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✅50代女性【義父母に恨み 介護イヤ】を選択理論でコーチング人生案内#148

😖 今回は、相談者が「かっとうで困っている」事例です……🙂

 50代の女性。子ども2人は独立し、夫と義父母の4人暮らしです。同居して30年。円満な生活だったとは言えず、誰の介護もしたくありません。

 休みなく家業を手伝っても無給。子どもの学費のために外で働くと、家事をおろそかにしたとどなられました。義父母には、学歴や容姿、家柄など、すべてが残念な嫁をもらってやったとの気持ちがあるよう。それゆえ、夫が不倫した時も私が責められました。当然、夫には何も相談できず、そもそも信頼できません。

 謝れとか、反省しろとかは言いません。この年で離婚しても仕方なく、義父母と暮らしていたから子どもを人並みに育て、最低限の生活ができたとの思いもあります。

 とはいえ、やりきれない恨みがあり、もう何かしてあげたいとは思えません。今後、義父母の介護が想定されますが、手を貸さなければいけませんか。(香川・U子)

(2022年8月6日読売新聞朝刊)

【相談者の答えを引き出す質問、コーチングの展開を考えてみました】


1,相談者の「困りごと」をまとめてみると

・30年同居している義父母のこれまでの仕打ちに対してやりきれない恨みがあり、夫は信頼も相談もできない人で、義父母と夫の介護をしたくなく、もう、何かしてあげたいとは思えなくなっている。その一方で、今後、介護が想定される義父母に手を貸さなければならないのかという思いがあり、かっとうに、困っている。

2,相談者の「困りごと」を「願いごと」に転換してみると

・今後、想定される義父母の介護はしたくないが、手を貸さなければいけないのではないかという、かっとうがあり、心の整理を付けたい。(推測)

3,【相談者の困りごとのパターン】を考えてみると

  • かっとうに悩んでいる


4,以上をふまえて、次のような質問や展開を考えました

・やりきれない恨みがある義父母と、信頼できない夫との4人暮らしで、これまで精一杯、家業や家族のために尽くしてきたのに、それを義父母には認めてもらえず、精神的に、本当にお辛い、孤独な立場でがんばって来られ、子供を立派に育てられてきたと思います。

子供も無事独立され、あなたの人生のステージも変わり、今がこれからのあなたの人生をもう一度デザインし直す、そんなタイミングなのかもしれませんね。

・それで、今日ご相談をされて、相談が終わったときに、あなたとして、どのようなことが、はっきりすれば、相談された甲斐があったと思われますか?

・もし、あなたのこれからの生活や人生について、まったく、何の制約もなかったら、本当は、どういう生活を今後送りたいと思われているのですか? 具体的に、どんな自分になりたい、何を手に入れたい、どんな自分でありたいと思われているのですか?

・また、家業の相続のことなどを含めて、今から10年後とか、20年後とかの状況はどのようになっていそうですか? あなたとしては、どのような状況になっていることを望んでいらっしゃるのでしょうか?

・何もかもがあなたの思いどおりになることはないでしょうが、あなたが、ご自分の自由に行動できる領域では、どうしてもこうしたい、こうありたいと決心されれば、義父母も夫も、あなたの決心を変えることはできないと思います。

・そして、もし、今後のあなたの人生で、ご自分の決心と行動次第で、あなたが手に入れたいものがある程度手に入ったとしたら、あなたのご両親や夫に対する思いは、何か変化がありそうですか?

・ところで、義父母の介護のことですが、ヘルパーや、介護サービスも利用しながら、義父母や夫が何をあなたに要求したとしても、あなたご自身として、例えば、最低限、これだけすれば、自分の気持ちが軽くなるとかというレベルはどんなものなのでしょうか? それとも、とにかく、一切、どんな世話をするのも嫌で、世話をさせられるくらいなら、別居や離婚する、というお気持ちなのですか?

・つらい同居生活を長年続けてこられてたいへんだったと思いますし、いろいろと変わってほしいことがたくさんおありだと思いますが、ちょっと視点を変えて、改めて考えてみたとき、つらいながらも、今の生活で得られているものにはどんなものがありますか? 今のままこれから先もずっと続いてほしいこと、これから先も失いたくないものやことがあるとしたら、どのようなものがありますか?

・一方で、今はあなたが介護するという立場で考えていらっしゃいますが、仮にあなたが何らかのご病気や事故で、逆に、あなたの方が先に介護が必要な状況になったとしたら、そのときは、義父母や夫は、どのような態度をとられるでしょうか?

