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✅20代女性【部活で育てたスイカの恨み】を選択理論でコーチング人生案内#111

20代の女子大学生。食の恨みは恐ろしいと言いますが、自分がこれほど根に持つ人間だとは思いませんでした。

 中学3年生の時、部活動の延長で、スイカを栽培しました。種や肥料は自費で購入。土作りから種まき、草取りまでは1人で行い、小さなスイカを実らせました。間もなく部活を引退。受験で頭がいっぱいになって、スイカ栽培を放置し、その存在も忘れていました。

 ところが、ある時、部活を紹介する写真を見て、あぜんとしました。部活の顧問の先生と後輩の計3人が、楽しそうにスイカを食べている姿が写っていたのです。私には何の連絡も断りもありませんでした。とても腹立たしかったのですが、その時は事を荒立てたくなかったし、途中で栽培をほったらかしていたこともあり、黙っていました。

 どうでもいいことなのですが、今も時々その写真を思い出して、恨めしい気持ちになります。この恨みをどう晴らしたらよいのでしょうか。きっぱり忘れたいです。

(2022年5月31日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・中学3年の時、自費と自分の努力で実らせた小さなスイカを、部活引退後に、顧問の先生と後輩が、自分に何の断りもなしに、部活の紹介写真で大きくなったスイカを楽しそうに食べているのを見て、今でも恨めしい気持ちになり、困っている。

相談者の「願いごと」

・自分の育てた大切なスイカを、自分に断りもなく食べられた恨みを、何とか晴らして、きっぱりと忘れたい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられると考えましょう。
②自分が満たせていない、自分にとって大切なニー
ズや価値観、欲求が何かを考えましょう。

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・「中三のとき、自分が苦労して育てたスイカを、顧問と後輩に断りなく楽しそうに食べられてしまった過去の出来事」が忘れられず、今でもときどき恨めしくなって、困っている。(過去の出来事に、自分が振り回されて困っている)
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(出久根達郎さん)の言葉】

 恨みの晴らし方? 簡単です。

 まもなくスイカの季節になります。大学の友人たちを呼んで、スイカをごちそうするのです。名目は何でもよい。「スイカ甘イカ味わう会」とでも名付けたらよろしい。

 あなたはみんなに中学時代の部活の話を披露し、味わうことができなかったスイカの恨みつらみをたっぷりはき出すのです。いまだに根に持っている、と強調するとよい。

 友人たちがどのように受け止めるか。あなたを慰めてくれるかもしれないし、笑いものにするかもしれぬ。それはどうでもよろしい。要は、あなたがそうやって積年のうっぷんを晴らせばよいのです。

 たぶん以後、いやな思い出から解放されるはず。そう、あなたは後輩と顧問の談笑時間を嫉妬しているのです。そこにいるはずの自分がいない理不尽に我慢ならなかったのです。スイカを作ったのは自分だ、と主張したかったのです。

 あなたは大学の友人たちと、念願を再現すれば気が済むに違いない。恨みっこなしです。この夏、結果をぜひ報告してください。

(2022年5月31日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)


・もし、中学を卒業するまでに、顧問や後輩達と会う機会があり、部活紹介のスイカの写真が話題になったとして、あなたが「大切に育てたスイカなので、私にも一言連絡してほしかった。一緒に食べたかった、さびしかった」と自分の気持ちを話したとしたら、彼らは、あなたにどう言ったでしょうか。
 ひょっとしたら、「ごめんなさい。連絡しようかとも思ったんだけど、受験勉強の邪魔をしても行けないし」とか、話されたかもしれませんね。もし、そのときに、彼らが謝罪の一言や、連絡しなかった理由を話したとして、その言葉が全くウソということはあるでしょうか?
 そして、もし、そのような彼らと話す機会があったとしたら、あなたの今の状況は、かなり変わっていたですか?

・また、もし、あなたが、近い将来に、彼らとどこかで会う機会ができたとして、あなたがさりげなく、上のように、「大切に育てたスイカなので、私にも一言連絡してほしかった。一緒に食べたかった、さびしかった」と話したとしたら、彼らは、どういう反応をするでしょうか?
 そのとき、もし、「あのときはごめんなさい。連絡しようかとも思ったんだけど、受験勉強の邪魔をしても行けないし、とかをみんなで話し合って、」というような回答があったとしたら、あなたの気持ちは、多少でも、収まりそうですか?

・彼らは彼らで、小さかったスイカを、大切に大きく育てたのは自分たちだという気持ちもあったのかもしれませんね。

・仮に、もう一度、中三の「小さなスイカを実らせて、部活を引退したとき」に戻れたとしたら、今のような事態を引き起こさないためにも、どんなことをしていればよかったですか?

・今回の「スイカ事件」で、あなたは、どんな大切なことを学ばれましたか? これからの人生で役に立ちそうなどんな教訓を学ぶことができましたか? 人とのコミュニケーション、人間関係、自分の思いもしなかった性格のこと、など数多く、いろいろなことに気がつかれたのではないでしょうか。
 もしそれらが、これからのあなたの長い人生で、とても大切なことを教えてくれたとしたら、それが、あなたに対する「小さなスイカの恩返し」であり、「大きくなったスイカをだまって楽しそうに食べた先生と後輩」のあなたに対する謝罪の印だと考えることはできませんか?

・この「スイカの恨み事件」は、そのうちに、あなたにとって、とても懐かしい、とても大切な「小さなスイカの恩返し」の思い出とかに変わっていくように思います。ぜひ、大切な思い出として、あなたにとっての意味が変化していくのを見守られたらいかがですか?

今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。


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