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20代女性の【自分の負けず嫌いと、どう付き合えば】をコーチングするとしたら?

😞 今回は、相談者が「自分の負けず嫌いに振り回されている」事例です…🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#181

 20代の会社員女性です。人前で失敗することが嫌いで、負けず嫌いです。物心がついた頃から、「間違ってもいいから挑戦してみる」とは考えられず、完璧主義に近いです。学校のテストなどは、いかに陰でこっそりと勉強して、人よりいい成績を残せるかを考えていました。

 そんな性格なので、ちょっとしたことでも人と比べて、気疲れしてしまいます。米国人のパートナーとその友人らで、英語の言葉遊びゲームをしていた時も、私以外は英語を母国語として使っているので仕方ないのですが、負けることや手加減されることが気に入りません。親切心を素直に受け取れない自分にうんざりもします。

 「変なプライドは捨てろ」と聞いたことがありますが、私にぴったりの言葉です。でも、それがなかなかできません。勝ち負けは関係ない、間違っても大丈夫と、何事も割り切って取り組めたら、もっと楽しく生きていけるのに、と思います。どうすれば、負けず嫌いの性格と付き合っていけるでしょうか。(神奈川・J子)

(読売新聞2022年10月12日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者が話したい「困りごと」を受けとめ、まとめると

・物心がついた頃から、完璧主義に近い、負けず嫌いな性格で、ちょっとしたことでも人と比べて、気疲れして、困っている。

負けることや手加減されることが気に入らず、親切心を素直に受け取れない自分にうんざりもして、困っている。

「変なプライドは捨てろ」という言葉が、自分にぴったりだと思うが、それがなかなかできず、困っている。

▶︎「困りごと」を「願いごと」に転換して、話してもらうと

・勝ち負けは関係ない、間違っても大丈夫と、何事も割り切って取り組み、もっと楽しく生きていきたいが、どうすれば、負けず嫌いの性格と付き合っていけるかを知りたい。

▶︎ 相談者の「困りごとのパターン」を考えてみると

  • 願いごとが叶わない、願いごとが不明確

  • 相手(自分以外の他者)に振り回されている

  • 「負けず嫌いの自分」「完璧主義の自分」に自分が振り回されている

🚩 ①相手の困りごと、願いごとを受けとめたうえで、②次の質問や展開をしてみること、を考えました

・ご相談の内容から、1日24時間、365日、人との競争で、とにかく負けないためにがんばっていらっしゃるように思われて、周りの一人として、「もう、たいへんですね」と声を掛けてあげたい、という感じもします。

・今のあなたは、「完璧主義の自分」「負けず嫌いの自分」に、ご自分が振り回されているようにも見えたりするのですが、今のご自分の状況を、ご自分ではどのように捉えられていますか? 

あなたが思われる、より望ましい方向に変われたらいいですね。

・ところで、もし、友人の中にも、ものすごくあなたに似た人がいて、ものすごくあなたと同じような行動をしている人がいたとしたら、あなたには、その人のことがどのように見えて、どんなアドバイスをしてあげたいですか?

・あなたの今のような状況は、いつまでがまんできそうですか? その理由は、どんなことでしょうか?

・ここで、ちょっと変わった質問をしますが、あなたの「完璧主義」「負けず嫌い」の程度を、最高のレベルを10点、最低のレベルを1点としたとき、それぞれ、何点くらいですか? もし、10点でないとしたら、どのような理由で、10点でないのでしょうか?

また、ご自分としたら、「完璧主義」「負けず嫌い」の性格が、何点くらいになったら、ちょうど良さそうですか?

それくらいになったら、今と違う、どんなあなたになれそうですか? どのようないいことがありそうですか? できるだけ多く挙げてみてください。

・一方で、「完璧主義」「負けず嫌い」の性格も、それぞれがあなたの個性であり、長所でもあるのだと思いますが、その性格を弱めた場合、何か失いそうなものはありそうですか?

・もう一つ、別の視点からの質問ですが、あなたが「完璧主義」「負けず嫌い」の性格を発揮して、人と競争しているとき、どのくらい「相手の立場に立って考えてみる」「ものごとを相手の立場から見てみる」「相手の立場で、ご自分を見てみる」ということができていそうですか?

これも、最高レベルでできているを10点、最低レベルを1点としたとき、今のあなたは何点くらいですか?

そして、このような「相手の立場に立って考えてみる」「ものごとを相手の立場から見てみる」「相手の立場で、ご自分を見てみる」というようなことが、最低、何点くらいできたとしたら、とりあえず、あなたにとって、今よりも状況がよくなりそうですか?

そして、そのような点数になれば、具体的に、どんな良い変化がありそうですか? できるだけたくさん、考えてみてください。

・話は変わりますが、あなたは「完璧主義の自分」「負けず嫌いの自分」で、これまでずっと、がんばってこられて、そのために、これまでに得てきたものやことも、たくさんあると思います。

あなたが、これまでに得てきて、現在も得ることができているもので、これから先も、ずっと得ていたいもの、失いたくないものとして、どんなものがありそうですか?

・以上のようなことを、あれこれと考えたとき、もし、何の制約もないとしたら、あなたとしては、未来に向って、「どんな自分」になれたとしたら、理想なのでしょうか?

どんな自分になりたいのですか?

どんな自分でありたいのですか?

・そして、今回、あなたが決心されて、ご自身を、あなたが思うような良い方向に変えることができたとしたら、そのことによって、あなたの未来は、さまざまな人間関係、お仕事関係、パートナーとの生活、結婚生活、さらには、生涯にわたって、今のままの状況が続く場合と比べて、どんな違いがありそうですか?

