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晴れた休みの日と、装置としてのカメラと、君について

「今日は本当に良い天気ね。」

君はそう言って、カメラという装置で僕らの上に広がる空気を透き通ったガラスの箱に、どんどん詰めていった。

カシャ

ガラスの箱に空気をひとつ詰めるたびに、君はガラスの箱を光にかざして検査し、大事そうにひとつひとつしまっていく。

こんな良く晴れた日に、その作業をする君を眺めているのが僕は大好きだ。

  ・・・

時折、君はガラスの箱をひとつ持って僕のところにやってきてこう言う。

「ねぇ、これ、いいと思わない?」

僕は、

「君の撮る空気は本当に素敵だな。」

という。君は、

「私はあなたに褒められるのが一番嬉しい。」

と笑って、また、透明な四角いガラスの箱に空気を閉じ込め始める。

僕は君の持ってきたガラスの箱を太陽にかざしてみた。
その中には、空気と一緒に君の体温も閉じ込められているような気がした。

僕は透き通った空を見ながら、僕らは真空の宇宙の中にぽつんと浮かんだ星の上にほんの一瞬存在しているだけなんだ、ということを実感した。

小春日和のとても良く晴れた秋の日だった。

  ・・・

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