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短編集②

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#短編小説

 仕事を探していた父が、その面接先の方にあなたでは無理だと言われたそうだ。
 話し上手で、笑顔もよいと評判だった男に、その宣告はひどく胸に応えたのだろう。
 父は仕事が出来そうだと喜んで話をしてきたときと打って変わって、珍しく酒を飲んでいた。
 ビールの缶をぷしゅりと開けていた。
 父は顔に赤みが差しやすいので、すぐに酔いが分かる。
 そのくせ顔がにやにやとして。崩れている顔がさらに崩れるのだから

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セーラー服と恋

 私の双子の姉の美玲は一年前に死んだ。それは美玲とトラックとぶつかってしまったことが原因であり、轢いた運転手も人が来ない道だから、油断していたと供述している。美玲はその道を普段使っていなかった。むしろ使えば目的地まで遠くなる道だった。
 どうして彼女はそんな道を使ったのか分からないが、その死につながった選択のせいで、彼女の恋人はおかしくなった。彼女のセーラー服を着るようになった。
 淡雪が降り

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じごくをみせて

 私の家の近くにそれなりに賑わっている居酒屋があった。テーブル席やカウンターの他に個室もあって、昼間には親子連れが使うこともあった。
 私は大学時代の後輩や気心の知れた友達とそこでしばしば飲むことがあった。
 馬鹿みたいに飲んだこともあったし、酒の味がほとんど分からなくなるほどに心の底から冷えた恋の話をしたこともあった。
 二十九歳になっても飲んで飲んで、ブラを外してしまうほどの失敗をしても、大丈

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