見出し画像

✅20代女性【うちの両親は毒親か?】を選択理論でコーチング人生案内#141

◇今回は「20代女子学生。自分勝手な両親の言動に振り回されている」事例です。振り回されることをやめましょう。両親は両親。それはそれとして、自分の人生を生きましょう。

 20代女子学生。家族との関係で悩んでいます。最近よく聞く「毒親」という言葉の意味や事例を調べると、両親にあてはまると感じることが多くありました。

 就職活動を終え、両親には育ててくれたことへのありがたさを感じ、これから恩返ししたいと思っています。しかし、同時に、両親の言動にわだかまりがあるのです。

 たとえば、就職活動中、酒に酔った父親に「どうせ第1希望の企業に落ちる。勤めても2、3年でやめる」と暴言を吐かれました。母親は常に父親の悪口か自分の自慢話。スタイルも頭脳も一番でないと気が済まず、本当か冗談か、過去に「あなたは永遠のライバル」と言われたこともあります。

 こんなこと受け流せばいいと思うのですが、ふとした時に「毒親」という言葉が頭をよぎります。親に対する矛盾した気持ちにイライラします。どうしたら家族と適度な距離感をつかめますか。(東京・A子)

(2022年7月27日読売新聞朝刊)

次を参考に「相談者の答え」を引き出す質問を考えてください。

【相談者の困りごと、願いごとを考えましょう】

相談者の「困りごと」

・就職活動も終え、両親に育ててくれた恩返しがしたいが、一方で、父親の自分に対する暴言、母親による父親の悪口と自慢話など、両親の言動にわだかまりがあり、「毒親ではないか」とも思ってしまう。親に対する矛盾した気持ちにイライラして、困っている。

相談者の「願いごと」

・両親に感謝し恩返ししたいという気持ちと、両親の言動にわだかまりがある現状で、どうしたら家族と適度な距離感をつかめるかを知りたい。 

相談者が満たせていない(満たしたい)基本的欲求


・愛所属の欲求(愛したい、愛されたい、仲間でありたい、仲間がほしい)
・力・自己価値の欲求(自分が価値ある存在でありたい、認められたい、自分を認めたい)
・自由の欲求(自由でありたい、自由にしたい)

【選択理論コーチングの三角モデルです】

【選択理論心理学のエッセンスで考えましょう】

・自分の考え方や見方、行動は、自分が自由に選択できるし、変えられる、と考えましょう。

・自分には、未来に向って自分が幸せになるために行動する責任がある、と考えましょう。

・相手(本人)の行動を変えられるのは相手(本人)だけであって、他者は助言や情報提供、リクエストができるだけ、と考えましょう。

・変わろうとしない相手に自分が振り回されていることに気づきましょう。

・相手を批判したり、強制したり、脅したり、文句を言ったりすることはやめましょう。

・同じするなら、いやいやでなく進んでする方が自分のコントロール感も高く自由度も広がると考えましょう。
 
・自分が満たせていない、自分にとって大切なニーズや価値観、欲求が何か、を考えましょう。

・相手の行動も、自分のと同じく、ニーズや価値観、欲求を満たすための精一杯の行動なのだと考えましょう。
 
・相手が満たせていない、相手にとって大事なニーズや価値観が何かを考えましょう。

・「相手がしてほしい行動で自分がしてあげられること」があれば、積極的に協力し貢献しましょう。 

【相談者の困りごとのパターン】を考えましょう

 ・就職活動も終え、両親に育ててくれた恩返しがしたいが、一方で、父親の自分に対する暴言、母親による父親の悪口と自慢話など、両親の言動にわだかまりがあり、「毒親ではないか」とも思ってしまう。親に対する矛盾した気持ちにイライラして、困っている。
 
(困りごとのパターン:願いごとを叶えたい。一方で、相手に振り回されている。一種のかっとうに悩んでいる)

 
以上を参考に、ここで、みなさんのコーチング質問を考えてみましょう。
 

【心に響く回答者(久田 恵さん)の言葉】

 理想の親などいません。そして「毒親」と言う言葉では簡単に定義できないほど、親子関係は多様です。

 その背景にあるのは、核家族化、共稼ぎ、少子化など。しかもコロナ禍です。思春期を過ぎれば疎くなったり、子どもが反抗したりして、距離のできる親子関係も、今は家庭内で密になりがちです。