・ご自分の性格や個性を変えることは、ちょっとのことでは、なかなか難しいかもしれませんが、あなたが望んでいる方向で、「とりあえず1点は上げたり、下げたりすることはできる」としたら、手始めとして、今日からでもできそうなこととして、どんな「すごく小さな試み」ならできそうですか?

・以上のようなことを、あれこれ自問自答してきて、どんなことを感じたり、思ったり、また、気づかれたりしましたか? どんなことでも、よかったら、お話しください。

✅参考:回答者(出久根達郎さん)の言葉です💖

性格を矯正するのは難しいでしょうから、意識を変えるしかありませんね。

 対抗意識を持たないことです。何でも人と張り合っていたら、それは疲れて当然です。常に勝ち負けを考えて行動していたら、ノイローゼにならない方が不思議です。

 勝つ者が優秀という観念にとらわれていませんか。そこにプライドが生まれ、そのプライドに苦しめられているのだと思います。

 とはいえ、負けず嫌いはあなたの美点でもあります。生かさない手はないでしょう。

 あなたは英語の言葉遊びゲームの例を挙げていますが、ゲームであっても自分の持ち味を発揮すべきでしょう。英語だから、母国語を話す人間にかなわないのは仕方ない、と言い訳をするのは潔くありません。雪辱を果たすべく、いっそう勉強に励むのが、真の負けず嫌いというものではありませんか。

 あなたは思いがけず自分の弱点をさらすことになり、それでイライラしているのだと思います。要は気の持ちようだと思います。

(読売新聞2022年10月12日)

💟新聞の人生案内の回答は一種のティーチングに当たると思います。「本人から本人の答えを引き出す対話」としてのコーチングとの違いがよく分りますので、コーチングが、より社会に認知される一助になればと思います。


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

 😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たすと幸せ感が増ず基本的欲求(ニーズ)

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい。人間関係、結びつき、親密、メンバーの一員など)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい。コントロール、達成、競争、影響力など)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい。自立、移動、選択、創造など)

  • 楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい。面白い、喜び、笑い)

  • 生存の欲求(生存に必要なことを満たしたい。安心、安全、健康、生殖など)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理 
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って、自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・効果的な行動を選択するために、「自分が満たせていない基本的欲求(ニーズ)が何か」を、自分に問いかけましょう。

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていること、に気づきましょう。


🌻 外的コントロールをやめて、人間関係を近づける
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受けとめると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・いやがる相手を変えよう(コントロールしよう)としても、相手の抵抗を生み、相手との人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・(本人を外側から変えようとして)相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受けとめる、尊敬する、意見の違いについて交渉する、などの行動です。

・「人間関係を害する行動」をやめましょう。具体的には、強制する、批判する、責める、脅す、文句を言う、ガミガミ言う、罰を与える、ほうびで釣る、などの行動です。

🌻 「一番気になる人間関係」に気づいて、関係を改善する

・「今、自分が1番気になる人間関係は誰か」を、自分に問いかけましょう。

・「2番目に気になる人間関係は誰か」を、自分に問いかけてみましょう。

それらの人との関係で、現時点で、自分の基本的欲求(ニーズ)がどの程度満たせているか、叉は、満たせていないか、を考えてみましょう。

・外的コントロールを相手にしたり、相手からされたりして、反応しあい、自己防衛のための行動を取り合っているときは、自分も、相手も、それぞれの心の中の大切な基本的欲求やニーズ、価値観に、目が向けられていないこと、に気づきましょう。

・自分の大切な基本的欲求やニーズ、価値観が何かに気づいて、それを満たせる行動をとりましょう。

・自分の中の基本的欲求やニーズや価値観が満たせるような相手の具体的な行動を、相手にとってくれるようにリクエストしてみましょう。

🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動や反応(抵抗、攻撃、逃避など)も、自分のと同じく、相手が本人の基本的欲求やニーズや価値観を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。

相手も、あなたとの関係で、相手のどのような基本的欲求やニーズ、価値観が満たせていないか、について考えてみましょう。

・相手の大切な基本的欲求やニーズ、価値観を考えてみて、相手がそれを満たせるように、「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し、貢献しましょう。

・相手が相手の基本的欲求やニーズ、価値観を満たせるような、自分にリクエストしたい具体的な行動が何かあるか、を相手に聞いてみましょう。

 
🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手(職場、グループ)との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない)関係でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)を考えてみましょう。

そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのか、考えてみましょう。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、心理的な症状、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指します)

そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。

・いやがるもう一人の「自分」を無理に変えようとしても、「自分」の抵抗を生み、自分の「自分」との関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・辛い思いをしている「自分」は、どうなりたい、本当はどうありたいと望んでいるのか、「自分」の心の声を聴いてみましょう。

・もし、第3者が「今の自分」の状況だったら、自分は「その第3者」の状況をどのように考え、どんなアドバイスをするか、を考えてみましょう。

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切な基本的欲求やニーズ、価値観が何か、を考えましょう。

・もし、自分の願いが実現したら、今とどう違ってくるか、そのときは、今と違う何をしているかを考えてみましょう。

🌻 現在とっている行動の自己評価と、これからの行動プラン
・自分が願っていることを実現するために、今どんな行動をしているか、それを続けていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるか、を考えてみましょう。

・「願いごとを実現するために、今、自分はどんな行動をとっているか」
「今している行動を続ければ、願いごとや欲求が満たされるだろうか」
という、自分の行動や状況の「自己評価」を口癖にしましょう。

・「もし願いが実現したときは、今と違うどんな行動をするだろうか」という具体的な行動を考えてみて、それらを先どりしてやりましょう。そして、どんな変化があるかを見てみましょう。
 

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