キースヘリング

人生は親からかけられた呪いを解く旅

衝撃のタイトルですが、これは先日とある素敵な会合でお会いした、ムツミさんという女性が教えてくださった言葉です。

共感がぐわーっと湧き上がってきたと同時に、この言葉で救われる人がいるはずだから書いておかなくては、と思いました。

この旅の途中でその人にしか作れない副産物を産み落としながら生きるという、そんな素晴らしい人生があるということにも気がつかせていただきました。

「魂の渇望感」という心の穴

人を見ていても自分を鑑みても、一番人を苦しめるものは「魂の渇望感」なのだと感じています。

心が健康な人は、小さい頃に親からその「渇望感」という心の穴を愛情で埋めてもらって社会に飛び立てるけれど、

その機会がなかった人は自分で埋めなくてはいけない。


その心の穴を埋めるために、ある人はアルコールやドラッグやギャンブルに依存したり、人に依存したり、仕事に依存したりする。

でもその場しのぎの材料で穴を埋めても、うまく埋まらないどころかひどいときには膿んで穴が大きくなってしまったりする。しかも自分の組織ではないから、虫歯の詰め物のように、ある日ポロリととれてしまう。

でも私たちの心は、歯のように自分たちの組織では直せないものとは違って(現在の技術レベルの話ですが)、自暴自棄にさえならなければ、時間がかかっても必ず穴を埋められるのだと感じています。

(超ポンコツな私でも自殺衝動を克服できたんだから、みなさんにだって絶対にできる…!)


心の強度が高い人の言葉に吹き飛ばされないで

影響力のある人が、「小さい頃のトラウマにこだわっているなんて、時間の無駄ですよね」とメディアなどで話しているのをみると、怒りが湧いてきます。

たとえどんなに同じ悲惨な体験をしてきたとしても、その人はたまたま心の強度が高かっただけ。羨ましいことです。私だってそうなれるものならなりたい。

でも自分はそうなれないHSPの人間ですし、そんなタイプの人間に「弱気になるな」というのは、松葉杖の人間に全力疾走を強要するようなものです。

前出のような人の話を聞いて、「考えちゃダメだ」と自分の傷に蓋をして膿ませてしまったり「強くなれない自分なんて価値がない」と穴に自ら落ちてしまう人がきっと少なからずいるんだろうなと思うと、胸が痛くなります。

心の穴は自然に埋まるものじゃありません。虫歯も患部を削ってからでないと治療できないように、過去のトラウマにも向きあってはじめて埋められるものなんだと感じています。


