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20代女性の【私の陰口?転職も考える】をコーチングするとしたら?

😥 今回は「職場での部下の陰口に振り回されている」事例です……🙂行動の選択理論でコーチング人生案内#157

 20代の会社員女性です。職場の人間関係で悩んでいます。今春から異動で役職につき、20人ほどをまとめるリーダーのような役割をしています。

 経験豊富な年長者よりも私の方が立場が上ということで、最初はうまくコミュニケーションが取れず、苦労しました。最近は、ある人とコミュニケーションを取れるようになり、相談を持ちかけたり、意見を聞いたりして、それなりにうまくやっていると思っていました。

 しかし、その人は私に不満があり、陰口や暴言を吐いていたと、人づてに聞きました。頼りにしていた分、ショックを受けました。私の力不足などでストレスがたまっていたのかもしれません。一方で、裏でそういうことを言う人は信用できないし、一緒に働きたくないとも思います。

 色々な感情が出てきてしんどいです。転職も視野に入れています。割り切った方がいいのでしょうか?(京都・O子)

(読売新聞2022年8月20日)

✅次のようなプロセスで、相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました💦


▶︎ 相談者の「困りごと」をまとめてみると

・若くして、20人ほどのリーダーになり、年長者とコミュニケーションに苦労していたところ、ある人に相談や意見を求めることができるようになり、うまくやっていけてると思っていた。

・しかし、その人は自分に不満があり、陰口や暴言を吐いていたと、人づてに聞き、頼りにしていた分、ショックを受けた。自分に不満があったのかもしれないが、裏でそういうことを言う人は信用できないし、一緒に働きたくないとも思う。

・色々な感情が出てきてしんどく、転職も考えるなど、どう対処したらよいのかで、迷って、困っている。

▶︎ 相談者の「困りごと」を「願いごと」に転換してみると

・色々な感情が出てきてしんどく、転職した方がいいのか、割り切った方がいいのか、自分がどうすればよいのかについて、方向性を知りたい。


▶︎ 相談者の困りごとのパターンを考えてみると

  • 願いごとが叶わない、願いごとが不明確

  • 相手や状況に振り回されている

  • かっとうに悩んでいる


🚩 以上をふまえて、次の質問や展開を考えました

・あなたは今、現在の状況に振り回されているように見えますが、もし、何の制約もなかったとしたら、あなたは、何がどうなったら、誰がどうなったら、自分がどうなれたら、自分がどうあれたら、あなたにとって、理想の状態なのでしょうか? 

・あなたは、具体的に、どういう状態になることを望んでいるのですか?
できるだけくわしく、あなたの願いごとを、挙げてみましょう。

・仮に、今の職場やあなたの状況が、ある程度改善が見込まれるとしたら、それでも、転職は考えたいですか? 

仮に転職されたとして、転職先で、今と同じようなことが起こる可能性は、どのくらいあるでしょうか?


・ところで、もし、その人に、何の制約もなく、言いたいことが言えるとしたら、どんなことを言いたいのですか? そして、もし、相手の方が、「あなたの言いたいことはわかった。今後できるだけ、そのような形で協力する」と言ってくれたとしたら、あなたは、それによって、あなたが本当はほしかった、どんなこと(もの)が得られますか?

・逆に、あなたにとっては、たいへん、しんどいことかもしれませんが、相手の方に、「遠慮はいらないから、どんなことでも、私にいいたいことを話してください。私にできるだけのことは、その方向で努力したいと思います。これまでも、あなたに相談できたり、意見がもらえて、本当に助かっています」と話したとしたら、相手の方は、あなたにどのようなことを話されるでしょうか。

そのうちに、実際に聞いてみられてもいいと思いますが、とりあえず今は、相手の立場になってみて、思いつくことを挙げてみてください。

・相手の方や、他の年長者の方は、今の職場を辞めたいと思っていますか?

・あなたも、今の職場を、本当に辞めてしまいたいと思っていますか?

・年長者の方や、あなたも、本当は、もっとよい雰囲気の働きやすい職場になったらいいと思っていませんか。「もっとよい雰囲気の働きやすい職場」にしたい、という願いについては、共通のものがありませんか?

・「相手の方が裏で何か言っているかもしれない」ということは、それはそれとして、「異動でリーダーになったときの状況」と「今の状況」を比較したとき、どの程度の進歩があったのですか? 

また、そのような進歩が、これからも順調に続くとしたら、1年後は、職場はどのような状況になり、あなたは、どのようなリーダーに成長できている可能性がありますか?

・「割り切った方がいいのかも」というお気持ちもあるようですが、「割り切る」というのは、具体的に、あなたが何をどうすることなのでしょうか?