変な質問かもしれませんが、最大限の配慮やケアをしてくれるを10点とし、全く何もしてくれないを1点としたら、何点位になりそうですか?

 仮にその点数が2点以上だったとしたら、どういう理由でその点数をつけられましたか? また、どうして、その点数以下の点を付けられなかったのでしょうか?

・また、仮に、お子さん達に、あなたの思いを相談されたとしたら、お子さん達はどのような反応をされると思いますか?

お子さん達にとっては、義父母はどのような方達だったのでしょうか? また、ご主人はどのような父親だったのでしょうか? お子さん達は、義父母やご主人と、今後もどのような関係でありたいと願っていそうですか?

・不十分かもしれませんが、以上のような視点から、いろいろ考えてみられたとき、あなたは、今後の義父母と夫との人間関係において、どのような「立ち位置」を守りたいと思われましたか? そして、その立ち位置で、どのような行動をとられたいと思いますか? さらに、その立ち位置で、最大限、義父母や夫にサービスするとしたら、どのようなことならしてあげてもいいと思われるでしょうか?

そして、そのように、自分の立ち位置を決め、自分がしたい振る舞い方、行動ができるとしたら、今のあなたのお気持ちには、どんな変化がありそうですか? 

・以上のことから、どのようなことに気づかれましたか。どんなことでも、お話しいただければと思います。

(今回は以上です)


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【参考:回答者(最相葉月さん)の言葉です】

 あなたが婚家で受けてきた仕打ちに胸が痛みます。誰の介護もしたくないという気持ちになっても仕方がない。嫁は介護要員ではありません。これからは知恵を絞って存分に闘っていただきたいと思います。

 ただ闘う相手を間違えないように。義父母の介護は夫とそのきょうだいに責任があります。そこをまずはっきりと夫に伝えましょう。これは相談ではなく宣戦布告です。夫が信頼できる人かどうかは関係ない。私は知りませんよ、という態度表明です。

 逆上されるかもしれませんが大丈夫です。たとえ離婚になっても、原則として財産の半分は妻のもの。年金も分割されます。義父母と同居しながら家業を無給で手伝い、夫に不倫されても2人の子どもを育てあげたあなたはただ者ではない。自分には帰る場所がなく、ここで生きるしかないという覚悟があなたを 逞たくま しくしたのでしょうか。あなたには、ご自身が思うよりずっと生きる力があります。

 婚家にはもう十分尽くしました。これからはご自分のために生きてください。もし夫が頭を下げてきたら、その時初めて温情を施せばよいのです。お子さんたちはあなたの援軍ですよ。

(2022年8月6日読売新聞朝刊)


【以下、選択理論コーチングについての補足】

1,今回の相談者が満たせると、幸せ感が増えそうな基本的欲求

  • 愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)

  • 力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)

  • 自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)

  • 楽しみの欲求(楽しみたい、学びたい、追求したい)


2,選択理論コーチングの三角モデル


3,今回の事例で使った「選択理論心理学の考え方」

<選択理論の第1原理>
・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。
 
・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

<選択理論の第2原理>
・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。(影響は与えられるが、相手を変えることはできない。「相手が自ら変わることを決める」と考える)

<外的コントロールと人間関係>
・「自分の正しさを押しつけると相手は反発するか逃げる」、「相手の考えを受け入れると相手は近づいてくる」という関係があることを理解しましょう。

・相手との関係が良くなると、こちらのリクエストも聞いてくれやすくなります。

・相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

<「外的コントロールの心理」から「内的コントロールの考え方」に転換>
・変わろうとしない相手(変えられない状況、環境)に、自分が振り回されていることに気づきましょう。

・自分は自分なりに、相手は相手なりに、それぞれが「精一杯の行動」をしていると考えましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 
<相手の内的コントロールと行動、願望、欲求充足>
・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
 
・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。
 
 
<自分と相手の「現状の知覚と願望」>
・自分は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入って)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

・相手は今、人生やキャリアのどのようなステージにいて(入って)、未来(次のステージ)に向って何を望んでいるかを具体的に考えてみましょう。

<自分と相手の「人間関係(具体的やりとり)」の願望-「自由域」としての人間関係の距離感とやりとり>
・自分は相手(職場、グループ)との関係で、未来に向って、どのような距離間で、具体的にどのようなやりとりができる(叉はしない関係)でありたいのか(自分の立ち位置をどこにするのか)、そして、そうであることによって、自分は相手とどのような人間関係を得たいのかを考えましょう。

<自分の欲求充足>
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。


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