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✅60代女性【バイク好きの夫の事故が心配】を選択理論でコーチング人生案内#98

「60代の女性。同世代の夫がバイク好きで、これまでに3台ほど乗り換えました。故障で売却し、今は軽自動車で通勤しているのですが、バイクに乗りたい気持ちを抑えることができず、4台目を注文してしまったようです。」

 お金の問題ではなく、事故が心配です。息子や孫からも、バイクに乗らないでほしい、乗るなら会わないなどと、おどされているのに聞き入れてくれません。

 以前に3回ほど小さな事故も起こしています。好きなことをさせてあげたいという気持ちもありますが、それ以上に心配な気持ちが勝ります。バイクに乗って出かけている間は、きっと心配で心配で仕方ないと思います。年齢に伴って運転の反応も鈍くなり、危なくなるでしょうから。

 折に触れて、あきらめてほしいと訴えていますが、だんだん険悪な雰囲気になるので、最近はあまり話題にしていません。車を買ったら、という提案もしてみましたが、本気にしてくれません。どうしたらあきらめてくれるでしょうか。(滋賀・P子)

(2022年5月10日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を自由に考えてみてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】


相談者の「困りごと」

・バイク好きの夫の事故が心配で、心配で、乗るのをやめさせたいが、止めてくれないので困っている。

相談者の「願いごと」

・夫にバイクの代わりに、車に乗らせたい。
・そうすることで、自分の心配な気持ちを軽くしたい。

【コーチングモデルと選択理論の考え方】

①「自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択
できるし、変えられる」と考えてみましょう。

②「相手の行動を変えられるのは相手本人であって、
他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ」
とえてみましょう。

③「いやがる相手を変えようとしても、相手の抵抗を
生み、人間関係が遠ざかるだけ」と考えてみましょう。


【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

・夫にバイクをやめさせ、車に乗らせたいが、やめてくれないので、困っている。(相手を変えたいが、変えることができなくて困っている)

・「夫のバイク好き」に自分が振り回されて、困っている。
 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(出久根達郎さん)の言葉】

 好きで好きでならないもの、あるいは好きなことをあきらめさせるのはむずかしい。適言や妙法は見当たらない、というのが正直な答えです。

 でも、過去に3度もバイク事故を起こしておられる。心配するなと言われても、不安が募るのは当然でしょう。本人は自分が事故の当事者になるなど、さらさら考えていない。けがなどしないと自信を持っている。しかし、相手をけがさせるかもしれないじゃありませんか。バイクであれ、車であれ、自転車であれ、運転する道具は、操作を誤ると自他を傷つける凶器となります。

 夫が大切にしているものは何ですか? バイクというのであれば、バイクの他にもう一つ、大切なものを聞いてごらんなさい。何と答えるでしょうか?

 答えたら、それとバイクのどちらをとるか、尋ねます。やっぱりバイクを選ぶようであれば、あきらめるしかないと思います。理屈では通じないのです。

 お孫さんを口実に説得しても、なびかないのですものねぇ。いやはや。

(2022年5月10日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・ご主人にとって、一番大事なことを無理やりやめさせようとすると、バイクの事故以前に、夫婦の関係や、家庭の雰囲気がどのようになりそうでしょうか?

・仮に、「ご主人がどうしてもバイクはやめない」と決断したとしたら、あなたとしては、どういうふうに対応されますか? 例えば、安全対策を徹底してもらうとか、乗る回数を少なくするとか、行く先を考えてもらうとか、あるいは、どこでどのようにツーリングするのか、一緒に行く仲間のことなども、もしかのときのために、情報を事前に教えてもらうとか、ほかにどんなことが考えられそうですか?

・「バイク好きのご主人に対する心配や不安」のために、あなたが失っていることには、どのようなものがありますか? もし、「ご主人のバイクの問題」が無かったとしたら、あなたは、どういう生活をしたいのですか? また、ご夫婦でどんなことをしたいのですか? 

・例えば、ご主人と旅行したり、外出したりという二人の時間がふえれば、その分、ご主人がバイクにのる時間も少なくなるでしょうし、息子や孫と会う時間が増えれば、その分もバイクの時間は減るかもしれません。バイクの代わりに、ご主人が楽しく過ごせそうなことには、他にどんなことがあるでしょうか?

・男性と女性の平均寿命は、女性の方が長いですし、人生は、いつ何時、誰に何があるか、病気や事故で命を落とすかも、わからないものです。もし、万一、ご主人が、バイク以外のことでそのような運命が襲ったとき、あなたはその後の人生をどのように過ごされますか? お子さんやお孫さんのためにも、できるだけ元気で長生きしなければならないと思われますか? そのような準備もしていくとしたら、あなた自身が、今後、どのように変わっていくことが望ましいと思われますか?

・ご主人のことをあなたが変えることは難しいですが、あなたの心配や不安を軽くすることは、あなたご自身のことですので、考えようによって、軽くすることはできると思います。そのための対策もいろいろ考えてみませんか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。



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