 あなたが、事例にあげる親の態度や言葉を見ると、毒親というよりは、言いたい放題。むしろ、なにかと関わり合ってしまう「お友達家族」という感じです。しかも、あなたは両親に感謝の思いがあります。単に、言いたい放題の両親に戸惑っているだけかもしれません。

 むしろ、両親の方には、娘が就活を終え、社会に巣立っていく寂しさがあり、ああも言い、こうも言いしているようにも思います。

 あなたはあなたの思う道を行けばいいのです。

 背後に信頼のできる関係があってこそ人は自立ができると言います。それが、両親との間にあるかどうかが、一番大事です。今は、「毒親」の言葉などにとらわれず、自分の得た新たな人生の舞台に自信と勇気を持って立ち、自立へと向かうことです。

(2022年7月27日読売新聞朝刊)

私は次のような質問を考えました(ご参考まで)

・感謝と恩返しはしたいけれど、自分勝手な両親の言動に「毒親でないか」と思ってしまい、両親に対するわだかまりが消えない、という一種の葛藤の中におられるようにも見えます。

・そこで、「ご両親への感謝と恩返し」は、それはそれ。また、「両親の言動に対するわだかまり」は、それはそれ。これらの2つのことを、別のこととして、それぞれについて、ご自分が何を願っているかを考えてみたらいかがでしょうか?

・「両親への感謝と恩返し」は、もし、「両親の言動に対するわだかまり」が解消されたとしたら、あなたの理想として、どのようにしたいのですか?

・一方、あなたが「両親への感謝と恩返し」は、たとえ、「両親の言動に対するわだかまり」があったとしても、必ずするんだと決心できたとしたら、残った問題である「ご両親の言動に対するわだかまり」の方については、何がどうなったらいいのでしょうか? 何をどうしたいのですか?

・このときに、「お父さんを変えたい」とか、「お母さんを変えたい」というような「相手を変えたい」という行動をとることは、相手の不快や抵抗を招き、相手との関係を悪くする怖れがあります。ですので、もっぱら、あなたのサイドで、自分はどうしたいのか、何ができるのかを考えてみましょう。

・「家族との適度な距離をとりたい」とのことですが、これは物理的な距離ですか、それとも、心理的な距離ですか? 

・具体的に、お父さんと、どのような物理的、心理的距離を維持できれば、あなたとしては一番、これから未来に向って、居心地が良く、自由で、安心なのでしょうか?

・また、お母さんとは、具体的に、どのような物理的、心理的距離を維持できれば、あなたとしては一番、未来に向って、居心地が良く自由で、安心なのでしょうか?

・もちろん、お父さんやお母さんが、あなたとの距離をどうしたいかは、相手しだいのことなので、あなたとしても、相手との妥協や調整が多少とも必要となるかもしれませんが、それにしても、あなたとしての「理想の状態」を考えておくことは役に立つと思います。

・そして、あなたは就職もされ、今後、あなたはあなたの人生を生きて行かれることになるわけですが、その際、あなたの側で、「ご両親との間での自分の立ち位置をどうするか」を決められたとして、その立ち位置を守りながらも、「ご両親に対する感謝と恩返し」を、あなたとして精一杯していくとしたら、どんなことができそうですか? また、してあげたいですか?

・そのような「ご自分の立ち位置」をあなたが決めることができたとしたら、短期や、長い目で見たとき、あなたやご両親にとって、それはどのような良い面が考えられるでしょうか?


今回は以上です。上の質問は、自己対話で使うと、セルフコーチングができます。お役に立てればうれしいです。それでは、また次回。



<お誘いです。よかったらどうぞ>
「選択理論でコーチング塾」
では、選択理論と、選択理論を実践するセルフコーチング、対人コーチング、コーチングマネジメントについて、わかりやすく紹介しています。詳しくはこちらをどうぞ。

「選択理論でコーチング塾」へはこちらからどうぞ






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?