの、辛いものを控えるのはもちろん、先程も紹介した湿をとるキュウリやナス、ニガウリ、トマトなどを摂るようにしましょう。
梅雨ダルは体力を低下させ、夏バテの原因にもなります。
また、気温差、気圧変化で自律神経も梅雨時は乱れやすいので、できるだけ梅雨ダルを予防して体力をしっかりつけておき、自律神経が乱れないようにしましょう。
カラダは常に「カラッと」晴天の時のような状態が1番。
今回のシリーズでご紹介した梅雨ダル対策の養生を活用して少しでもカラダの除湿機をしっかり働かせて元気に過ごしましょうね。
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