親の愛情は特にいらない

私のことを知ってたまに「親の愛情がほしいとか思わない?」と聞かれることがあるのですが,毎度特にいらないな…と思うので書き留めておきます。

なぜいらないの?

すごく悲しいことなのですが,いろいろな方の話をお聞きしていても,幼少期に親御さんや周りの方から受けた傷などで,大人になってからもずっとずっと苦しんでいる方は本当に多いです。
それなのに,なぜバッサリと「いらない」と言ってしまうのか,ざっくりとですが書きます。

そもそも親が好きではないのかもしれない

というか多分そう。

私自身が両親のことをあまり好いていないのかもしれません。
父親はあの通り(こちらの記事通り),母親に暴力をふるいますし,私も軽い暴言ぐらいは普通に受けていました。
そんな人を好きにはなれません。
もちろんお金を出してもらった恩のようなものはあります。

関わりが深かったのは母親の方だと思いますが,基本的に弟びいきでした。
沢田自身は本当に出来が悪く(こちらの記事が詳しいです),母親の思い通りに動くことが出来ません(今もです)。
逆に弟は自分に大きな病気がありながらも母親の思い通りに動いていて,何でもできるようになっていきました。
他の方から見れば毒親の部類に入るということもあるそうで(というかほぼ確実に毒親らしい),母親には嫌われていますし,私自身もそこまで好きではないです。
一応,餌付けなどをしてくれたのは事実ですから,育ててもらった恩のようなものはあります。

親から自分への愛情が何なのか知らない

いわゆる虐待を受けていて,母親が毒親…となると,そもそも親から自分へ愛情が注がれている状態がなんなのかよく分からないのだと思います。

弟を恨んだりはしていない

私と比べて弟は可愛がられていましたし,母親の気まぐれで「あんたはお姉ちゃんなんだから」と怒鳴りつけられて,できる範囲で家事をやることもありました。
沢田はとにかく出来が悪かったので,できる範囲の家事となるとお米を研ぐ・炊く,お風呂を洗う,洗濯物を入れる(洗う・干すことは母親の細かい規定が覚えられずに出来なかった)ことくらいです。
母親はとにかく気まぐれな人なので,昨日やらなくて良かったことも,今日はやらないと怒鳴りつけられる,なんてことはしょっちゅうでした。
その点,弟は優秀だったこともあり可愛がられていたので,「弟くんのことを恨んでいたりとかは?」と聞かれることもありますが,まったく恨んでいません。
むしろ重度のブラコンになっています。
弟バンザイ!弟大好き!
逆に彼自身も私と比べられて苦しんだことがあるのを私は知っていますし,同じ状況に置かれた姉弟として助け合ってきたことがとにかく多かったので,むしろ戦友のような感じです。
家を出ていくと知ったときは,やっと彼がいろいろなしがらみから解放されるわけですから,なんとも言えない気持ちでした。
家を出ても,まだまだ私のことを心配してくれますし,一緒に沼っているゲームの話題(一応伏せます:気になる方はこちらをどうぞ)で持ちきりです。

友人たちが愛情らしきものを教えてくれた

これも大きな理由だと思います。
今生きているのも,私を慕ってくれる友人たちがいるからです。
その人たちに少しでも恩返しがしたいという一心で生きています。
本当にたくさんのエピソードがあるのですが,ぱっと思い浮かんだエピソードを少しだけご紹介します。

「俺の家の鍵を渡しておくから,とにかく生き残れ」

大学時代に友人から言われた言葉です。
携帯も何も持ってこなくていい,そんなもんなくても生きてりゃどうにかなる。
ヤバいと思ったらこの鍵を持って,家を出て,とにかく生き残れ。
そんな言葉をもらった気がします。
もしかして当時その友人にはパートナーがいたかもしれませんが,それでも家の鍵を渡してまで生き残らせたい人になれることは,きっとなかなかないと思います。

「お前がいないととにかく寂しい」

パートナーにでも言えや,と思わずツッコミを入れたほどのセリフですが,これも友人が言ってくれました。
上の「生き残れ」に通じる気がしますが,私一人が消えただけで,その友人はとにかく寂しくなってしまうほどの存在になっていたようです。
私自身は私がいなくても誰かが代わりをしてくれると信じてやまないので,そんな存在になれることも,きっとなかなかないことだと思うのです。

ささいなことでも何かあると誰かから連絡が来る

私の周りの友人は本当に優しい人ばかりで,私の身に何かあるととりあえず誰かしらが連絡をよこします。
私の様子がおかしいのに気づくのはいつも友人の誰かで,そして必ず助けに来てくれます(私が「いらない」と言っても来る)。
中には自分の用事を中断した上,車で1時間以上かけて,わざわざ助けに来てくれた友人もいました。

…と,他にもたくさんあるのですが,これが私の中では「愛情」かな,と思えるようになっています。
「友情」はどちらかというと弟に対してで,戦友のように生き残ってきた感じが近いです。

親が愛情を注いでくれなくても,満足している

そのままです。
親の愛情なんてよくわからないし,特に今から何かしてほしいと思うこともありません。
(逆にそろそろ親孝行というやつで私が何かしなければならないのではないだろうか…?)

その分なのか,私が何をしたわけではないのに,誰かが何かを与えてくれる。
同じく特に何かをした覚えはないけれど,誰かの中で代えがきかないくらいの存在になっていた。
親には大げさに言えば殺されそうになったけれど,友人たちは大げさでなく,私を守ってくれて,生かそうとしてくれました。
友人たちは,私にとっては親以上の存在です。
私は友人たちに何か出来ている気は全くしません。
そんな友人たちから,いわゆる無償の愛を注いでもらっているのだと思っています。
生きていてこれ以上の幸せはないと思います。

なので,私は親の愛情は特にいらない…と感じているのかもしれません。

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