できるだけ具体的に、考えて見てください。


あなたが、「完全に割り切る」ということは、難しいかもしれないし、時間がかかるかもしれませんが、「割り切ったふりをしてみる」ということで、何かご自分ができそうなことをいくつか試してみることはできそうですか?

もし、そのような「割り切ったふり」が1か月くらいでも、続けられたとしたら、状況は何か変化がありそうですか?

・これからのあなたの未来に向って、そのような「割り切ったふり」ができる自分になれたとしたら、何か、今の自分と変化が起きてきそうですか?

・もし、「割り切ったふり」をするのが、自分に合わないのだったら、本当に「割り切って、行動する」を実践する選択もできるでしょう。

・その場合も、うまくいけば、どのような変化が見込めそうですか?

・そのように「割り切ったふりをして対処する」とか、「本当に割り切って対処する」とかを試してみて、マイナスになることはありそうですか?

・今回のことは、たいへんでしょうが、もし、うまくいけば、あなたが未来に向って、末永く役に立てていけそうな、どんな学びや経験ができそうですか? できるだけ、いろいろ、挙げてみてください。

・上のようなことを考えてみられて、どんなことに気づかれました?


✅参考:回答者(藤原智美さん)の言葉です💖

  若いながら、経験豊富な人たちの中で慣れない仕事をこなしていくのは、さぞ大変でしょう。まずは自分をねぎらってください。

 私が気になったのは、みんなより立場が「上」というあなたの意識です。部下をきちんと統率できるリーダーでありたい、との考えが少しでもあるなら、今はとりあえず忘れることです。

 求められているのは、上からみんなを指揮するのではなく、全体を円滑に束ねていく、いわばまとめ役です。立場は平等、与えられた役目が、ほかの人と違うだけと考え直すと、ずいぶん楽になりますよ。

 仕事上の会話も「相談する」ではなく、配属されたばかりの「新人」という気持ちで「教わる」という謙虚な姿勢が、当面は必要です。

 その上で、あなたへの不満をかげで口にしている当人から、直接、問題点を聞き出すことです。人づての話をうのみにせず、相手の話に冷静に耳を傾け、自分自身で確かめる姿勢は、今後とも必要です。そこからコミュニケーションの改善点を探してください。

 その努力さえなく転職しても、新しい職場でうまくいくとは思えません。これをいい勉強と思い、くじけず立ち向かってください。

(読売新聞2022年8月12日)


✅ 以下、選択理論コーチングの補足です。

                😋 筆者独自の見解や表現も入っています.

1,相談者が満たせると幸せ感が増えそうな基本的欲求

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)


2,選択理論コーチングの基本的な三角モデル


3,今回使った「選択理論の考え方のエッセンス」

🌻 選択理論の第1の原理
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

🌻 選択理論の第2の原理
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

🌻 選択理論における「人間関係」の重要性
人の長期にわたる心理的な問題(悩み、不幸感)の大部分は、その人が、現在の重要な人間関係で、満足できる関係を持てていないことに原因がある。

・人は、現時点で、一つ以上の満足できる人間関係が持てていなければ、幸せな生活を送れない。逆に、一つ以上の満足できる人間関係を持つことができれば、今よりも幸せになれる可能性がある。

🌻 外的コントロールと人間関係
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受け入れると相手は近づいてくる」ということを理解しましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を生み、人間関係が遠ざかるだけ、と考えましょう。

・相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

🌻 「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 
🌻 相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足
・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
 
・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。
 
・「人間関係を育む行動」を習慣にしましょう。具体的には、傾聴する、支援する、勇気づける、信頼する、受け容れる、尊敬する、意見の違いは交渉する、などの行動です。
 
🌻 自分の「現状の知覚と願望」
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入って)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

🌻 相手との人間関係(具体的やりとり)の願望-人間関係の距離感
・自分は相手(職場、グループ)との関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

・相手(職場、グループ)はあなたとの関係で、未来に向って、どのような距離感で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(立ち対置をどこにするのか)、そして、そうであることによって、相手(職場、グループ)は自分とどのような関係を得たいのかを考えましょう。

🌻 自分の「自分」との関係
・もう一人の「自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、もう一人の「自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。
(注:ここでいう「自分」は、自分の気分や感情、喪失感、記憶、思い込み、もう一人のダメな自分、完璧主義の自分などを指すものとします)

🌻 自分の欲求充足
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

🌻 現在とっている行動とこれからの行動プラン
・自分が願っていることのために、今どんな行動をしているか、それをしていて実現できそうか、どんな新しい行動ができるかを考えてみましょう。
 

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