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肢体不自由の息子と地球の歩き方(アメリカ編)ーロサンゼルス(2)

アメリカに着いて2日目。
しっかり寝ることができ、朝から散歩に出かける。ビーチ近くはこの日しかなく、有名な「ルート66」の標識がある「サンタモニカ」の埠頭を目指す。

高校1年生の長男は、「一人で散策してみたい」と言い、反抗期の中学2年生の双子Aは、「俺は行かん」と言う。歩行器の双子Bは、「皆行かん。歩くの嫌や。」と言う。

イラッ。

いつものパターンは、「ほな知らん!勝手にしときー」と、子どもを家に置いて、私だけ出かけるが。ここはアメリカ。アメリカに着いてから、私のワクワクは止まらない。「ルート66 END」の標識は絶対見に行きたい。本当は、車で横断したいくらいだ。

長男には、「ほな、先に一人で散策しておいで。」
・キョロキョロせず、堂々と歩く。
・大通り沿いだけ歩く。細い道には入らない。
・道路に寝ている人が多ければ、すぐに帰ってくる。
・AM8時(1時間後)には帰ってくる。

近隣の雰囲気が良かったので、長男は無謀なことはしないし、サッカーで足も鍛えているので逃げ足も速いため、大丈夫だろうと判断したが、DOWNTOWNの夜のお店が立ち並ぶような所だったら、朝でも一人で歩かせないだろう。

そして、長男は予定より少し早く帰ってきた。「めちゃめちゃよかった。」「めちゃめちゃアメリカ。」「でも、なんか吸ったらアカン匂いしてる。タバコも副流煙アカンっていうけど、イケるん?!」とのこと。

「なんでアンタ、吸ったらアカンやつの匂い知ってるん?」と長男に聞くと、「いや、知らんけど、なんか独特の匂い。」と長男。「とにかく、外に行ってきて。」と言われた。

偏見がすごいのか、発想が面白いのか、長男の感想に促され、匂いを嗅ぎに出発することにした。長男が散歩を勧めてくれたおかげで、双子Bは歩行器で出発してくれた。双子Aは、相変わらず「行かん」というので、長男と留守番。朝は肌寒いくらいで、カラッと乾燥しており、とても気持ちがいい。確かに、独特の匂いはしている。ホームレスの方もおられ、なにか焚いている方もおられたし、独り言を言いながら何かと戦っておられる方もいたので、長男の心配は分からなくもなかった。双子Bはスタートから、「どこ行くん?何しに行くん?なんで行くん?」と質問攻めで、「まだ着かん?もう帰ろ。疲れた。」の連続。「ほらー」と夫を睨むと、夫が双子Bに「おんぶしたろか。」と言う。双子Bは中学2年生、知的障害(療育手帳A)があってもしっかり大人の階段は登っているのである。「嫌や!はずかしいやろ!」と言う。そらそうだ。「かか(母)、美味しいコーヒーを飲みたいから、コーヒー屋さんを見つけたら教えてなー。」とお店探しに気をそらせたり、「路面電車やー」「もうすぐ海やでー」とGoogleマップを一緒に見たり。気をそらせながら、ついにサンタモニカの埠頭に到着!通常徒歩12・3分。歩行器で30分くらい。私は、めちゃくちゃ感動!Youtubeや、ドラマで見たことあるようなビーチの風景が広がっている。うひょー‼ 朝早くだったので、ほとんどの店は開いておらず、観光客もほとんどいない。めっちゃエエやーん♪ サイコー‼

双子B「帰ろ。」

夫の携帯が鳴る。民泊先の長男からLINE電話。「双子Aが一人で出発した。迎えに行ったって。」とのこと。

ちゃんと秒で現実に戻される💦
最近の双子Aの行動パターン。行きたいけど、行かないといい、後から追いかけてくる。なので、「アメリカでは、絶対やったらアカンで!」と説明していた。しかし、長男に勧められたのか、長男も一人で行ったのだからと思い立ったのか、出発したようだ。

まだアメリカに慣れず、不安げな夫が迎えに戻る。

双子Bは、大好きな双子Aが気になってしかたがない。「双子Aをパパがお迎えに行ったよー。双子Aが来るから、もう少し待っておこう♪」と、お話しながら、私達はサンタモニカの「ルート66」の標識で写真撮影。

かなり遅れて双子Aと夫も到着。結局、宿泊しているアパートから出ることができなかったようで、部屋に戻り夫のお迎えを待っていたらしい。エレベーターあるあるなのだが、アメリカでは1階を「1」と表記していない。「G」と表記している。Groundfloorの「G」で、地下駐車場を「P1」「P2」と表記しているため、「1」だけにひっぱられ、「P1」を押し、地下駐車場に下りてしまうのだ。長男と夫も同じ間違いをして、迷ったらしい。

合流後写真を撮って、来た道とは違う道で部屋に戻る。お洒落なカフェで、コーヒーと朝食のテイクアウトをしたかったが、なかなかイイお店を見つけることができなかった。とりあえず入ったお店で、チーズとハムだけのホットサンドを3つと、コーヒーを2つ頼んだ。それで、USD55.00(@149円=8,195円)高い‼  トホホ。覚悟はしていたが、どえらいことになるなと身震いしながら、次の拠点・ハリウッドの方へと移動することにした。


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