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✅10代女性【母が父を無視 もう疲れた】を選択理論でコーチング人生案内#145

◇今回は、中学生の女の子が「仲の悪い両親に、振り回されて困っている」という事例です。

 中学生の女子です。父と母があまり良い関係ではありません。父が母に話しかけても、母は9割無視します。最も気まずいのは食事の時間で、私は10秒に1度、母の顔を見て機嫌をうかがい、父の話に応じなければ、代わって返事をしています。

 しばらく両親の機嫌取りをしてきましたが、もう疲れました。母に父との関係を聞いても、曖昧に返答するばかりです。

 両親のことを考えると自然に涙が出て、毎晩部屋で泣いている時もありました。友達が少なく、先生ともあまり話さないので、悩みを打ち明ける人がいません。

 両親ともに優しく、大好きです。もし離婚するならば、お互いが納得する形で別れてほしいと思います。一方で、2人の関係が崩れてしまうことへの怖さもあります。この悩みの解決には両親と私で話し合うしかないと思います。勇気をください。(大阪・N子)

(2022年8月3日読売新聞朝刊)

【相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を、次のように、考えてみました】


1,相談者の「困りごと」をまとめてみると

・父が母に話しかけても、母が父の話を9割無視し、自分が二人の機嫌取りをしてきたが、もう疲れた。毎晩、部屋で泣くこともあり、困っている。

・友達が少なく、先生ともあまり話さないので、悩みを打ち明ける人がおらず、困っている。

・優しくて大好きな両親が、離婚するならば、納得する離婚をしてほしいが、一方で、二人の関係が壊れてしまうのが怖くて、困っている。

2,相談者の「困りごと」を「願いごと」に転換してみると

・父と母の関係が改善してほしい。離婚しないでほしい。

・両親が離婚するならば、お互いが納得する形で別れてほしい。

・悩みを打ち明けられる人がほしい。

3,【相談者の困りごとのパターン】を考えてみると

  • 相手や状況に振り回されている

  • 願いごと(両親の関係が改善してほしい、相談できる人がほしい)が叶わない


4,以上をふまえ、次のような質問や展開を考えました

・自分のこと以上に、両親のことをいつも気にかけているやさしい方だと思います。「ご両親の関係」にいつも振り回されていて、いつも緊張し、心が傷ついている、という状態が続いているようですね。今回は、よく勇気を出して、相談にこられました。

・シビアな質問ですみませんが、あなたとして、いつまで、今の状態をがまんできそうですか? また、今の状況がこのまま続くと、どうなりそうな感じですか? 

・ところで、人にすごくやさしそうなあなたですが、もし、ご自身が、「ご両親の関係に振り回されない自分」になれたとしたら、「両親は両親」、「自分は自分」というふうに割り切ることができる自分になったとしたら、あなたは、どういうことを本当はしたいのでしょうか、また、どんな自分になりたい、どういう自分でありたいのでしょうか?

・また、もし、仮に、お母さんが、「どんなことでも言っていいよ、聞いてくれていいよ」と言ってくれたとしたら、お母さんに、どんなことを言いたいですか、また、聞いてみたいですか、リクエストしてみたいですか?

・また、もし、仮に、お父さんが、「どんなことでも言っていいよ、聞いてくれていいよ」と言ってくれたとしたら、お父さんに、どんなことを言いたいですか、また、聞いてみたいですか、リクエストしてみたいですか?

・お母さんのことは、最終的にはお母さんが決め、お父さんのことは最終的にはお父さんが決め、ご両親のことは、最終的にはご両親が決めることだと、あなたも承知されているように思いますが、それはそれとして、あなたはあなたとして、自分がお母さんに、また、自分がお父さんに、そして、ご両親に期待していることを伝えてみることは、それが、お二人に受け入れてもらえるかどうかはともかくとして、とても大事なことだと思います。

・もし、できるなら、あなたが、どちらか話しやすい方から、お一人づつ、じっくりと、自分の気持ちを伝えてみることが大事かもしれませんね。そのような話の中で、「あなたが二人の間を取り持ってくれていること」をご両親は、とても感謝していると伝えてくれるかもしれませんね。

また、じっくりと、お一人づつと話をする中で、あなたができそうなことも見えてくるかもしれません。

・今回相談されてみてどうでしたか? どのような形でもよいと思いますが、どなたか、信頼できる大人の方と相談されることは、とても大事なことだと思います。

今回の経験を第一歩に、できれば、信頼できる大人の方と相談しながら、勇気を持って、あなたができそうなことを、小さな所からでも、進めてみてください。

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【参考:回答者(大日向雅美さん)の言葉です】

 両親が 仲違なかたが いしている姿を間近に見るのは、どんなに不安で切ないことでしょう。あなたが両親の離婚や別居を想定して胸を痛めていることにいたたまれない思いです。

 ただ、この問題は子どものあなたが介入して解決できるものではないように思います。夫婦には夫婦にしか分からない事情もあります。会話を避けている理由を問われて、お母様が答えを濁したのは、あなたには聞かせられないわけがあるのかもしれません。

 これ以上、2人の顔色をうかがって間をとりもつことはやめておきましょう。勉強や好きなことに没頭する時間をできるだけ増やすなどして、ご自分の心を守ることに努めてほしいと思います。自分を大切にして初めて、他者を思いやることができると言います。ご両親のことを心配する気持ちは大切ですが、振り回されてはいけません。

 あなたの気持ちを正直に伝えておくのは良いでしょう。「大好きな2人が今のような状態でいるのはとてもつらい。離婚や別居をしたらと考えると不安で、誰にも相談できなくて一人で泣いている」と。それを聞いて、ご両親がどうなさるか、3人の話し合いはそこから始まるかもしれませんね。

(2022年8月3日読売新聞朝刊)


【以下、選択理論コーチングについての補足】

1,今回の相談者が満たせると、幸せ感が増えそうな基本的欲求

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)


2,選択理論コーチングの三角モデル


3,今回の事例で使った「選択理論心理学の考え方」

<選択理論の第1原理>
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

<選択理論の第2原理>
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

<「外的コントロールの心理」を「内的コントロールの考え方」へ転換>
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

<自分の「自分」との関係>
・「もう一人の自分」も、「自分なりに精一杯がんばっているんだ」と考えましょう。そして、「もう一人の自分」の心の声を聴き、応援者として励まし、勇気づけてあげましょう。

<自分の欲求充足>
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。


今回は、以上です。ここまで読んでいただき、ありがとうございました。


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