人生は親からかけられた呪いを解く旅。

タイトルのこの言葉を教えてくれたムツミさんは、グローバルでクリエイティブカンパニーを経営されています。

映画やアートなど、クリエイティブなものに救われてきました。

自分が今そういう仕事をしているのは、

世の中に一つでも多くの物語を生み出せば、

世界のどこかの誰かの一晩を救えるかもと思うから


とおっしゃっていて、もう共感と感動しかありませんでした。こんな人がこの世界にいてくださるなんてありがたい…。

たしかにその辛くて苦しい一晩を乗り越えられれば、その先で待っている生きる希望のもてる朝に出会えて、なんとか生き延びられる人がいるはず。

人生の目的は多種多様です。

前出の「親のトラウマなんて」と軽く考えられる人は、心の傷に足をとられることなく自分の理想を実現するためだけに生きられる幸運な人です。


また一方、以前の私のように、傷を埋めることをまず目的にしなくては生きていくことすらできない人も多くいます。

でも、どれが良い悪い、正しい正しくないというのではなく、それぞれにこの世に存在している意義があるのだと思っています。


ムツミさんの言葉のように、たとえ「親からかけられた呪いを解く旅」を人生に課せられてしまったとしても、


その旅の途中の副産物として生まれた作品や、その人の背中自体で、

人を感動させたり、傷を癒すことができるなら、

そんな素敵なことはないのではないでしょうか。


トラウマなんか、もちろん無い方がいい。

でもたとえ背負わされてしまったとしても、呪いを解く旅の副産物として唯一無二のものを生み出して素晴らしい人生にできる。


そういえばアンデルセンとかグリムなどの童話も、『千と千尋の神隠し』などの映画も、世界の物語は呪いをかけられないとはじまらない


あなたは、壮大な冒険物語の主人公なんだ。


だから、トラウマを背負わされて苦しんでいても、

どうか自分の生き方に胸を張って欲しい。


あなたの気高く戦う姿に勇気をもらっている人が、

必ずどこかにいるから。


そんなムツミさんは、2月にJ-waveのクリス智子さんの番組でお話されるようで、私もとても楽しみです。
こちらはムツミさんが経営されている会社です。素敵すぎる…!
ムツミさんのnoteです。ハリウッドで映画作り…!
そして、辛酸なめ子さんが、ムツミさんについて書かれたレポです。
最後に、何度かこれまでも貼り付けている、「三途の川の手前から、弱った人を励ますためにドリフトターンしてきた」大好きなサム古川さんの動画もはりつけておきます。(ぜひ最後までご覧になってください)
こんな素敵な人たちがこの世にいるということを感じられるだけでもすごく嬉しい…!
タイトル画像は、サンフランシスコの教会に飾られていた、エイズ撲滅を願って彫られた「キリストの生涯」というキース・ヘリングの最後の作品です。

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造形作家。自殺衝動を克服した経験をベースに、「心の解放」をテーマに、立体やアート仮装、VRなどを制作。アダルトチルドレン、ADHD、左利き、各種アレルギーなど、生きにくさ全開の逆張り人生ですが、この経験がどなたかの励みになればと考えています。http://sawanao.com/

コメント6件

>「小さい頃のトラウマにこだわっているなんて、・・・

は僕も腹が立ちますが、

>(超ポンコツな私でも自殺衝動を克服できたんだから、みなさんにだって絶対にできる…!)

これも同じような言葉じゃないでしょうか?
「私は頑張ったから出来た。あなたはそんなに頑張ってないか、やり方が間違っているから出来ない」
と言ってるように聞こえて、
大嫌いな言葉です。
Yoshiさん、ありがとうございます。こう割り切ることで気が楽になることはありますよね。たしかに明確な形で「虐待を受けた」わけでなかったり、よかれと思っていってくれた何気ない言葉が呪縛になるということは、実際少なくありませんが、それを「なんでもないこと」と無理して気持ちを押し殺してしまうと苦しくなる。。

本当に、おっしゃっていただいたように、そういうこともひっくるめて受け止めた上で自分の心によりそって、「自分の人生を生きること」、それが一番大事なことなのだと日々感じています(^^)
オトカツラジオ(Shinichi/Miyazaki)さん、本当にそうですよね。私もズタボロになりながら、長年こういう呪縛を「なにくそ!」と燃料に変えて生きてきた人間ですので、それがなかったら制作したり自己表現活動をせずに過ごしていたのかなあと考えたりします。

ただ、実際やはり生きるか死ぬかの状態はとても辛いことですし、背負わされたトラウマの重さで潰れたり、燃料が自分に着火してしばしば丸焦げになって灰のようになってしまいますし、長い目で考えたらこの呪縛自体を解決してラクになれたらいいですよね。

とあるHSPフラグメンツさん、そう受け取られるのは残念ですが、そう思われるならばそれで結構ですよ。私は人にどう受け取るかを強制する気はまったくありません。

ただ、実際私自身が「甘えている」「努力が足りない」とずっと責められてきたため、根性主義とは対極の立ち位置でこれまで発信し続けてきていますし、

「誰かこの地獄から抜けた人間はいるのだろうか」という情報を欲して苦しんでいた過去の自分にむけて、そしてなんとか楽になりたいと今現在死闘され、こういう髪の毛ほどの希望を必要とされている方に向かって書いています。このスタンスは今後も変わりません。

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