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✅60代女性【夫のそしゃく音 腹が立つ】を選択理論でコーチング人生案内#95

「60代の女性。夫が汚くて大きいそしゃく音を頻繁に出し、左手は使わず、熊のように丸まって食事をします。注意すると、「急いでいて音が出た」「背中が痛くて」など、その場しのぎの言い訳をし、30秒後に同じことを繰り返します。」

 あまりにひどいので動画に撮って見せようと試みましたが、真面目に聞いてもらえません。同じ時間に食事をするのをやめようとしても激怒されます。

 育児や仕事で忙しかった頃は目に入りませんでしたが、ここ数年、気になって我慢できません。食事中に限らず、夫はいつもふざけた言い訳ばかりで、何一つ真面目に考えてくれません。 些細な悩みと思われそうですが、夫の思考や生き方がこの対応に表れていて、腹立たしくも情けなくもあり、この先どう過ごしていくか途方に暮れます。病気になりそうです。(岩手・T子)

(2022年4月22日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・夫が、大きな咀嚼音を頻繁に出し、左手を使わず、食事をするのを、注意しても、やめようとしないのが、不快で、がまんできず、困っている。

・同じ時間帯に食事をするのをやめようとすると、激怒するので、困っている。

・夫は、自分がいうことを、いつもふざけた言い訳をして、何一つまじめに考えてくれず、そのような夫の思考や生き方が、腹立たしく、情けなくて、困っている。

・このような夫と、この先、どう一緒に暮らしていくか、途方に暮れて、病気になりそうで困っている。

相談者の「願いごと」

・夫には、咀嚼音を出さず、また、左手も使って、姿勢良く、食事をしてほしい。

・食事のときの不快な態度を直す気がないのであれば、こちらが食事時間をずらしても激怒しないようにしてほしい。

・夫には、自分がいうことに、ふざけた言い訳をせず、もっとまじめに取り合ってほしい。

・こんな夫と、上手に、この先ずっと過ごしていく方法があれば知りたい。(推測)。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。
②「いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を
生み、人間関係が遠ざかるだけ」と考えてみましょう。


③「相手が満たせていない、相手にとって大事なニー
ズや価値観が何か」を考えてみましょう。
④「相手が自分に求めている行動で、自分がしてあげ
られるものがあれば、積極的に協力し貢献しよう」
と考えてみましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・夫には、咀嚼音を出さず、また、左手も使って、姿勢良く、食事をさせたい(相手を変えたいが、変わってくれなくて困っている。変わろうとしない相手に自分が振り回されている)

・「食事時間をずらそうとすると激怒する夫」に自分が振り回されて困っている。

・「自分の言うことに、まじめに取り合ってくれる夫」に変えたいが、変えられなくて困っている。(「自分の言うことに、まじめに取り合ってくれない夫」に自分が振り回されて困っている)

・「こんな夫と、上手に、この先ずっと過ごしていく方法」を知りたいが、わからなくて困っている。
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(佐貫葉子さん)の言葉】

相手の食事の仕方に嫌悪感を覚える、さらには生理的に耐えられないという悩みは珍しくはありません。こういうときは、根本にご夫婦間の感性や考え方の深い溝があることが多いのです。あなたが気付いているとおりです。決して些細な悩みではありません。

 食事の仕方に限らず、ご夫君にとってあなたの不満は、右の耳から左の耳へと受け流すもの。それが習慣化してしまっているようですね。ほとんど本気で受け止めようとしていません。

 この状況を打破するには、まずは食事時間を別にする他ないように思います。そうするとご夫君が激怒すると言われますが、そのくらいのショックがないとご夫君の態度は変わらないのでは。あなたが、真剣に「私が病気になる(ぐらい嫌)」か、「一人で食事をする」のどちらかを選べと問えば、さすがにご夫君も何か気が付くところはあると期待します。

 今後、お二人で向き合って過ごされる時間は長いでしょう。仕事や子育てに追われていた頃より、難しいかもしれません。これまでどおりでは済まないこともあるのだとご夫君に理解してもらうのには、よいチャンスかもしれませんよ。気を入れて頑張ってみてください。

(2022年4月22日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・もし、ご主人が、あなたの期待通りに変わってくれたとしたら、そのときは、今と違って、どのような夫婦の生活や生き方ができそうですか。ご自分も、どのような自分に変わることができそうですか。

・ご主人に対して、色々な不快感を感じるとき、あなたの中で、どのような大切なニーズや価値観などが満たされていないために、強い不快感を感じるのだと思いますか?

・一方で、ご主人もあなたとのやりとりで、何かご自分の大切なニーズや価値観が満たされなくて、今のような態度をとられているのだとしたら、ご主人は、ご夫婦の関係で満たしたい、どのような大事なことが、今は満たせていないと思われますか。

・もし、ご主人の方でも、奥さんとの関係を人生相談されたとしたら、あなたとの関係でどんな大切なことが今満たせていないと話されそうですか? そして、どんなことをあなたに望んでいると話されそうですか? また、どんな家庭になることを望んでいらっしゃるのでしょうか?

・今のご夫婦の関係について、10点満点で点数を付けるとしたら、何点を付けますか? また、ご主人が点数を付けられるとしたら、何点を付けられると思いますか?

・もし、「ご主人があなたにしてほしいこと」をあなたがしてあげて、一方で、「ご主人があなたにしてほしくないこと」をあなたが止めるとすると、ご主人の気分は、今と比べてどうなりそうですか?

・また、逆に、「あなたがご主人にしてほしいこと」をご主人がしてくれて、「あなたがご主人にしてほしくないこと」をご主人がやめてくれるとしたら、あなたの気分や、ご主人に対する考え方は、今とどのように違ってきそうですか? そのときは、あなたのご主人に対する態度や対応の仕方も、今と何か違ってきそうですか?

・ところで、あなたにとって、「あなた自身がご主人への対応を改善できるところで改善すること」と、「ご主人のあなたへの対応を改善させること」のうち、その成果はともかくとして、どちらの方がやりやすいですか? (自分が変わることと、相手を変えることのどちらの方がやりやすいですか)

・そして、もし、「あなたが歩み寄れば、ご主人の方からも歩み寄ること」がわかっているとしたら、とりあえず、手始めに、どんな小さなことから、歩み寄れそうですか?(どんなことなら、あなたにとってハードルが低そうですか)

・あなたとご主人の間で、本当は、どんなコミュニケーションが必要とされているのだと思われますか?

・あなたとご主人の関係について、二人ともが、10点満点で8点くらいを付けることができる状態になったとしたら、そのときは、「夫の咀嚼音」に対するあなたの感じ方は、少しは今と違ってきそうですか?

・今まで、話されてきて、どんなことに気づかれましたか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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