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私がキッチンまわり評論家・科学する料理研究家になった訳 

こんにちは。さわけんです。

自己紹介と仕事について

私は「キッチンまわり評論家・科学する料理研究家」という肩書きで活動しています。

本職は料理研究家ですが、キッチングッズについてやたら詳しいのでキッチングッズのおすすめや評価なども業務として行なっています。

科学する料理研究家になった経緯

元々はフランスでフランス料理を学び、大阪阿倍野の辻調理師専門学校で西洋料理の先生をしていました。

先生なので人に料理を教える訳ですが、まずは教える価値がある技術を習得して美味しい料理を作れないといけません。

フランス料理をフランスで学びましたが、専門学校に就職してもすぐに教えるわけではないのです。

まずは助手として講義をする先生方と打ち合わせをし、材料を発注し仕込みをし、器具や器を準備する業務を5年ほどこなします。

その中で生徒に教えるべき内容を把握し、技術を習得していく訳ですね。

料理は技術なので美味しい料理ができなければ話になりませんし、綺麗に作れなければ人に教えることはできません。

なので技術の習得は先生にとって死活問題なわけです。

加えて知識も要求されます。

生徒さんに披露している料理の作り方しか知らないのでは説得力がなく、その料理の地理的背景や使われている技術、歴史、豆知識など色々知っていないと”つまらない授業”になってしまうからです。

つまらない授業をする先生には誰もなりたくはありませんので、普通は個人的に技術や知識を得るためにお店に行って手伝ったり(会社員なのでお店で働くわけでは無い)文献を調べたりして生徒により良い技術や話ができるように努力します。

私の場合、最初の1年ほどはそれまでに学んだ事を活かして比較的簡単に終わりました。

2年目位からイタリア料理やお菓子が入りはじめ、助手仕事でも改めて確かな技術と知識が必要になってきました。

ま~イタリア料理も製菓も調理師学校でやってはいましたが、それほど血眼で取り組んでいたわけでは無いので、到底人に教えられるロジックもテクニックも足りない訳です。

ここで危機感を覚えて料理に関する色々な勉強を始めました。

文献を漁り(当時は動画なんてないので主に料理書)知識を得て、料理雑誌や本を見つつ実験したり色々やりました。

すると色々と疑問にぶち当たります。

料理の世界では先人の教えがたくさんあり、失敗しない定番の方法として受け継がれている技術があります。

簡単に習得できるのものありますが、難しいものはとことん難しいものです。

その中に違和感というか疑問を覚える教えがいくつもありました。

例えばルーを作る工程でどこまで炒めるか。

教えられたのは「バターが溶けて小麦粉を入れたらよく混ぜ、滑らかになり粉気が切れるまで色をつけないように炒める」というフレーズでした。

でも細かい私は疑問を持ちます。
以下疑問点△、納得◯、賛同できない×で私の気持ちを表します。

”バターが溶けて”=バターは温度を上げれば溶ける◯ 。 
なぜ固形物が液状になるの?△可塑性って何?△

”小麦粉を入れたらよく混ぜ”=まー混ぜるでしょ◯。
でもよく混ぜなかったらどうかなるの?△

”滑らかになり”=小麦粉を加えた直後はモソモソ感がある。◯
でも炒めると滑らかになる。△ 
なぜモソモソ感があったものが滑らかになるのか?モソモソ感の正体は?△

”粉気が切れるまで”=粉っぽさが無くなるまで。×  
粉っぽさは無くならないのでは?ルーをそのまま食べると粉っぽいよ?△
クレームパティシエールは炒めないけど粉っぽさがないよ?△

”色付けないように”=白いルーだから◯

”炒める”=△
なぜ炒める?練り合わせるだけのブールマニエとの違いは?

という具合に結構細かい性格なので色々気になるのです。

いや、料理技術的には言われた通りやっていれば間違いなくうまくいくのでOKなのですよ!

