見出し画像

弓アクション時代劇『フッド・ザ・ビギニング』を観た

観たのはもう何日も前なんだけど、風邪で寝込んでた間、1日だけ(というか半日だけ)嘘みたいに復活した日があって、調子に乗って映画を観に行ったらその後ずっと死んでた(今日も昼くらいまでは死人のようになっていた)

ので、普通にさっさと寝ろという話なのですけど、この映画割と好きだったのにあんまり動員は伸びていないらしく、今週末でどうか気になる方は観てくださいの気持ちで感想を書く。

とりあえず

・ハイスピード弓アクションに興味がある飛び道具好き

・水戸黄門とか大岡越前とか暴れん坊将軍みたいな時代劇が好き

・NTR耐性がある

人は観てほしい。


もうひたすらタロン・エジャトンの弓アクションを観る映画です。

ロビン・フッドのことはあんまり知らなくても大丈夫です。正直私もへろっと前知識も入れずに見に行ったので、頭の中でウィリアム・テルと悪魔合体していた。息子の頭の上にのせたリンゴを射た人じゃなくて、海外版ネズミ小僧をやった人の方です、ロビン・フッド。(ウィリアム・テルは『狼の口』だよ!アレは正確には主人公はテルの息子の方だけど)

歴史考証とかは、割とざっくりしています。

ロビン・フッド伝説自体が諸説ありすぎて、色んな時代の色んな人のエピソードの複合概念みたいなものなので、そこまで厳密に歴史に忠実感は出さずに、ふんわり美味しいところどりしている感じ。

衣装とかも格好よさを重視している感じ。多分この時代この格好じゃない気はするけど、まぁいっか!みたいなノリ。

ストーリーも、ロビンフッド伝説のいいとこどりで、史実の出来事のエッセンスを繋ぎました!という感じですので、あんまり詳しくなくても大丈夫な感じです。

深いことを考えずに、ただタロン君の弓アクションとジェイミー・フォックスのイケおじぶりを楽しみにする映画です。

多分ね、祖父母と一緒に水戸黄門とか暴れん坊将軍とか見て育ったタイプの人には刺さると思う!(つまりそれくらいわかりやすいざっくり歴史&勧善懲悪です)

ただ、NTRユルサナイ過激派の方の精神衛生には良くない要素があります。

以下、一応ネタバレ感想ですので、スクロールしてどうぞ。











ロビン・フッドが義賊になる前の物語、という感じの予告編でしたけど、映画の3分の2くらいはちゃんとロビン・フッドやってます。伝説にあるような、森に棲んでいる人ではないので(物語の最後に森に行く)「ビギニング」ではあるのだろうけど。

タロン君演じるロビンさんは、荘園の領主として何不自由なく暮らし、美女のマリアンと恋仲になってゆるふわに生活していましたが、十字軍に駆り出されて戦場へいき、上司にさからって帰ったら州長官が勝手にロビンを戦死したことにして領地を没収しており、恋人と荘園の皆さんは鉱山送りにされていました。

そこにジェイミー氏演じるイケおじジョンさんが現れて、「お前は敵だったけど息子を助けようとしてくれた良いやつ!だから領地を取り戻す手伝いをするぜ!」とロビンを弓矢の名人に鍛え上げ、義賊を始めました。

というのがざっくりあらすじです。

マリアンを探して鉱山に行ったら(ロビンは死んだことになっていたので)マリアンは新しい恋人のウィルとできていたり(ここでNTR地雷の人は一度死ぬ)

義賊をやる傍らで「実は生きてました~」と盗んだ金を使って州長官に取り入り「義賊なんてオレが賞金首にしてつかまえてやりますよ~」とドヤったり(賞金首は自分だし、賞金は盗んだ金だけどな!)するんですが

何でバレねえんだよ!とか(いや、元恋人は割と早い段階で気づいているんですけど)、州長官そんな理由で領主に嫌がらせしたんかい!(いや、十字軍に金を回すのに必要だったのはわかるんですけど)とか、色々ツッコミどころはあるんですけど、後からWiki調べたら割とこの辺「伝説のエッセンスを繋いだらこうなったけど、細かい整合性は気にするなよ!」という感じだったので、これは洋物の時代劇(ナンチャッテ史実)だと割り切りして観るものだな、と。

とにかく、弓矢でほとんどの敵を倒す。

この時代の戦場では、剣よりも弓の方がよほど有効な戦力であったわけで(肉弾戦の前に遠戦だもんね)ある意味剣でガチンコ勝負するよりは史実っぽいのかも?

物理的接触をしない限り、基本的にほぼ弓で戦う感じ。前からこようが後ろからこようがとにかく弓矢。矢が足りなければ敵に刺さったのを引っこ抜けばいいじゃない、ブシャー。

飛び道具の浪漫が詰まっている。

ここまで弓矢に偏ったアクションをする映画もそうそうないと思いますので、弓矢での戦闘をビジュアル的に観たいという方は、観て損はしないと思います。それくらい、弓アクションの点は満足。

ところで、マリアンはちゃんとロビンの元に戻って来るんですけど、そのおかげで特に罪はないけど(ロビンは死んだことになっていたので)結果的に当て馬になってしまったウィルは愛する人をロビンに奪われてしまうことになります(ここでNTR地雷の人は二度死ぬ)

コトが大きくなってくると急にチキンになったり、彼も恋人マリアンに愛想をつかされるダメポイントをいくつか披露してくれるんですけど、いうてロビンも最初はうじうじしていたのでウィルがふられてザマミロという気持ちにもならないのがまた……。

そのウィルが、敵側に寝返って新しい州長官として街の代表になるんですけど……。ロビンに恋人とリーダーの地位を奪われた恨みがあるとはいえ、元反乱分子の平民にその地位与えて大丈夫なのか?

ロビンが、州長官になったウィルがロビン・フッドの手配書を出すのを弓で射抜いて「大きな卓に座れよ」と不敵にわらってエンド。

ここで、ちょっと疑問なのが、本当にウィルは裏切ったのか、ということなんですよね。マリアンの心変わりが(というかよりを戻した)わかる前に、一度ロビンとウィルは和解しているんですよね。

だから、ウィルはロビンが計画した民衆蜂起に、民衆側で前線に立って参加している。

「大きな卓に座れよ」というのは、ロビンが領主として賄賂を渡して敵である州長官に取り入った時、州長官がロビンに対して言った言葉。

つまり「大きな卓に座れよ」=「敵の懐に入り込め」という意味ととれなくもない。

そして、ロビン・フッド伝説においてウィルという人物は2人いて、1人はロビンの甥(普通に仲間)、もう1人は「スパイをして捕まり、救出される」仲間なんですよね。

そうなると、失恋したのと街の指導者になる夢はくじかれたけど、ロビンの賛同者としてウィルがあえて枢機卿に取り入って、スパイとして州長官の座に収まった線もなくはない……。

続編があれば、その辺が判明するかもしれないけど、主に興行収入的な意味で続編が出るのかすごく微妙な気配がするので、気になった方はぜひ観てください。ワンチャンあるかもしれないだろ!

ぜひプロデューサーのディカプリオさんには太っ腹でマネーをご用意していただきたい。ワンハリ売れましたし!(全く違うジャンルの監督も制作国も違う映画を引き合いに出すんじゃない)


それはともかく、タロン・エジャトン、歌が上手くて(ロケットマンの時にピアノも弾いている)ガンアクションができて弓矢も習得しているの、どんなチートなんです?

異世界にいっても生き残れそうだね、タロン・エジャトン。





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?