Webライターで食べていくために必要なこと
「ライターなら副業でも簡単にできそう」
「文字を書く仕事なら未経験でも大丈夫」
と言って、Webライター業に興味を持つ方は多いと思います。とくに副業としてWebライターをやってみたい、フリーランスと言えばライター!と言ってPCを使ったクリエイティブな仕事を第一想起する方は少なくありません。
結論、Webライター1本で生計を立てられる方は、Webライターを志す割合に対してそこまで多くないです。ほとんどの場合、文字単価1円以下の安請け合いで挫折、納期を守れず挫折、興味のないテーマの記事が書けず挫折、編集者に赤入れされまくって心が折れて挫折…という感じで途中退場していきます。
なお私の本業は採用コンサルタント(社外人事)ですが、Webライターと編集の仕事だけでも食べていけるだけの収入があります。
会社員時代含めWebライター歴はわずか5年弱となりますが、私が稼げるようになった背景にはWebライターのお金の流れや職業理解を深めた点にあると考えています。
そこで今回はWebライターの基礎知識として、Webライターのよくある誤解やライターの種類、お金を受け取る仕組みについて解説したいと思います。
Webライターに対する誤解
冒頭にも書きましたが、Webライターになったものの全く続かず稼げずという人たちは、「Webライターは簡単」という大きな誤解をしていると思います。
Webライターは文字を書く仕事です。日本語が母国語で、日ごろインターネットを通してWeb記事を読みなれている皆さんは「文字を書くなら簡単」と勘違いをしています。
おっしゃる通り文字を書く仕事ではありますが、Webライターがなぜ文字を書いているか、考えたことはありますか?
Webライターの書いた記事を用いて、企業がどのように売上を上げているのか、お金の流れはイメージできていますか?
この質問に答えられない方の多くは、Webライターを「ただ文字を書く仕事」と表面上でとらえており、本質を理解できていません。
文字を書く真の目的が押さえられていないがゆえ、いざ書き出しても続かない&稼げないサイクルに陥ってしまうのです。
継続して稼げるWebライターになる前提条件「職業への理解」
どのような職業もそうですが、その職種がどんなビジネスの中でどういった役割を持っているのか理解しなければ、正しいバリューは発揮できません。
正しいバリューを発揮しなければクライアント(発注主または雇用主)からも評価されないため、報酬は上がりません。
そのため、まずはWebライターという職業はどういうものなのか、どのように分類されるのか、仕事の流れや関わる人は誰なのかなど、基本の枠組みを押さえることをおすすめします。
職業理解の際は、とくに「お金の流れ」を確認することが重要です。
Webライターの所属先によって関わるビジネスモデルは異なり、お金の流れが異なれば自分のアクションすべき相手も変わっていくためです。
【職業理解1】Webライターの分類
一口にWebライターと言っても以下のように分類ができます。まずはご自身がどのジャンルのWebライターになりたいのかイメージしてみましょう。
ブロガー(アフィリエイター)
取材ライター
コピーライター
SEOライター
PRライター
セールスライター
コラム・エッセイライター
さらに、超細かく細分化していくと以下のようなWebライターも存在します。
求人広告ライター
採用広報ライター
LPやWebサイト特化のWebライター(セールスライターまたはコピーライターの一部)
プレスリリースの専門ライター(PRライターと切り離してるケースもごくまれに)
SNSの投稿専門ライター(SNSマーケティングの会社などで活躍)
メルマガライター(セールスライターの一種)
続いて、上記でご紹介したWebライターがどういったビジネスモデルに関わり利益を得ているのか解説します。
【職業理解2】Webライターの関わるビジネスモデル・お金の流れ
Webライターの書いた記事がどこに掲載されるのか、その記事をもとにどのように売上が上がるのか理解すれば、ご自身の収入増のためにやるべきことが明確になります。
Webライターの関わるビジネスモデルとお金の流れを、今回は大きく2つに分けてご紹介します。
①広告収入
Webライターの稼ぎの代表的なものに広告収入があります。
Webライターが書いた記事を集めて掲載したメディア(媒体)に、インターネットを介して不特定多数の読者が集まり、記事内に掲載されたWeb広告を見たりクリックしたりすると売上が上がる仕組みです。
記事内にWeb広告を出稿する人を広告主と呼びます。広告主に代わって、皆さんの記事が何かしらの商品サービスの宣伝に貢献し、お金がもらえる仕組みとなっています。
なお求人広告ライターの報酬出所も広告収入です。求人専門のメディアに広告主(人材募集をしている企業)がお金を払って掲載する仕組みとなっており、求人メディアを運営する人材会社の売上からWebライターへ報酬が支払われます。お金の流れは広告収入の純広告とほぼ同じ考えになります。
つまり、広告収入の場合は広告主のメリットにつながるほど、Webライターの報酬額が上がる可能性があると押さえておきましょう。
②顧客集客の売上
Webライターのお金の流れの2つ目は、顧客の集客による売上です。
一般的な流れを解説します。
まず、企業の独自ドメインのサイト(オウンドメディア等)に、SEOライターや取材ライターが記事を書き納品します。その記事がGoogleなどのインターネット検索にひっかかり、記事を通してオウンドメディアにユーザーが訪れます。
ユーザーがサイトに訪れた後の動きはさまざまです。
オウンドメディアの問合せフォームから問合せする
資料ダウンロードをする(ユーザーの個人情報取得)
SNSでシェアする
セミナーやイベント申込をする
メルマガ登録する
必ずしも上記アクションにつながらない場合もありますが、記事を通してオウンドメディア運営元企業の存在を認知してもらうことも目的の1つです。
顧客集客に関わるWebライターは、記事を通して上記のようなユーザーアクションにつなげることが1つのゴールとなっています。
最終的には、アクションを起こした顧客にオウンドメディアの運営元が営業を行い、サービス販売につなげて利益が得られます。Webライターは、オウンドメディアの運営元企業の売上確定する先の未来までイメージを膨らませて、記事を作成しなくてはならないのです。
(例)
多くのWebライターは、目の前にある 「営業 未経験 転職」 といったキーワードを書くことに集中しています。
本来の目的である「人材紹介への無料相談へ登録」や「手数料売上35%」をあまりにも意識せず書き進めてしまうと、けっきょく自己満の文章になってしまいます。
いくら文章は素敵でも、発注主(ここでは人材紹介会社)が求める目的を達成しなければ、いくら頑張ってもWebライターの報酬は増えません。自分が頑張って書いた記事がどのように使われ、その記事を介してどのようにお金が動くのか、先の先までイメージしていかなければならないのです。
まとめ
今回は、Webライターとして継続収入を得ていくために必要な基礎知識として、Webライターの分類やお金の流れについて解説しました。
Webライターとして食べていくために、SEO知識を磨いたり、語彙力をつけたりすることも重要ですが、小手先のテクニックを身に付けても収入が得られるわけではありません。
ご自身の書く記事は、どのメディアでどのように使われるのか、広告収入もしくは顧客集客のどのポイントで売上が上がるか意識することで、自分のやるべきことは見えてくるはずです。
「文字単価1円以下でつらい」など嘆く前に、どういったビジネスモデル×業態だと利益が出やすいのか、お金の流れを理解・分析してみていただければ幸いです。
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