しかし気になるのです。

気になれば実験をして文献を調べる。

調べるとまた疑問が増えるの積み重ねで「口うるさいめんどくさい料理人」になりました。

そして料理研究家になる時に「面倒で口うるさい料理研究家」ではダメそうだったので、現在の「科学する料理研究家」に落ち着いた訳です(途中でフランスで働いたり、シェフをやったり、テレビのフードコーディネートをやったりしましたが、そこはばっさり割愛しています。)。

人に教えるということは自分の中で理路整然となっていないと、どこかで食い違いが出てしまいます。

理由を理解せずに人に教える事、その恐怖が「科学する料理研究家」を作ったのです。

キッチンまわり評論家になった訳

次にキッチンまわり評論家という謎な肩書きについてお話しします。

キッチンまわり評論家とは”キッチン関係のモノすべてに知見がありますよ~聞いてくださいね~”という事です。

最新調理家電は論文を探すところから


フランス料理というのは昔から様々な器具を駆使して料理をする料理です。

フードプロセッサー、ハンドミキサーからピーラーや曲がる包丁、サラダ水切りなどを日常的に使ってきました。

私が最初にIHクッキングヒーターを見たのもフランスでした。

スチームコンベクションオーブンや低温調理器などを最初に触ったのはもう25年以上も前の事です。

そんな経験と細かい性格により、メーカーの売り文句とは違う視点で製品の使える点を探して紹介するのがキッチンまわり評論家・さわけんの仕事です。

スペックを読むだけではない、リアルな使い道や意見が欲しい方におすすめですよ!

さらに食べ比べもやります。
食べてみて商品としてどうかを見極めるわけですが、実は「おいしい・まずい」だけではダメなのです。

その商品を”誰がどう使えば誰が得するか?”を見極めないと商品の真の価値はわかりません。

例えばカルボナーラソースを見る場合、本来のイタリアのカルボナーラと日本のカルボナーラの違いを把握して今回のカルボナーラを味見しないと、このカルボナーラは本格的なのか全く違うのかの「カルボナーラ界での位置付け」が把握できません。

そして名前の整合性の有無とは別に「美味しいかどうか」があり、最終的には「どう使うと幸せになれるか」を見出す必要があります。

そのままパスタと和えていいのか、何かを足すとグッと良くなるのか、はたまたパスタは諦めて鶏肉を煮込むのに使えるとか、その辺りを見極めて提示できなければ仕事になならないのです。

活動の場は雑誌やwebで、かれこれ13年くらい何かを食べ比べたり検証したりしていますので総計1万点は超えていますね!

コストコ、カルディ、成城石井にめっぽう強い

最初の準レギュラーの雑誌めしともから始まり、月刊LDK(創刊から8年ほど毎号出ていました)、日経BPなどで色々と言わせていただきました。

現在はモノクロという雑誌や家電批評という雑誌に毎号登場しています。

コストコやカルディ、無印のムックなどにもよく出ているのでどこかで見てくださった方もいらっしゃるでしょうか。

話が逸れましたね、戻しましょう。

という訳で2022年現在、様々な食品やキッチングッズが売られています。

その中には特に家事が楽になるモノやシステムがあります。

良いものだけど使い方の難しいものもあります。

そういうものを紹介して皆さまの助けになればと思っているのが"キッチンまわり評論家さわけん"です。

お仕事依頼について

こんなキッチンまわり評論家で科学する料理研究家のさわけんへの仕事の依頼はさわけんのホームページから可能です。

noteからでも構いませんのでご連絡ください。

おすすめの品の取材、美味しいものの取材、最新調理家電の紹介、製品のリニューアル、食企画作成、コラム依頼、ラジオ出演、テレビ出演など食まわりのお仕事などご相談ください。

返信は早くて当日、遅いと1日後位ですので、返答がなければ届いていないかもしれないのでホームページよりご連絡ください。

メディアの仕事はSDM(スターダストマーケティング)という事務所に所属しているのでそちらからでも申し込み可能です。

料理監修や西洋料理系の所作指導も行っております。

フードコーディネート業務もチームで受けていますのでよろしくお願いいたします。

もちろん料理は本格派の理論派。


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